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売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.1「エントリー2chモデル」編

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売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.1「エントリー2chモデル」編全 6 枚写真をすべて見る

今回から4回にわたる週刊特集として、売れ筋パワーアンプの試聴記をお届けしていく。ピックアップするのは、イース・コーポレーションが昨年末に発表した『CAOTY(カーオーディオオブザイヤー)2017』で上位にランクした、押しも押されもせぬ実力機群。

それらがなぜにヒットしているのか、その理由を音を聴いて確認してきた。初回となる今回は、『CAOTY2017』の『2chパワーアンプ6万円未満部門』で光を放った2台について、お伝えしていく。

リファレンススピーカーには「ロックフォード・フォズゲート」の2ウェイの旗艦機を使用。


ロックフォード・フォズゲート R150X2

今回の記事でフィーチャーするモデルは、『2chパワーアンプ6万円未満部門』で5年連続の第1位に輝いた、「ロックフォード・フォズゲート」の『R150X2』(税抜価格:2万6000円)と、『CAOTY2016』の同部門第9位から4ランクアップを果たした「マッツ プロオーディオ」の『MPA270』(税抜価格:3万8000円)の2モデルだ。

本題に入る前に、試聴環境から紹介しておこう。テストはイース・コーポレーションの試聴室にて行った。リファレンススピーカーとして使用したのは、「ロックフォード・フォズゲート」の2ウェイのトップエンド機『T5』(税抜価格:30万円)。エントリーパワーアンプと組み合わせるには少々高級過ぎるが、パワーアンプの素性を知るべく、敢えて上級スピーカーで聴くこととした。

ソースユニットにはPCを使い、そこに取り込まれているFLACファイル(CDクオリティ)を再生した。その信号を“USB DAC”を介してパワーアンプに送り込み、クロスオーバーは『T5』の付属パッシブクロスオーバーネットワークにて行った。

使用ケーブルは以下のとおりだ。RCAケーブルが「チェルノフケーブル」の『Special MKII IC165』(1.65m、税抜価格:2万4000円)、スピーカーケーブルが「ミューディメンション」の『アウトストラーダ UDI-AS-2』(税抜価格:3400円/1m)、パワーケーブルが「チェルノフケーブル」の『Standard DCPOWER 8AWG』(税込価格:1200円/1m)。なお、バッテリーには「XS POWER」の最新モデルを使用した。

2Ω接続、4Ωブリッジ接続にも対応する、使い勝手の良いお手軽機。


ロックフォード・フォズゲート R150X2ロックフォード・フォズゲート R150X2ロックフォード・フォズゲート R150X2

まずは「ロックフォード・フォズゲート」の『R150X2』のインプレッション・リポートをお届けしよう。

ところで同機は、写真ではそこそこのサイズがありそうにも見えるかもしれないが、実のところはなかなかの小型モデルである。サイズは、285×172×51(mm)。この大きさならば多くの車種で、シート下へのインストールが可能だろう。

サイズ以外の主要スペックは以下のとおりだ。

●仕様:2ch(2/1ch)パワーアンプ ●定格出力:50W×2(4Ω)75W×2(2Ω)150W×1(4Ωブリッジ) ●周波数特性:20Hz~20kHz(±1dB) ●S/N比:80dB ●クロスオーバー:ハイパス50Hz~250Hz(-12dB/oct)ローパス50Hz~250Hz(-12dB/oct)

廉価なモデルであるが、2Ω接続と4Ωブリッジ接続にも対応しているあたりはさすがは「ロックフォード」。結果、サブウーファーをドライブするパワーアンプとしても使いやすくなっている。この点も、5年連続で第1位に輝いた要因の1つになっていることは間違いない。さまざまなユーザーに、思い思いの使われ方がされていると思われる。

ルックス的な完成度も高い。「外部パワーアンプ」としてはもっとも手頃な価格帯にある製品だが、黒基調のボディからは高級感も伝わってくる。そして天板中央にはブランドロゴも輝き、「ロックフォード」を所有する満足感に浸ることもできる。

小気味の良さと、低域のドライブ力に妙味アリ。


その音は、どうだったのかと言うと…。

試聴トラックを流して最初に感じたのは“小気味良さ”だった。レスポンスが良く、軽快にリズムが刻まれていく。そしてクリアさも十二分に感じられた。すっきりと抜けの良いサウンドステージが目前で展開されていく。立体感の再現性も申し分なく、スケール感の表現にも満足できた。

