今やカーオーディオにおいてなくてはならない存在となっている“サウンドチューニング”について、その仕組みから操作方法までを解説している当コーナー。現在は「お役立ち調整機能研究」と題して、メインの調整項目とは別の細かな便利機能を取り上げ、紹介している。
先週までの計5回にわたっては、『ダイヤトーンサウンドナビ』に搭載されている「お役立ち調整機能」を紹介してきた。今回はその最終回として、次の2機能をフィーチャーする。1つが『PremiDIA Real Position』、もう1つが『DIATONE Volume』だ。
それぞれについて詳しく解説していこう。まずは『PremiDIA Real Position』から。
当機能の役割はズバリ、「座席を問わず、良好なサウンドステージを実現させる機能」である。
ところで、プロセッサーを用いてサウンドチューニングを煮詰めていくと、スイートスポットは1席に限定される。運転席をリスニングポジションとして調整していくと、運転席ではリアルなサウンドステージを感じ取れるようになるが、それ以外の席ではむしろもろもろのバランスがさらに崩れることとなる…。
しかしながら『PremiDIA Real Position』をオンにすると、話が変わってくる。前列の左右いずれのシートでも、音像が目の高さまで上がり、ボーカルが目の前で歌っているかのような定位感、そして広いステージングの再現が可能になる。リアシートに座っている場合にも、フロントガラス方向にステージを感じ取れるようになる。
そしてもう1つの『DIATONE Volume』とは、「ソースや楽曲による音量差を自動調整」してくれる機能である。『ダイヤトーンサウンドナビ』をはじめとするAV一体型ナビでは、CD、SD、地デジ、ラジオ等々さまざまなソースが楽しめるが、ソースを切り替えると急に音が聴こえにくくなったり、大きくなり過ぎたり、ということが往々にして起こり得る。
急に音が大きくなればびっくりするし、突然聴こえにくくなるのも困りものだ。そうなると、都度ボリューム操作をしなくてはならず、これがなかなかに面倒だ。
しかしながら『DIATONE Volume』をオンにしておけば、各コンテンツごとの音量差が最適化される。
なお、このような機能は案外いろいろな機種に搭載されているのだが、通常は、音量調節されたときに違和感が出たり、音色が変わってしまったり、音量の不安定感が起こったりと、ネガティブな現象が現れがちだ。しかし『DIATONE Volume』ではそういったことがほとんど起こらない。複数のソースを楽しむ方であれば、当機能をオンにしておくと常に快適な音量で各コンテンツを楽しめる。
ここまで紹介してきたとおり、『ダイヤトーンサウンドナビ』には、「お役立ち調整機能」が満載されている。理に叶った、的を射た機能ばかりだ。このことからも、『ダイヤトーンサウンドナビ』がよく考えられた機器であることを再認識できる。
今週はここまでとさせていただく。次回からは“クラリオン”の機器に搭載されている「お役立ち調整機能」をクローズアップする。お楽しみに。
《text:太田祥三》