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【サウンドチューニング大辞典】第3章「タイムアライメント」その2 簡易的なタイプとは?

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セパレート2ウェイスピーカーを簡易的に鳴らすシステムにおいては、「タイムアライメント」をざっくりとしか運用できないが、それでも大きな効果を得られる。全 1 枚写真をすべて見る

カーオーディオの仕上がりの音を整えるための重要要素「サウンドチューニング」について、成り立ちから扱い方までを詳細に解説している当コーナー。先週からは新たな章に突入し、「タイムアライメント」をテーマにお届けしている。

前回は、当機能のあらましを説明した。今回は、“簡易的なシステム”においての「タイムアライメント機能」の働きを解説していく。

なお、ここでいう“簡易的なシステム”とは、「フロントスピーカーをパワーアンプの2ch分を使って鳴らすシステム」のことである。純正のメインユニットやスタンダードなカーオーディオメインユニット(AV一体型ナビを含む)には、パワーアンプが4ch備えられている。それぞれを使い、フロントの右スピーカー、フロントの左スピーカー、リアの右スピーカー、リアの左スピーカーのそれぞれが鳴らされる。

ところで最近は、フロントスピーカーに“セパレート2ウェイスピーカー”が使われることが多くなってきている。純正スピーカーであってもフロントスピーカーが、高音再生用のツィーターと中低音再生用のミッドウーファー、この2つで構成されることが多くなっているのだ。

実はこの状況では、「タイムアライメント」を詳細に適用できない。

前回説明したとおり「タイムアライメント」とは、「左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取っているかのような状況を擬似的に作り出せる」機能である。しかしながら“セパレート2ウェイスピーカー”は、そもそも左右のスピーカーが2つに分かれている。

フロントスピーカーが“フルレンジ”タイプであったなら、状況はシンプルだ。「スピーカーはドアに1つ付いているだけ」の状況であれば、近いほうのスピーカーに対して音を発するタイミングに遅延をかければ、「左右のスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況」を擬似的に作り出せる。しかしそもそも左右のスピーカーが1つではない場合、「左右のスピーカーから等距離の場所」は作り出し難いのだ。

というわけなので、左右のスピーカーがそれぞれ2つで構成されていて、しかもそれぞれが別々の場所に取り付けられている場合に「タイムアライメント」を適用しようとしても、“概ね”の調整しか行えない。左右それぞれ2つあるスピーカーを、“1つ”のスピーカーとして扱わなければならないからだ。

しかしそれでも、音楽の聴こえ方は良い方向に大きく変化する。計4つあるフロントスピーカーを計2chのパワーアンプで鳴らすシステムにおいても、「タイムアライメント」は大いに有効だ。

今週はここまでとさせていただく。次週もさらに「タイムアライメント」についての解説を深めていく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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