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【オーディオ教養強化辞典】タイムアライメント(遅延時間設定)

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カーオーディオでスタンダードとなっているフロント2ウェイスピーカーシステム。トゥイーターとミッドウーファーから成る構成だ。

先週は、上記ユニットをセパレートする意味を解説。今週は、音場を改善するため、アライメント調整(遅延時間設定)に踏み込んで、ご説明したい。ユニットの取り付け場所は、前回説明の通りトゥイーターはダッシュ脇、ミラー裏やAピラーにセット。中低域を受け持つミッドウーファーは、ドア位置が圧倒的だ。このような場合、トゥイーターとミッドウーファーは、ホームのスピーカーとは異なり、ユニット間の距離は、数十cm以上と離れた場所に装着されているので、(注)タイムアライメントの調整が必要となってくる。物理的にミッドウーファーをトゥイーターの隣にでも、動かせれば改善されるが、現実には到底無理な話で、もし可能であっても耳に到達する距離は、運転席が右か左に限定されるので改善しなければならない。このようなロケーションを確実に補正対応してくれるのがデジタルプロセッサー(以下DSP)の機能のひとつアライメントである。DSPは、自然な音創りのため、音像定位を明確にするため、アライメントのほか、各部の音量調節、イコライザ、クロスオーバーネットワーク、スロープ調整など機能満載である。

無敵ともいえるDSPの機能のひとつタイムアライメントは、デジタル技術によって細かく調整ができ、なんと数mm単位で遅延時間をコントロール。オフの時と、調整後を聴き比べると天と地の開きの差があり、音源のステレオイメージがウインドー前方にリアルに描き出される。この機能を内蔵するナビ、ヘッドユニット、または別体のプロセッサーを導入してほしい。カー環境では、スピーカーの距離差を最適値にアジャストすることが必須だ。もちろんこの機能だけで、すべてがベストになるわけではないが、アライメントは車内で音楽をたのしむとき、なくてはならない存在。使ってしまうとその素晴らしさが良く解る。
調整はプロショップ・インストーラーのノウハウによるところが大きい。

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(注)タイムアライメントは、距離的に近いスピーカーユニットの信号に遅延をかけることで、耳までの到達時間(距離)をそろえる機能のことをいう。

《text:永松巌》

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