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人気ブランド“グラウンドゼロ”より大注目のニューパワーアンプ登場! その実力を徹底Check!! Part.2

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グラウンドゼロ・GZPA SQ シリーズ全 6 枚写真をすべて見る

ドイツ発の人気カーオーディオブランド“グラウンドゼロ”から大物ルーキーが登場した。パワーアンプのトップグレード『GZPA』シリーズに、2つの新機種が加わることとなったのだ。それらの実力がどれほどのものなのかを知るべく、早速のテスト取材を実行した。

そのリポートの後編をお届けする。今回は、インプレッション記を詳細にお伝えしていく。

ミドルグレードのパワーアンプで試聴システムの音を確認。テスト環境に不足なし。


ZRスピーカーラボ・エントリーライン

最初に、試聴環境を紹介しておこう。テストは“グラウンドゼロ”の正規輸入代理店である“イース・コーポレーション”の試聴室で行った。PC→USB DAC→パワーアンプ→パッシブクロスオーバーネットワーク→スピーカーという構成のシステムにてチェックした。リファレンススピーカーには、スロヴェニアのスーパーハイエンドブランド“ZRスピーカーラボ”『エントリーライン』(税抜価格:38万8000円、2ウェイ)をチョイスした。

ケーブルは、RCAケーブルにチェルノフケーブル『CLASSIC MK II IC165』(税抜価格:8万7000円/1.65m)を、スピーカーケーブルに"Zonotone"『6NSP-Granster 5500α』(4000円/1m、税抜)を、USBケーブルに“チェルノフケーブル”『CLASSIC USB A-B IC100』(税抜価格:1万7000円/1m)をそれぞれ使用した。

新作パワーアンプの音を確認する前に、参考として同じく“グラウンドゼロ”の上級4chパワーアンプ『GZNA 4330XII』(税抜価格:15万3000円)を使い、試聴システムの全体的なサウンドクオリティを確認した。

スピーカーは、“ZRスピーカーラボ”のラインナップにおいての初級機ではあるが、さすがはスーパーハイエンドブランドのモデルだけのことはある。高解像度で高S/N。不足を感じる要素は1つとしてない。低音は密度感が高くハリもあり躍動感も十二分。中域も質感が高くリアル。ボーカルも至って生々しい。高域もクリアでスムーズだ。聴き心地は上々だった。

さて、新たな『GZPA』シリーズの2機種は、このサウンドとの違いを示せたのか否か…。

“良さ”の次元が明らかに1ランク上昇。微細な音符の再現性の高さも好印象。


グラウンドゼロ・GZPA 4SQ

まずは、4chモデルである『GZPA 4SQ』(税抜価格:24万5000円)のサウンドからチェックした。

テストトラックを再生し始めて真っ先に思ったのは、「耳当たりの心地良さ」だった。その前に聴いていた『GZNA 4330XII』を用いたシステムでも心地良さを十分に味わえたが、パワーアンプが『GZPA 4SQ』に代わることで“良さ”の次元が明らかに1グレード向上していたのだ。上級パワーアンプでなければ再現不可能な、充実感みなぎるHi-Fiカーオーディオサウンドを堪能できた。

特にボリュームが小さな楽器の音の表現力に、大きな違いが感じ取れた。微細ではありながらも埋もれることなく凛とした輝きを放って見せている。そういった積み重ねが、全体的な充実感となって現れているのだろう。

そして味わいも深まっている。1音1音にコクが出ていて旨味が増している。余韻の美しさも何とも言えない。誇張感はないが響きは至ってリッチだ。

4chで24万5000円(税抜)という価格は、ハイエンドパワーアンプの中にあって今や手頃なレベルと言っていいが、サウンドは十二分に本格仕様だ。“グラウンドゼロ”の製品はエントリー機からスーパーハイエンドモデルに至るまでおしなべて良好なコストパフォーマンスを発揮するが、当機もそれは同様だ。

『GZPA 4SQ』が実力機であることを、疑う余地はなさそうだ。ヒットモデルとなる予感は大だ。

1音1音が一層研ぎ澄まされて、実在感も際立って向上!


