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連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part2「メインユニット編」 その5「AV一体型ナビのトレンド解説 後編」

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三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオを愛好する方々、そしてこれから始めてみたいと思っている方々に向けて、製品選びのポイントを紹介している当シリーズ連載。現在は「メインユニット」の選び方を説明している。今回は前回に引き続いて、AV一体型ナビのトレンド解説をお届けする。

『ダイヤトーンサウンドナビ』なら、スペシャルなシステム運用も可能に!

前回の記事にて、AV一体型ナビをAV機能のみに着目して分類したとき、3タイプに分けられると説明し、そしてその中の「スタンダードタイプ」と「ベーシックタイプ」の特徴やトレンドについて解説した。それに引き続き今回は、もう1つの「高機能タイプ」に関しての考察をお届けする。

で、「高機能タイプ」とは、「フロント2ウェイスピーカーのツイーターとミッドウーファーを“マルチ制御”できるモデル」だと定義した。なおこの定義に当てはまる機種は4シリーズある。

では、それぞれの利点を紹介していこう。まずは、三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』から。ちなみに当シリーズは、ハイエンドナビの第一号機種だ。初登場したのは2012年。それまではハイエンドメインユニットと言えば1DINのCDレシーバータイプである場合がほとんどだったのだが、当シリーズの初代モデルにて、初めてナビとハイエンドメインユニットとの融合が果たされた。

そして当シリーズのモデルには初代機から、三菱電機だけが実現できているスペシャル機能、「マルチウェイ・タイムアライメント」も搭載されていて、他のハイエンドメインユニットでは行えない特別なシステム運用も可能となる。当機能がどのようなものなのかをざっくり説明すると、以下のとおりだ。

「タイムアライメント」とは、各スピーカーの発音タイミングをコントロールする機能だが、ツイーターとミッドウーファーを個別制御(マルチ制御)する場合には、それぞれの音楽信号は設定後、個別に伝送する必要がある。信号を混ぜるわけにはいかないからだ。でも「マルチウェイ・タイムアライメント」では個別にコントロールしたツイーター用の信号とミッドウーファー用の信号とを、同一回線で伝送可能だ。

カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ。

『ダイヤトーンサウンドナビ』なら、ライトにあるいはとことん“本格カーオーディオ”を満喫できる!

そのようなことが可能となることで『ダイヤトーンサウンドナビ』では、フロント2ウェイスピーカーを“マルチ制御”するときでも、内蔵パワーアンプの使用ch数は「2」で済む。つまりリアスピーカーを殺さずとも緻密にフロントスピーカーをコントロールできる。また、ナビを換えただけで(スピーカーケーブルの引き直しをしなくても)純正スピーカーの“マルチ制御”も行える。

その上で、外部パワーアンプを用いる本格的なシステム構築ももちろん可能だ。ライトにもディープにも、幅広く“本格カーオーディオ”を満喫できる。

そして当シリーズと双璧を成すのが、カロッツェリアの『サイバーナビXシリーズ』だ。当シリーズには「マルチウェイ・タイムアライメント」こそ備わっていないが、その他のコントロール機能に関しては『ダイヤトーンサウンドナビ』とほぼ同一で、イコライザーに関してはサブウーファーを独立してコントロールできる分、むしろ優秀だ。

なおカロッツェリアの『サイバーナビ』も、コントロール機能については『サイバーナビXシリーズ』と同様だ。しかし『サイバーナビXシリーズ』は、搭載されている音響パーツに一層の贅が尽くされていて、素の音質性能がさらに磨き上げられている。なのでどこまでも高音質を追求しようと思うのなら、『サイバーナビ』よりも『サイバーナビXシリーズ』にまで手を伸ばすべきだろう。『サイバーナビXシリーズ』を選択すれば、ハイエンドカーオーディオを存分に楽しみ尽くせる。

アルパイン・ビッグXシリーズ。

『サイバーナビ』には、特別なエンターテインメント機能も搭載済み!

対して『サイバーナビ』は、『サイバーナビXシリーズ』よりもリーズナブルであることと画面サイズのバリエーションが多いことが利点だ。そしてさらには、エンタメ機能が充実していることもストロングポイントとなっている。

というのも当シリーズでは搭載されているブラウザを使ってYouTubeが楽しめ、また自宅のブルーレイレコーダーともアクセスできる。結果、ブルーレイレコーダー内に録り溜めてある番組も車内で観られるし、もしもそのレコーダーでBSやCSが観られるのであれば、車内でもそれらを利用できる。また、ネットワークスティックが付属されているモデルを選べば(付属されていないモデルでも後から別途購入可能)「docomo in Car Connect」のサービスを受けられるようになるので、YouTubeも見放題となり、『サイバーナビ』をWi-Fiスポットとしても活用できるようになる。なお『サイバーナビ』には、車種専用の10型モデルの用意もある。該当する車種のオーナーは、それのチェックもお忘れなきように。

あと、アルパインの『ビッグXシリーズ』も、フロント2ウェイスピーカーの“マルチ制御”が可能な本格機だ。

ちなみに当シリーズも、コントロール機能が優秀であることに加えて音質性能の高さにも定評があるのだが、その他の特長も有している。主だったところでは、超大画面モデルもラインナップしていることと、車種別専用設計となっていてフィッティングが美しいモデルも用意されていること、この2点が際立っている。そしてサウンドチューニング機能も車種専用にプリセットされている。つまり、購入後にコントロール機能を改めて操作しなくても優秀なサウンドチューニング機能の恩恵を享受可能だ。

ところで『ビッグXシリーズ』は、グレードが異なっても基本的な機能はどれも同一だ。グレード間での主な差異点は、画面サイズと周辺パーツまでも同梱されているか否か、この2点のみだ。どれを手にしても機能的には同様の満足度が得られる。この点も『ビッグXシリーズ』ならではの良さと言って良い。

今回は以上だ。次回はスペシャリティが高いメインユニットにスポットを当てようと思う。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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