日産のSUV『エクストレイル』がマイナーチェンジを行った。グレードとして初めて「NISMO」「AUTECH SPORTS SPEC」「ROCK CREEK」(ロックリーク)が追加されたことが大きなトピックである。
エクストレイルはアウトドアイメージを全面に押し出したSUVとして2000年にデビュー。初代と2代目はアウトドアで思い切り楽しんだあとは、車内を水洗いできるというワイルドさがウリだった。その後、徐々にプレミアムSUV路線にシフトし、2022年にデビューした4代目では極めて上質な乗り心地を持つ上級SUVとしてラインアップされた。
そして、今回4代目のマイナーチェンジモデルが登場した。第2世代「e-POWER」と可変圧縮比エンジン「VCターボ」に電動駆動4輪制御「e-4ORCE」という組み合わせはそのままに、より上質さを感じる内外装の採用と、Google搭載の最新NissanConnectインフォテインメントシステムの採用などが主なポイントとなる。
◆より上質で、高級なSUVへと生まれ変わった
エクステリアはこれまでのモデルのイメージを引き継ぎながら、フロントグリルデザインを変更。少し大きくなったフロントのシグネチャーランプを常時点灯させてデイタイムランニングランプとした。前後のウインカーはLEDに変更。キレのある点滅がスタイリッシュさを高めてくれる。
ホイールデザインも変更され、19インチアルミホイールは幾何学的パターンに切削加工が施され、足元の存在感を高めた。
内装はインパネ上部を黒に変更し、シックなイメージを高める。オプションのナッパレザー仕様に関しては、従来のタンカラーからブラウンに変更。より上質感を高めている。シートもジャパニーズモダンを感じさせるクロスを採用し、ここでも質感を高めた。さらに装備としてはスマホのワイヤレス充電を可能にしたコンソールトレイに、大型センターコンソールボックスなどは不変。前後のシートのUSB電源ポートはTYPE-Cに変更して使い勝手を高めている。
◆スマホのミラーリングだけでなく車内wifiまで使えるように進化
大きなトピックは日産では国内初となるNissanConnectインフォテインメントシステムの採用。Googleマップでのルート案内や、音声で目的地検索や車両操作ができるGoogleアシスタント、さらにアプリをダウンロードできるGoogle Playストアがインストールされている。スマートフォンと連動させることでさまざまな機能が使えるのがメリット。
Apple CarPlayやワイヤレスAndroid Auto、NissanConnectサービス、車内Wi-Fiも利用可能。NissanConnectアプリを使えばスマホからエアコン操作もできる。降車時にドアロックし忘れをスマートフォンに通知し、リモートでドアロックすることもできる。さまざまな拡張性をもたせることができたのだ。
◆見えないところが見える! インビジブルフードビューが便利
また、今回「3Dビュー」と「インビジブルフードビュー」機能を搭載した「インテリジェントアラウンドビューモニター」を日産として国内販売モデルに初採用。「3Dビュー」クルマの周囲を死角なく確認することが可能。
「インビジブルフードビュー」は、目視できない路面の映像が表示されるので、こんなところに縁石があってぶつけてしまった! なんてことを防ぐのに有効。さらに以前から搭載されている「フロントワイドビュー」は地点登録が可能に。自宅近くになった「フロントワイドビュー」が自動表示され、周囲を確認しやすいとか、よく通る狭いところを地点登録しておいて、同様に確認しやすくするなどが可能。まさに上級SUVらしい機能が搭載されている。
そして、新たなグレードがラインアップに加わった。より高級感を高めた「AUTECH」と「AUTECH SPORTS SPEC」、スポーティさを高めた「NISMO」である。「AUTECH」では専用デザインの外装を採用。専用20インチアルミホイールや、専用リモコンドアミラー、MICHELIN PRIMACY4(255/45R20)タイヤ、専用インテリアなどを採用。
「AUTECH SPORTS SPEC」、「NISMO」には専用チューニングサスペンションを採用。さらに「AUTECH SPORTS SPEC」にはパフォーマンスダンパーも備わる。加えて、すでに北米で導入されているオフロード仕様の「ロックリーク」も国内導入。北米モデルとの主な違いは、足元がオフロードタイヤではなくサマータイヤの19インチ仕様になっている。様々な使い方やニーズに応じたキャラクターを持つ、エクストレイルシリーズが続々ラインアップされた。
《text:加茂新》