グラウンドゼロ・GZPA 2SQ

続いて、2chモデルである『GZPA 2SQ』(税抜価格:21万5000円)のテストに移った。なお、当機には“ピュアダイレクトモード”(クロスオーバー回路をスルーする機能)が搭載されているのだが、最初から当機能を“オン”にしてテストした。

1曲目のイントロがスタートした瞬間に、明らかな実力差を感じ取れた。

『GZPA 4SQ』と比べて1chあたりの価格が倍近くになっていることはダテではない。すべての面で能力が引き上げられている。解像度、S/N、情報量、これらパワーアンプに求めたいスペックがそれぞれグンと向上し、1音1音が磨き込まれ研ぎ澄まされている。

高音は一層スムーズさが増し、緻密で繊細。そしてその繊細な音の1粒1粒がリアルで瑞々しい。中域の厚みも増している。歌声はシンガーの体温が伝わってくるかのようにリアリティが高い。低域もより引き締まり、しかし同時に伸びやかさも増している。そして何より音楽性が際立って高い。各楽曲の世界に引き込む力が強く、癒され、感動させられる。

サウンドコンペに出場するような車両であったり、またはとことんHi-Fiを突き詰めたいと考えるなら、選ぶべきは『GZPA 2SQ』だろう。多少の無理をすれば手が届くのであれば、これを選んでおかないと後から悔やむことになりかねない。

だが、肩肘張らずにハイエンドサウンドを楽しみたいと考えるのであれば、『GZPA 4SQ』を使って不満に思うことはないだろう。2台を横に並べて比較をすれば、軍配は間違いなく『GZPA 2SQ』に上がるが、『GZPA 4SQ』を単独で聴いて物足りなく思うことがないこともまた事実だ。どちらを使っても、骨太にして繊細な“グラウンドゼロ”らしいサウンドを満喫できる。

“バリアブル バイアス セッティング機能”の使い心地もチェック!


グラウンドゼロ・GZPA SQ シリーズグラウンドゼロ・GZPA SQ シリーズ

最後に、両機に搭載されている“バリアブル バイアス セッティング機能”の効果を、『GZPA 2SQ』にてチェックした。ここまでのテストでは、この「通常のClass-A/B動作から、より鮮度の高いClass-A動作領域まで無段階で調節できる」機能を、“ミニマム”の状態で聴いていたのだが、それを“マキシマム”のところまで振り、同様のテストトラックを聴いてみた。

なるほど、サウンドの味わいがさらに深くなり、コクも増している。余韻の美しさも向上していて全体がよりリッチな方向へと進んでいる。ただし、“ミニマム”のサウンドと比べての優劣は付けがたい。“ミニマム”のときのソリッド感も、それはそれで捨てがたい。

続いて、“バリアブル バイアス セッティング機能”のつまみを中間点あたりまで戻してテストしてみた。個人的な感想を言うならば、ベストはズバリ、ここだろう。ソリッドさとリッチさのバランスが絶妙で、両方の良さが味わえる。

もしも『GZPA』シリーズのモデルを手にしたら、当機能は絶対に試すべきだ。これにより良さが何1つ失われることはないし、その上でサウンド傾向を好みの方向に持っていくことが可能となる。電流消費量も変わってくるので、その点も加味して使い方を考える必要はあるだろうけれど、これを活用することで『GZPA SQ』シリーズの“魅力”を一層深く味わえる。

ところで改めて考えてみると、“後継機”は従来モデルと比べて価格がアップするケースが多いが、『GZPA 4SQ』、『GZPA 2SQ』はともに、よりリーズナブルに生まれ変わっている。その点もなんとも“グラウンドゼロ”らしい。コストパフォーマンスが一層高められ、よりユーザーフレンドリーに仕上げられている。好感度は高い。

また1つ、価値あるハイエンドパワーアンプシリーズが市場に投入されることと相成った。上級アンプへのグレードアップを検討する際には、両機を候補に入れて損はない。サウンドをチェックする機会があれば、それを逃すことのなきように。

《text:太田祥三》

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