“カーオーディオ・プロショップ”とはどのようなところなのかをご紹介している当コーナー。今月も引き続き、スピーカー装着におけるプロのワザについて解説していく。テーマは“アウターバッフル”。これについて掘り下げながら、カーオーディオの奥深さにも迫ってみたい。
先月は、ドアの内部加工のあれこれをお伝えした。そして今月は、“アウターバッフル”について解説していく。まず今週は、これが何であるのかをリポートしていこうと思う。
結論から入ろう。“アウターバッフル”とは、「スピーカーの取り付け面を、内張りパネル面に揃える装着スタイル」のことを指している。
ちなみに、先月の当コーナーで触れた“インナーバッフル”とは、スピーカーを固定するためのスペーサー部分のことを指す言葉だった。つまり、“インナーバッフル”とはパーツの名称であるのだが、“アウターバッフル”とは、“様式”の名称なのである。
そして最近は、単に“アウター”とか“アウター化する”というように、“バッフル”を外して呼ばれることも多くなってきている。
さて、“アウターバッフル”のメリットとは何なのだろうか。それは、「スピーカーの音をダイレクトに車室内に送り込めること」。これに尽きると言っていい。内張りの内側に収めるスタイルでは、スピーカーから発せられた音が多少なりとも、パネル内部に入り込んでしまう。そうするとどうしても、音がこもりがちになる。そうならないための対策も施されるのだが、100%対策しきるのは、なかなか難しい…。
それに対して“アウターバッフル”では、スピーカーの表側の音が内張りパネル内に入り込むことはない。そこでエネルギーをロスすることがなくなるのである。結果、サウンドのヌケが良くなる。よりクリアな音が得られるのだ。
このようにメリットが多大な“アウターバッフル”であるのだが、作るのは簡単ではない。というわけで次週は、どのようにカスタムされるのかについて解説していく。“カーオーディオ・プロショップ”が、どんなテクニックを発揮しているのかを、じっくりとご紹介していく。
《text:太田祥三》