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連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part2「メインユニット編」 その3「通常1DIN機or2DIN機のトレンド解説」

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カロッツェリア・MVH-7500SC全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオをすでに楽しんでいる方、そして興味を持っている方々に向けて、製品選びの“勘どころ”を解説している当特集。現在は、メインユニットのセレクト法を説明している。今回は、AV一体型ナビおよびディスプレイオーディオ以外の機種のトレンドを分析する。

2DINスペースをメカで埋めたいなら2DIN機が、多くの中から選びたければ1DIN機がお薦め!

最初に、2DIN機と1DIN機のそれぞれがどのような人に向いているのかを解説していく。まず、愛車のセンタークラスターパネルの空きスペースが1DIN分のみの場合には選択肢はおのずと1DIN機に絞られるのだが、2DIN分のスペースが空いている場合には、どちらを選べば良いのかというと…。

判断基準となるのは“見た目”と“実用性”だ。2DIN分のスペースをメカで埋め尽くしたいと考えるのであれば、2DIN機が向いている。または、1DIN機のコンパクトでスマートなフォルムの方がカッコ良いと思うなら1DIN機をチョイスしよう。

そして実用面では以下のような違いが出てくる。1DIN機を装着する場合には、余った1DIN分のスペースを小物入れとして活用可能だ。そこにメリットを感じる場合にも1DIN機が候補となる。しかしながら、2DIN機の方が本体に備わっているボリュームスイッチや表示部等が大きめなので、操作性においてはアドバンテージを発揮する。

なお、選択肢が多いのは1DIN機の方だ。機能や価格を鑑みながらどれがベストなのかをじっくりと比較検討したいと思ったら、1DIN機に利がある。

では、どのような機種があるのかを具体的に紹介していこう。AV一体型ナビおよびディスプレイオーディオ以外のメインユニットを数多くラインナップしているメーカーはカロッツェリアとケンウッドの2社なので、それらの製品編成を見ながらトレンド解析を行っていこうと思う。まずはカロッツェリアから。

同社は、ディスプレイを持たない2DINメインユニットを計2機種、1DINメインユニットを計10機種擁していて、その計12機種のうちの4機種が「スマートフォンリンク」の対応機だ(2DIN機が1機種、1DIN機が3機種)。そしてそれ以外の8機種のうちの2機種が「ハイエンドメインユニット」となっている。

カロッツェリア・DEH-P01

主要なスマホアプリの起動や主な操作をメインユニットのスイッチで実行可能!

さて、「スマートフォンリンク」とはどのような機能なのかというと、これはその名のとおりスマホとの連携力が上がるという機能なのだが、最大のポイントは「主要スマホアプリの起動や主な操作をメインユニットで行えること」にある。

このことがストロングポイントとなる理由は以下のとおりだ。スマホを車内で使う場合、アプリの起動がしにくい。スマホアプリの起動は基本的に、スマホ画面を注視しなくては行えないからだ。まずはロックを解除してさらにはホーム画面から使いたいアプリのアイコンを探し出し、その上でそれをタップし起動することとなる。この一連の動作を運転中に行うのはほぼ不可能だ。

しかし「スマートフォンリンク」に対応しているモデルでは、メインユニットのスイッチをブラインドタッチで押すことでアプリの起動を行えたりメッセージを読み上げる等の操作をダイレクトに実行できる。それを行えるアプリの数は限定的ではあるものの、運転中に使いたいアプリはそれほど多くはないはずだ。それらが手元を見ずに使えるようになるだけで、ドライブの快適性はぐっと高まる。

なお、「スマートフォンリンク」に対応する機種のうちの1つである『MVH-7500SC』(価格:オープン)では、当機能を中心に据えて全体が仕上げられている。まず当機はスマホありきの仕様となっているので、本体に液晶表示部を持たずスマホがディスプレイとなる。つまり、当機を使う場合にはセンタークラスターパネルの中央にスマホをポジションさせられる。スマホの置き場に困らないばかりか、見やすくかつ収まりの良い場所に設置できる。そして主要アプリの起動または操作ボタンも大きく、手探りでの操作が至ってしやすい。

ケンウッド・DPX-U750BT

音にこだわる向きは、サウンドチューニング機能の内容も要チェック!

なお「スマートフォンリンク」に対応している4機種はどれも「高性能DSP」も搭載し、『MVH-7500SC』以外の3機種は「ネットワークモード」にも対応するので、フロント2ウェイスピーカーのマルチ制御も可能となる。音にこだわりたい場合にもこれら4機種は向いている。

対して、「ハイエンドメインユニット」の2機種以外の「スマートフォンリンク」に対応しない各機は、「高性能DSP」も非搭載だ。そのかわりよりリーズナブルに仕上げられている。メインユニットにコストを掛けたくない場合にはこれらが向いている。なおこれら6機種は、CD、USB等のメディア対応の内容とBluetooth対応の可否がそれぞれで異なっている。

そして音に一層こだわりたいと思ったら、「ハイエンドメインユニット」が候補となる。特にトップエンド機である『DEH-P01』(税抜価格:10万円)は、フロント3ウェイ+サブウーファーのマルチ制御も行える(同梱するパワーアンプでフロント3ウェイのマルチドライブも可能)。本格システムの構築も視野に入るなら、当機の導入を検討しよう。

続いてはケンウッドのラインナップを紹介していこう。同社はAV一体型ナビもしくはディスプレイオーディオではないメインユニットの現行機を計11機種有している(2DIN機が3機種、1DIN機が8機種)。

2DIN機の3機種間での主な違いは以下のとおりだ。上位機種はBluetoothとAlexaに対応し、2nd機はAlexaが省かれ、3rd機は両方が省かれている。1DIN機も、主にはAlexaとBluetoothが使えるか否か、そしてCDメカの有る無しが違いとなっているのだが、さらにはチューニング機能とファイル対応の幅にも違いがある。詳細なサウンドチューニングを行いたいと思ったら、タイムアライメント、13バンドイコライザー、サブウーファー出力が備わっているモデルをチョイスしよう。そしてハイレゾ音源も楽しみたい場合は、ファイル対応の詳細のチェックもお忘れなきように。

今回は以上だ。次回はAV一体型ナビのトレンド解説を行う予定だ。乞うご期待。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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