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売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.4「上級4chパワーアンプ」編

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売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.4「上級4chパワーアンプ」編全 9 枚写真をすべて見る

イース・コーポレーションが2017年末に発表した『CAOTY(カーオーディオオブザイヤー)2017』。これにランクインしたモデルの中から、安定して売れ続けているモデル、ここに来て人気が上がったモデル計8台をセレクトし、試聴取材を実行した。

そのリポートを、週刊特集としてお届けしている。今回はその最終回だ。4chパワーアンプの最上級クラス『4chパワーアンプ10万円以上部門』に入選したモデルの中から選んだ特に気になる2台についての、詳細な試聴記をお伝えしていく。

なお、リファレンススピーカーとして使用したのは、「ロックフォード・フォズゲート」の2ウェイコンポーネントスピーカーの最上位機種『T5』(税抜価格:30万)だ。その他の試聴機材の詳細は、第1回目の記事を要参照。テストは4chのうちフロントchのみを使用して実施している。

ブランドイメージにも変化を与えた、エポックメイキングな名シリーズ。


まずは、不動の定番ライン、「ロックフォード・フォズゲート」の『パワーシリーズ』に属する、こちらのインプレッション・リポートをお届けしていく。

ロックフォード・フォズゲート T600-4

☆『T600-4』(税抜価格:12万円)
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ ●定格出力:100W×4(4Ω)150W×4(2Ω)300W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:20Hz~20KHz(±0.5dB) ●S/N比:86dB ●クロスオーバー:ハイパス 50Hz~500Hz(-24dB/oct)ローパス50Hz~500Hz(-24dB/oct) ●サイズ(幅×奥行×高さ):207×379×54mm ●PEQ対応

ところで『パワーシリーズ』が初登場したのは2007年だ。それから10年以上が経過しているわけだが、今に至るにあたり、ラインナップは変化してきた。新たに加えられるもの、そしてなくなるモデルもあった。その中にあってこの『T600-4』は、今となっては数少ないオリジナルモデルのうちの1台だ。そして10年以上にわたり、ずっと変わらず売れ続けてきた。正真正銘のロングセラーモデルなのである。

なおこの『パワーシリーズ』は、「ロックフォード・フォズゲート」のパワーアンプのイメージを変えたエポックメイキングなシリーズである。もともと同社のパワーアンプは、力強く、キレ味鋭くスピーカーをドライブできると高評価されていたが、しかしながらどちらかというと“パワー系”という印象も強かった。

対して当シリーズは、音が良いことでも話題となり、それまで以上にHi-Fiユーザーからも厚い支持を集めた。当シリーズの登場により、「ロックフォード・ファン」層が、ぐっと広がることともなったのだ。

また当シリーズは、デザインの良さにも定評がある。そのフォルムから古さは感じられず、むしろ先鋭的で洗練されたデザインだと思えるのだが、いかがだろうか。

さて、当機の音はこれまでも幾度となく聴いてきた。なのでそのサウンドに対するイメージは持てているのだが、毎年新たなパワーアンプが登場し、それらの音も多々聴いている。そういった体験を経た今、改めて当機の音に触れて、印象が変わるのか否か。そのあたりを確認すべく、テスト機として敢えてチョイスした。

魅力に陰りナシ! 低音のエネルギー感と、キレ味の鋭さがなんとも心地良い。


ロックフォード・フォズゲート T600-4ロックフォード・フォズゲート T600-4ロックフォード・フォズゲート T600-4

最初の1音が耳に入ってきた瞬間に、安心した。その音から古さを感じることはなかったからだ。安定感の高い、『パワーシリーズ』ならではの魅力的なサウンドが目前に展開されていた。

どのあたりが魅力的なのかと言うと、まず挙げるべきは低域のエネルギー感だろう。誇張はなく、バランスはあくまでもニュートラルながら、ハリがあり伸びもある。かつ適度に締まっていて、ぐいぐいとグルーブする。

そしてサウンド全体から感じられる、キレ味の良さ、小気味良さも魅力だ。ノリ良く音楽を聴かせてくれる。その上で、高域の滑らかさ、繊細さにも不足はなく、中域の厚み、ボーカルの充実感も申し分ない。

ところで、当モデルが登場した以後の10数年の間で、カーオーディオユニットの高額化が進行している。エントリークラス、ミドルクラスもさらに充実しているが、上級モデルの価格の幅が、ますます広がる傾向を見せた。

