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トータル・アコースティックマテリアルブランド『StP』の創設者・MIKHAIL VOSKUN氏が初来日! 緊急インタビュー!

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左から、ANTON TATARINOV氏、MIKHAIL VOSKUN氏、SERGEY MILEK氏。全 10 枚写真をすべて見る

車内空間をトータルコーディネイトするロシア発のアコースティックマテリアルブランド『StP』。同社の創設者であるMIKHAIL VOSKUN氏が、2018年春、公式に初来日した。その氏への緊急インタビューが実現。信念やブランドの強み等々を、じっくりと訊いた。

研究機関での経験と知識から、乗り物の快適性を向上させる製品のアイデアが生まれ…。


『StP』のアコースティックマテリアル。『StP』のアコースティックマテリアル。『StP』のアコースティックマテリアル。

今回、日本にやってきたのは、『StP』のChief Executive OfficerであるMIKHAIL VOSKUN氏と、同社Export Department ManagerのANTON TATARINOV氏、そして同社Executive directorであるSERGEY MILEK氏、以上の3名だ。

早速、インタビューの模様をお伝えしていこう。まずは、MIKHAIL VOSKUN氏に『StP』設立の経緯について訊いた。

「私は当社を設立する前の十数年間、さまざまな局面における“防振”と“防音”を研究する機関に所属していました。そこでの経験と知識から乗り物の快適性向上を実現させるマテリアルのアイデアが生まれ、それを形にするために、1996年、『StP』を設立しました。

実を言うと、会社を設立する前の少しの期間、とあるメーカーに入社し仕事をしました。しかしながらそこでは、思い描いていた製品を作り出すことができませんでした。それを実現させるためには自分でブランドを立ち上げるのが1番の早道であることに気が付き、結果、『StP』を創設するに至ったのです」

次には、『StP』の現在の会社概要を、ANTON TATARINOV氏に尋ねた。

「本拠地は、モスクワから北東へ約300km離れた、イヴァノヴォ州にあります。生産拠点は同州の中に計5か所あり、製品の設計、開発を担当する技術者は合計で45名ほどが在籍しています。

生産品の約60%がOEM製品で、そのうちの約70%がFord、Fiat、GAZやAutoVaz等々に向けた普通自動車用の製品です。そして残りの約30%がバスやトラック、農業機械といった普通自動車以外用の製品となっています。

OEM以外の製品は、ほぼすべてがカーアフターマーケット用です。ロシア国内はもちろん、ヨーロッパ、アジアを中心に、世界40か国以上で販売しています」

「快適性の向上を目指して開発した製品が、音響的にも高い効果を発揮した」


MIKHAIL VOSKUN氏ANTON TATARINOV氏SERGEY MILEK氏

続いてはMIKHAIL VOSKUN氏に、『StP』製品は何を目指して開発されているのかを訊いてみた。

「最初にお話したように、創業時の開発コンセプトは“快適性の追求”でした。乗り物の快適性を向上させるために、振動を抑え、ノイズをコントロールできる部材を開発しようと考えたのです。

しかしながら作り出した製品は、快適性の向上を実現させながら同時に、音響的にも優れた効果を発揮しました。そしてその部分が市場で注目され、音に効く製品のラインナップの拡充を求める声が多く寄せられるようになりました。それを受けて、徐々に音響的な観点も製品開発に注入するようになりました。現在では、快適性と音への効果の両面を見ながら製品開発を行っています」

SERGEY MILEK氏がさらに、コンセプトを具現化できている秘訣について、以下のように説明してくれた。

「当社では、“どこで使うのか、何を目指すのか”を明確にして製品設計を行っています。車内のどこに問題があり、原因は何で、それに対処するためにはどうすべきかをとことん研究した上で製品設計を行います。また、製品が出来上がった後には、効果についての検証を十二分に行います。この一連のプロセスが、『StP』製品の品質を支えているキーポイントになっています。

加えて、設計から検証、そして製造までを一貫して自社で行っていることも、コンセプトをハイクオリティに具現化できている秘訣です」

さらにANTON TATARINOV氏が『StP』の強みについて、こう続けた。

「生産性が高いことも当社のストロングポイントです。数を競うつもりはないのですが、5つの生産拠点を持つことで、効率良く生産を行えています。

他では、顧客と良い関係を築けていることも強みです。顧客とともに将来に向けた製品作りができています。そして、従業員すべてが前向きな思考を持って働いていることも、『StP』ならではの強みです。これらを原動力に、『StP』は今後も進化を続けられるものと確信しています」

「クルマが進化することで、新たな問題点も生まれる。それに合わせて『StP』製品も進化を続けなくてはならない」


『StP』のアコースティックマテリアル。『StP』のアコースティックマテリアル。『StP』のアコースティックマテリアル。

今後も進化を続けていくという『StP』だが、今現在取り組んでいる新しい試み等は何かあるのだろうか。SERGEY MILEK氏に訊いた。

「今は新たに、ヘリコプターの制振・静音化に取り組んでいます。ヘリコプターは乗り物の中でも、機内がもっともうるさい乗り物の1つです。隣りに座っている人との会話もヘッドセットなしでは不可能です。しかしその騒音を5dB下げることができたら、状況は大きく変わるはずです。これについても、どこで何をすれば効率的に振動とノイズを下げられるのか、研究を重ねています。

カーアフターマーケット用の新製品としては、車内でどのような問題(ノイズ)が発生しているのかを測定するソフトウェアの開発も進めています。これがあれば、より効率的に『StP』のマテリアルを使った施工が可能になります。

あと、政府要人の公用車の快適性向上プロジェクトにも関わっています」

最後に創設者のMIKHAIL VOSKUN氏が、以下のように語ってくれた。

「当社では、車内の快適性と音響的な特性を向上させるための部材を豊富に取り揃えていますが、今あるものだけで、将来にわたって車内のすべての問題を解決できるとは思っていません。クルマは常に進化を続けています。そしてその進化によって、新たな問題点も生まれてきます。ですから『StP』の製品も、クルマの進化に合わせて進化し続けなくてはなりません。

さらには、使われる地域も広がってきました。自然環境の違いのレンジが広くなっています。それに合わせて製品も、よりタフネスになっていく必要もあります。

『StP』製品のさらなる進化にも、期待していただきたいですね。クルマをもっと快適に、そしてもっと心地良く音楽が楽しめる空間にできるように、力を発揮していきたいと考えています」

今回の取材を終えて『StP』が、モノ作りに対して真摯なブランドであることを再認識することができた。愛車の快適性と音響特性の向上を考えたときには、『StP』というブランドのトータルアコースティックマテリアルがあることを、くれぐれもお忘れなきように。

《text:太田祥三》

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