今月からスタートさせた当コーナーでは、カーオーディオにおける、製品選びのコツや心得をご紹介していく。まずはスピーカーのタイプ解説から入っている。前回の「コアキシャル・スピーカー」に引き続き今回は、「カスタムフィット・スピーカー」について解説していく。
結論から入ろう。「カスタムフィット・スピーカー」とは、“簡単装着が可能”なスピーカーである(「トレードイン・スピーカー」と呼ばれる場合もある)。
つまり、ドアの内張りパネルを切る等々の、大がかりな加工をせずとも、装着が可能なのである。なぜに大がかりな加工をしなくてすむのかというと、“奥行き寸法”が短いから、だ。これにより、多くの車種において、ドアの内張りパネル内のクリアランスの中に、スピーカーを収めることができるのだ。
さらには、車体メーカーごとの取り付け用スペーサーや、ハーネス類が同梱されているモデルも多い。このようなモデルでは、他のパーツを用意しなくても交換が行える。
ただし製品によって、同梱されるパーツの中身は異なっている。充実度合いに結構差があるのだ。さらには、ある程度同梱パーツが充実している製品であっても、すべての車種に対応しているわけではないのでご注意いただきたい。
なお、取り付けに必要な各パーツは、それぞれ単品で購入できるのでご心配なきように。スペーサーの役割もする“インナーバッフル”というパーツも、車種別に多彩にラインナップしている。汎用ハーネスや端子類も、ひととおり売られている。
ちなみに言うと、音質面のことを考えるならば、取り付けスペーサーが同梱されていたとしても、既成の“インナーバッフル”を活用したほうが良い結果が得られやすい。
さらに言うならば、「カスタムフィット・スピーカー」であっても、良い音を得ようと思うなら、ある程度手をかけて取り付けたほうが良い。簡単に取り付けるよりも、手数をかけたほうが良い音がする。このことは、ぜひとも覚えておいていただきたい。
「カスタムフィット・スピーカー」についての解説は以上だ。次回は、「車種別専用スピーカー」について解説していく。
《text:太田祥三》