“サウンドチューニング”とは、カーオーディオを良い音で楽しむための鍵となる項目である。そしてもしそれを、自分自身で思いどおりに操れたなら、カーオーディオはもっと楽しくなる。その助けとなる情報をお贈りすべく、当コーナーを連載している。
今月は、「タイムアライメント」機能について解説している。その第3回目となる今週は、ハイエンドシステムで運用されている高度な「タイムアライメント」機能を導入するための、システムアッププランの具体例をご紹介していこうと思う。
先週解説したとおり、「タイムアライメント」を高度に操ろうと思うのならば、左右のトゥイーター、ミッドウーファー、計4個のスピーカーを個別にコントロールする必要がある。そしてそれを実践するためには、“マルチアンプシステム”を組まねばならない。
そのためには、「デジタルクロスオーバー」という機能が必要だ。そしてこの機能を自分のシステムに付加しようと思ったら、『DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)』を導入すべきだ。
これさえあれば、愛車のオーディオシステムが純正デッキであったとして、“マルチアンプシステム”を構築することが可能となる。純正デッキのスピーカー出力を、『DSP』の“ハイレベルインプット”(パワーアンプで増幅された後の信号を受けるための入力端子)に接続すればOKだ。
そうしてさらに、4chパワーアンプを用意すれば、“マルチアンプシステム”が完成する。純正デッキを核とした本格カーオーディオシステムを構築することが可能となるのだ。
または、高度な『DSP』を搭載しているソースユニットを導入する、というプランもアリだ。例えば、カロッツェリアの『DEH-P01』(税抜価格:10万円)、もしくは『DEH-970』(税抜価格:3万5000円)。これらならば、アンプを同梱、または内蔵しているので、すぐに外部パワーアンプを購入する必要はない。『純正ヘッド』+『DSP』+『外部パワーアンプ』というシステムよりも、初期投資は低く抑えられる。
もしくはダイヤトーンサウンドナビの『NR-MZ100』(税抜価格:17万円)、または『NR-MZ100PREMI』(税抜価格:24万円)。これらも同じく、アンプを内蔵しているので、すぐに外部パワーアンプを用意する必要はない。さらにはダイヤトーンサウンドナビの場合のみ、“マルチアンプシステム”を組まずとも、トゥイーター、ミッドウーファーを個別にコントロールすることが可能だ。ダイヤトーン独自の「マルチウェイタイムアライメント」という機能が積まれているからだ(この機能については機会を改めて解説してみたい)。
以上が、高度に「タイムアライメント」を運用するための具体的なシステムプランである。これらを実践することで、カーオーディオのサウンドを別次元に引き上げることが可能だ。ぜひともトライを!
《text:太田祥三》