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【サウンドチューニング大辞典】第4章 お役立ち調整機能研究 その13「クラリオンの場合 ll」

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カーオーディオにおいての重要項目の1つである「サウンドチューニング」について、その成り立ちから操作方法までを解説している当コーナー。現在は「お役立ち調整機能研究」をテーマに掲げ、各社ごとで開発されている独特な調整機能を紹介している。

今週は、前回に引き続いて“クラリオン”のAV一体型ナビに積まれている「お役立ち調整機能」にフォーカスする。

では早速本題に入ろう。まずは、『サウンドリストアラー』を取り上げる。最初に、当機能でどのような効果が得られるのかを説明しよう。ひと言で言うと、「MP3やWMAなどの圧縮された音源を、圧縮される前の状態に近づけられる」というものである。

MP3やWMAは、データ量を軽くするための圧縮処理が施されているわけだが、その処理がなされることで失ってしまう情報も存在している。しかしながら『サウンドリストアラー』をオンにすると、高域信号が再生成され圧縮される前のもともとの音に近い状態に復元される。結果、より豊かなサウンドを楽しめる、というわけなのだ。

最近は、“ハイレゾ音源”等のハイスペックな無圧縮の音源を所有する人が増えてきているが、とはいえ、過去に大量のCDをMP3等でリッピングしてあり、手持ちのスマホにも圧縮音源がたっぷりと格納されているというケースも多いはすだ。そのような方にとっては特に、当機能が役立つはずだ。

続いては、『バーチャルバス』を紹介しよう。こちらは要は、「低音を増強する」ための機能であるのだが、他の同様な目的を持つ機能とは低音を増強しようとするアプローチがひと味違っている。

ところで音は、“基音”と呼ばれる音程を決定する成分と、“倍音”と呼ばれる音色を決定する成分とで構成されている(例えば“基音”が100Hzだった場合には、“倍音”は整数倍の200Hz、300Hz…、というような関係となっている)。

当機能は、そのメカニズムを利用する。仕組みは以下のとおりだ。口径が小さいスピーカーではそもそも低音再生力に限界がある。しかし当機能では、“倍音”部分を持ち上げることでそれにつられて“基音”も持ち上がったように感じさせようとする。つまり、出せない部分を擬似的に“出ている”かのようにする、というわけなのだ。

低音再生にこだわる向きには、当機能は相当に威力を発揮する。

今回は以上とさせていただく。次回も“クラリオン”ならではの「お役立ち調整機能」についての解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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