であるので、当機の“12万円”という価格は、今や、“ミドルグレード”という範疇にある。しかしながらその音は、十二分に“ハイエンド”の領域にあると言っていい。つまり、今となってはむしろ、コスパの高さがより鮮明になった、と捉えることもできる。満足度はさらに上がっている。

『パワーシリーズ』はまだまだ十二分にバリューを保てている。今後もベストセラーを続けていくに違いない。

超高額ながら『4chパワーアンプ10万円以上部門』に堂々ランクインした注目機。


いよいよ最後の1台となった。特集のトリを務めるパワーアンプはこちらだ。ドイツ発の実力ブランド、「グラウンドゼロ」のトップエンドモデルをチョイスした。

グラウンドゼロ GZPA Reference 4PURE

☆『GZPA Reference 4PURE』(税抜価格:72万円)
●仕様:4ch(4/3/2ch_Dual Stereo)パワーアンプ ●定格出力:150W× 4(4Ω)270W×4(2Ω)425W×4(1Ω)540W×2(4Ωブリッジ)850W×2(2Ωブリッジ) ●周波数特性:5Hz~38kHz ●S/N比:90dB ●サイズ(幅×奥行×高さ):590×236×67.5mm ●左右独立ゲイン、Variable Bias Setting搭載 ●ホワイトLED装備

ここまで、リーズナブルなモデルを中心に聴いてきたのだが、最後の最後は“スーパーハイエンド”モデルの音も確認しておこうと考え、当機をセレクトした。

ちなみに当機は、『CAOTY2017』の『4chパワーアンプ10万円以上部門』で、堂々第8位に食い込んでいる。市場には10万円台、20万円台のモデルが多々あるわけで、この価格にしてそれらと競い合うのは明らかに不利だが、そんな中でもこの順位を確保したことは、快挙と言って間違いない。

ところで、「グラウンドゼロ」の『リファレンスシリーズ』のパワーアンプは、3グレードがラインナップしている。1つが品番に“PURE”が付く最高峰モデル(4chモデルと2chモデルがあり税抜価格はともに72万円)、2つ目が品番に“SYM”が付くセカンドグレード(こちらも(4chモデルと2chモデルがあり税抜価格はともに51万円)、そしてもう1つが品番に“XS”が付くスタンダードグレード(これについても4chモデルと2chモデルがあり税抜価格はともに22万円)。その『GZPA Reference 4XS』も同部門で第6位にランクインしている。『リファレンスシリーズ』は、全体としても堅調な人気を誇っている。

なお当機には、“Variable Bias Setting”という機能が搭載されていることも注目点だ。これは、“A級動作”に無段階で近づけられる機能である。アイドリング電流量を勘案しながら、サウンド傾向を好みに応じて変更できる。より深く高性能ぶりを楽しみ尽くせるアンプに仕上げられている。

その音を改めて聴いてみると…。

“リアリティ”の高さがケタ違い。また、“音楽性”が高く、“癒し効果”も高い…。


グラウンドゼロ GZPA Reference 4PUREグラウンドゼロ GZPA Reference 4PUREグラウンドゼロ GZPA Reference 4PURE

当然ながらそのサウンドは、やはり“別格”だった。まずは、音と音のすき間にある、そして演奏がブレイクする一瞬の、“静けさ”が圧倒的だ。そして、リアリティの高さもケタ違い。1音1音の実在感と、サウンドステージの再現性が図抜けて高い。演奏しているその場に身を置いているかような感覚に、浸ることができた。

また、“音楽性”も高い。楽曲がドラマチックに展開し、そして曲の世界に強く引き込まれていく。

さらには、癒し効果も最上級だ。優しい曲ではなんともリラックスでき、心地良さに身を委ねられる。

ところで、品番に“PURE”と付くもう1台のモデル『GZPA Reference 2PURE』は、1chあたりの価格が当機の倍となる。“4PURE”でここまでの再現性を発揮するのだから、“2PURE”ではどうなのか。考えると少々恐ろしくもなる…。

ともかく、圧巻のサウンドを体験できた。“2PURE”があるとはいえ、当機でもサウンドは十二分に“スーパー”だ。これを導入できるユーザーを、心からうらやましく思う。凄いパワーアンプであることは、確かだ。

さて、4回にわたってお届けしてきた“売れ筋パワーアンプ”の試聴リポートは以上を持って終了だ。それぞれ、売れているにはワケがあった。買うべきモデルに迷ったら、実績のあるこれらを選んでおいて間違いはない。パワーアンプ選びの参考にしていただけたら幸いだ。

《text:太田祥三》

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