カーショー狙いの超絶ヘビーシステムを完成させたのは、埼玉県のカスタマイズファクトリーNACKSが制作した300Cだ。立体的なインストールを駆使することであり得ない数のユニットを詰め込んだスタイルはまさに圧巻。見どころ満載のカスタムをご覧あれ。
トランクルームを立体的にとらえ
ユニットを多層に積み重ねて見せる
車内の各部にド肝を抜くカスタムアイデアを盛り込んだ300Cだが、まずはトランクルームのデザインから見ていくこととしよう。セダンのトランクという限られたスペースに、ロックフォード・マリーンのPM282(20cmコアキシャル)×4発、ロックフォード・T1サブウーファー(12インチ)×2発、さらには3台のパワーアンプ、モニターなどをギチギチに詰め込んだ。
これだけのユニットを省スペースで収めたポイントは立体的なインストールだ。印象的なのはマリーン仕様の20cmコアキシャルを片側2発づつインストールした処理。よく見るとスピーカーのボックスはフロア面に接することなく、サイドウォール側に固定することでフローティングされている。フロアにパワーアンプ×3台を敷き詰めるため必要となった立体的な処理だという。
さらにフロアのパワーアンプを覆うようにセンター部にはブリッジを設置。フロアを単純に構成することなく多層にデザインを積み重ねたのもこだわり。このブリッジ部がウーファーボックスとトランク後半をつなげ、さらには車内のアーチへとつながるデザイン上のセンターラインを形作っている。
素材使いや照明などの処理で
ユニットを浮かび上がらせるワザを投入
さらにトランクルーム内にはさまざまな見せる工夫が込められている。フロアのパワーアンプはアクリルでフローティング、フロア側にはメッシュ素材を用いて立体感を演出している。さらにトランクルームの一番奥に設置した2発のサブウーファーの間には両側に光を発するブラックホールを設置。これを光源としてサブウーファーの振動板を照らし出す間接照明の効果も与えているのだ。
トランクリッド側にも4台のモニターのビルトイン、さらにはメッシュ素材を使ったデザインでトランクルーム内との統一感もピタリと引き出す。
一方、リアトレー部分を見るとトランクルームとの統一感もしっかりと計算されている。両サイドにアームを設置してモニターを並べるスタイルだが、トランクルームにもあるセンターを貫くアーチの延長線上にラインを作っている。これが車内の巨大なアーチへとつながるこのクルマならではのセンターラインとなっている。
トランクルームとキャビンをつなげる
総合的なデザインも見どころのひとつ
フロアやウォールをそのまま使ってユニットを面にビルトインするのではなく、階層を積み重ねるように立体的にユニットを組み合わせていく手法でトランクルーム内、さらにはキャビン内のデザインを作り上げた300C。大量のユニット群をバランス良くレイアウトし、見せる効果を徹底して引き出したテクニックが見どころとなった。既存のインテリアデザインにとらわれることなく、斬新な処理を積極的に取り入れた力作と言えるだろう。
次回の後編ではトランクルームとつながるデザインを持つ、キャビン内に設置された巨大なアーチ構造物を中心に、トランクルームに負けない斬新なデザインを紹介していくので期待して欲しい。
《text:土田康弘》