カーオーディオ製品の取り付けに関するノウハウやウンチクを紹介している当コーナー。現在は、「メインユニット」をテーマにお届けしている。今回はその5回目として、「変則的な設置方法」について解説していく。
カーオーディオ・プロショップでは、市販「メインユニット」を、変則的な方法で取り付けることがままある。その代表格は、「取り付けキットの用意されていない大画面ナビを装着すること」だ。通常ならば対応車種でないと大画面ナビは装着できないが、そのようなケースでもカーオーディオ・プロショップでは、変則的な取り付け方法を用いて、大画面ナビを装着してしまうのである。
大画面ナビは実は、画面は大きいのだが、本体自体は通常サイズである場合がほとんどだ。なので、モニター部分をなんとかしてセンタークラスターパネルに収められるように加工をすれば、それほど大がかりな改造をしなくても装着できる場合も少なくない。シフトレバーやエアコン吹き出し口といった移設が難しいものが近くになければ、センタークラスターパネルをカットして、場合によってはパネルをパテ等で成形し塗装して仕上げて、最初からそうであったかのように設置することができる。
また、2DINスペースがナビで埋まっている場合に、さらにどこかに1DINのオーディオメインユニットを埋め込む、なんてことも、カーオーディオ・プロショップはやってのける。小物入れスペースがあれば、そこに1DINのメインユニットを入れ込んだり、センタークラスターパネルの下側のデッドスペースに吊り下げるようにして取り付けることもある。
小物入れスペースに収めようとする場合には、奥側のクリアランスが取れるかどうかで、難易度が変わってくる。もしも奥側にメインユニットが収まるだけのスペースがなかった場合には…。
1DINのメインユニットの本体からフェイスパネルを取り外し、しかし配線は延長して機能は生かしたままで、それぞれを別の場所に取り付ける、なんていう荒ワザが使われることもある。本体部分はグローブボックス内に設置し、フェイスパネルだけをセンタークラスターパネルやオーバーヘッドコンソールに取り付るのだ。カーオーディオ・プロショップでは、メインユニットの取り付けにおいても、不可能を可能にすることができるのだ。
今回は以上だ。次回からは、「DSP」の取り付けにまつわるあれこれの解説に突入する。お楽しみに。
《text:太田祥三》