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車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ! Part.3「アンプ内蔵DSP導入作戦」

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トランクに搭載されているユニットは、フォーカルの『DSA 500 RT』。当機は、パワーアンプとDSP、さらにパワードサブウーファーも一体になっている。全 1 枚写真をすべて見る

“音が良い”ということには、2つの側面がある。1つが“音の質”が良いか否か、もう1つが“ステレオイメージ”を感じ取れるか否か。今回の特集では、“ステレオイメージ”を感じ取れるようにするための手段である、「チューニング機能」の導入方法について考察している。

ここまでは、「チューニング機能」が必要な理由と、そのもっともお手軽な方法である「メインユニット換装作戦」について解説してきた。それに続く今回は「アンプ内蔵DSP導入作戦」を検証していく。

■愛車のメインユニットが交換できないとなると、選択肢は2つ…。

前回にご紹介した「メインユニット換装作戦」は、愛車のメインユニットが取り外せることが前提条件であったのだが、今回は主に、メインユニットが取り外せない場合、もしくは、使っているAV一体型ナビを交換したくない、という方に向けたプランをご紹介していく。

さて、メインユニットが交換できないときの「サウンドチューニング機能」の導入方法で、選択可能な主要な作戦は、以下の2つのうちのどちらかだ。1つが「アンプ内蔵DSP」を導入するプラン、もう1つが、「単体DSP」を導入するプラン、以上だ。なお、「DSP」というのは、車内に「サウンドチューニング機能」を導入するための専用ユニットだ(読み方はディーエスピー、デジタル・シグナル・プロセッサーの略)。

両者の違いは簡単明快、パワーアンプを内蔵しているかいないかだ。そしてこの2つを比べてのそれぞれの特長は、前者は手軽さ、後者は本格的であること、である。

ところで、メインユニットが交換できる場合であっても、上記のどちらかの中にお目当ての機器があるのなら、それを選ぼう。

で、今回は「アンプ内蔵DSP」について解説していく。まずは、「単体DSP」に対してのメリットからご説明していこう。

■『単体DSP』を導入する作戦と比べて、相当にリーズナブル!

特長は「お手軽であること」と書いたが、お手軽であることには2つの要素が含まれている。1つは、コストを抑えられること、もう1つは、インストールが比較的に容易であること、である。

なお、コストに関して考えた場合、その差は実は、相当に大きい。インストールが容易であることもコストに影響してくるし、何より、パワーアンプを内蔵するか否かが、相当な違いとなって効いてくる。それはなぜか…。

実は、「タイムアライメント機能」を詳細に運用しようと思うと、システムは“マルチアンプシステム”とする必要があるのだが、これを構築しようとすると、たくさんのパワーアンプのchが必要となる。

フロント2ウェイスピーカーを普通に鳴らす場合には、パワーアンプは2chあればOKだ。しかしながら、「タイムアライメント」を詳細にコントロールしようとすると、まずは「DSP」内部の「クロスオーバーで、Lch、Rchそれぞれの音楽信号を、トゥイーター用、ミッドウーファー用に帯域分割する必要があり、その後にそれぞれに対して個別に「タイムアライメント」を設定することとなる。そのようにしたらそれぞれを、別chに分けたままパワーアンプに送り込まなければならない。こうして、1つのスピーカーユニットに対して、パワーアンプが1chずつ必要となるわけだ(この状態が、“マルチアンプシステム”と呼ばれている)。

つまり、「単体DSP」を使う場合は、そもそも外部パワーアンプを買い揃える必要があり、しかもスピーカーユニットの数と同じだけのch数を用意しなくてはならない。もしもフロントスピーカーを3ウェイにしたら、パワーアンプは計6ch必要になる。しかし「アンプ内蔵DSP」ならば、アンプの準備は終わっているのだ。「単体DSP」を用いる作戦と比べて、相当にハードルを下げることが可能となるのだ。

■導入の際のチェックポイントとは!?

最近はこの、「アンプ内蔵DSP導入作戦」は、人気がかなり高い。リーズナブルさがウケているのだが、加えて「質の良いアンプ内蔵DSPが増えてきたこと」も人気に拍車をかけている。リーズナブルでありながら、内蔵アンプの性能が高いモデルが目立ってきているのだ。

となると逆に、選択肢が多いだけに目移りしがち…。チョイスは難しくなってきた、とも言える。というわけなので、選び方のポイントについても解説しておこう。

最初にチェックすべきは、「ハイレベルインプット」に対応しているか否か。ほとんどの機器が対応しているはずなので大丈夫だとは思うのだが、念のためチェックしておこう。純正メインユニットが取り外せないという理由でこれを選ぶ場合には、純正メインユニットのスピーカー出力(パワーアンプで信号を増幅し終わった後の音楽信号)を接続することになるので、それが可能なユニットでないと意味がないのだ。

そして次にチェックすべきは、内蔵アンプのch数。今後のシステム構築プランに見合ったモデルを選ぶ必要があり、その場合にアンプのch数は大いに問題となる。フロント3ウェイ+サブウーファーまでのシステム構築を考えるのであれば、フルレンジ6ch+サブウーファーch、またはフルレンジ7ch以上が必要となる。

逆に、3ウェイを組むつもりはゼロ、というのなら、上記のモデルではオーバースペック。コストを抑えられるのが「アンプ内蔵DSP」の利点であるわけなので、ニーズにジャストなモデルを選ぶべきだ。

続いてチェックすべきは、出力(パワー)だ。普通に鳴らす分にはそれほど気にする必要はないが、低音をしっかり効かせたいと考えたときには、サブウーファーchのパワーが大きいタイプが向いている。このあたりはショップとよく相談して、自分の音楽の聴き方にあったモデルを探していくと良いだろう。

さて、今回はここまでとさせていただく。次回は、「単体DSP」を導入する作戦について、そのポイントを検証していこうと思う。乞うご期待。

《text:太田祥三》

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