かっこいいインストールと普段使いの利便性を両立させるカスタムオーディを完成させたパサート。製作を担当したのは広島県のリクロス。前編では個性的なデザインを投入したラゲッジに注目した。
◆ユニットデザインをいかして
広大なラゲッジを個性的にレイアウト



カロッツェリアのサブウーファー・W-252PRSを中心に個性的なデザインを作り上げたラゲッジのオーディオボードはこのクルマ最大の見どころだろう。サブウーファーの振動板を取り囲むように、パンチング素材を使ったグリルを設け、曲線と直線を組み合わせた巧みなだデザイン処理を完成させた。
また、奥行きのあるラゲッジ形状をいかして、手前にサブウーファー、奥にはパワーアンプ×3台+プロセッサーといったユニットを左右シンメトリーに整然とレイアウトしている。純正のフロアからかさ上げして作られているこのボード、大きくラゲッジスペースをスポイルすること無く、数多くのユニットをインストールしたスタイルもオーナーの望んだとおりの仕上がりとなった。
間接照明や人工スエード、さらにはユニット取り付け部の段差を効果的に使ったデザインでも、立体感と高級感を引き出し、平板になりがちな面積の広いラゲッジのレイアウトに変化を与えている。
◆左右対称を徹底するなど
ユニットの見せ方に工夫あり


ラゲッジにインストールされる各ユニットはデザインの一部として取り入れられているのもこのクルマの特徴。注目したいのはラゲッジ奥の両サイドにインストールされたパワーアンプとプロセッサーだ。左サイドにはカロッツェリアのパワーアンプ・PRS-D700を3台一体化させるようにしてインストール。それぞれのアンプはトゥイーター、ミッドバス、サブウーファーをマルチでドライブする。
一方、右サイドにはビーウィズステートをビルトイン。パワーアンプと同様のスクエアでブラックなボディを持ち、左サイドのパワーアンプとのデザイン的な統一感も絶妙。しかも左サイドのアンプ×3台とサイズ感を合わせるため、ステートの手前には同様の素材を使った化粧パネルを設置。こんなワザまでを駆使して左右対称のデザインを完成させているのもこだわりだ。
もうひとつのデザイン上のポイントは先にも紹介したラゲッジ後方にあるサブウーファーだ。パネル面からやや落とし込んだ部分にサブウーファーを設置し段差を利用してアクリルを使ったイルミ処理を加える。その外周にはパンチング処理を施したデザインを加える。まさにユニットとラゲッジインストールの融合がなされた好例だ。サブウーファーの円をモチーフにしたデザインに対して、ラゲッジ奥の角基調のデザインとの対比も見どころと言えるだろう。
◆細部でも立体感を強調するなど
カスタムの入念さがうかがわれる



ラゲッジには細かなデザイン処理も数多く込められている。ユニットを整然と並べるインストールでは無く、ひとつひとつの処理に手間をかけて完成度を高めているのが見て取れる。
注目ポイントはラゲッジのオーディオボード外周に設けた間接照明だ。ボードのフロア面はアイボリーの系の人工スエードで処理、外周部分は段差を設けグリーン系の人工スエードを使ってフィニッシュ。さらに厚みのあるアクリルを挟み込んで間接照明としている。トップ面のカーペット素材から4層で形成される手の込んだ作りだ。
さらにアクリルを使ったデザイン処理や、パンチング素材をビルトインした処理など、隙のない作り込みで広いラゲッジを余すところなくデザインしている手数の多さも特徴だ。そして、ここまでのカスタム処理を施しながら、ラゲッジ全体を保護パネルで覆うことができるため、オーナーが望んだ普段使いが十分可能なのも魅力だ。
工夫満載のラゲッジで魅せる効果と普段使いを両立させたパサート。オーナーの思いがデザインとして結実したカスタムと言えるだろう。