そして、低域の鳴りっぷりも至って良好だ。量感もあり、かつタイトに確実に低音を再生していた。駆動力は高い。これならばサブウーファー用として使っても、かなりの戦闘力を発揮しそうだ。

一般的なメインユニットの内蔵パワーアンプから当機にステップアップさせれば、聴こえ方はガラリと変わるはずだ。余裕が違う。音量を上げても何一つ破綻せず、きっちりはっきりと音楽を再現してくれる。コストパフォーマンスの高さが光る、優秀機であることを再確認できた。

発売以来5年間、常に売れ続けてきた人気モデルだけのことはある。価格は2万6000円(税別)ながら、『R150X2』はあなどれない。

各所の設計に「マッツ プロオーディオ」らしいコダワリを注入!


マッツ プロオーディオ MPA270

続いては、実力アメリカンブランドの1つ「マッツ プロオーディオ」の『MPA270』についてリポートしていく。最初に主要スペックを紹介しておこう。

●仕様:2ch(2/1ch)パワーアンプ ●定格出力:70W×2(4Ω)110W×2(2Ω)220Wx1(4Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz~22kHz(±1dB) ●S/N比:103dB ●クロスオーバー:ハイパス50Hz~500Hz/500Hz~5kHz(-12dB/oct)、ローパス50Hz~500Hz/500Hz~5kHz(-12dB/oct) ●サイズ(幅×奥行×高さ):231×195×56mm ※ベースブースト付

こちらは、先に紹介した『R150X2』よりもさらにコンパクトだ。インストール性は高い。その点も人気の一因になっているはずだ。

使い勝手も良さそうだ。2Ω接続、4Ωブリッジ接続にも対応しているので、サブウーファー用のアンプとしても実力を発揮できる。さらには、内蔵のクロスオーバーの実用性も高い。クロスオーバー周波数帯域を10倍にすることができる「x10スイッチ」を装備しているため、このスイッチを切り替えることにより、ローパスもハイパスも、低域側のみならず、高域側でも設定可能だ。つまり、サブウーファー用アンプ、ミッドウーファー用アンプとしてだけでなく、ツィーター用アンプとしても使用できるのだ。例えば、最初は当機1台でフロントスピーカーをパッシブクロスオーバーネットワークを使って鳴らし、後から当機をもう1台追加して、フロント2ウェイをマルチドライブさせる、なんていう使い方も可能だ。

ルックスはシンプルだが、無骨さを醸し出す、なんとも存在感のあるデザインだ。RCA、電源、スピーカーの各端子の設計にもこだわりが注入されているとのことで、作りの確かさも見て取れる。なお、電源ON/OFF時のノイズを大幅に低減する電源ミュート回路が組み込まれているという。内部回路にも「マッツ プロオーディオ」ならではの技術がしかと盛り込まれている。

聴かせ上手な一面もアリ。雰囲気良く音楽を聴かせてくれる。


音についてのリポートに進んでいこう。

当機の音を聴いて真っ先に思ったのは、音に芯があること。1音1音に充実感がみなぎっていた。聴き応えあるサウンドだ。そして音の分離感も良好。編成の大きなバンドの演奏でも、各楽器の音が混濁することなく目の前に広がっていく。音の密度感も高い。

また、聴かせ上手な一面も感じられた。ボーカルやホーン等々の音色に雰囲気があるのだ。あくまでも正確な音色であり、誇張はないのだが、味わい深い。

この価格の製品としては、上々なサウンドが楽しめた。こちらもまたコスパの高さが光っている。ランクを上げたことも至極納得だ。

「マッツ プロオーディオ」は、多々あるアメリカンカーオーディオブランドの中でも、日本に本格的に紹介されたのが新し目のブランドであるが、年々じわりじわりと支持者を増やしている。『CAOTY2017』でもそんな片鱗を垣間見せていたわけだが、製品の実力はやはり確かだった。人とはひと味違ったユニットを使いたいと思っている方は、当ブランドをチェックしておいて損はない。

さて、今週はここまでとさせていただく。次週は4chパワーアンプの売れ筋モデルを取り上げる。乞うご期待!

《text:太田祥三》

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