純正カーオーディオシステムのサウンドクオリティに不満を抱くドライバーは多くいる。当連載はそういった方々に向けてその改善法を全国の有名「カーオーディオ・プロショップ」に訊き、公開している。今回は、「車内の快適性を上げる」という方法を紹介する。
知恵を授けてくれたのは、静岡県浜松市の名店『レジェーラ』の松野さんだ。さて、その話の中身とは……。
◆車内を静かにできれば、音楽の聴こえ方が変わりドライブの快適性もアップする！
今回『レジェーラ』の松野さんには、スピーカー交換やパワーアンプ内蔵DSPの導入以外の方法を訊いてみた。
「それら以外でということでしたら、“車内静音”がお薦めです。これを実行することでも、音楽の聴こえ方が変わります。そして何より、ドライブの快適性が上がります。
特に最近は、運転していて外来ノイズが気になりやすくなっています。なぜなら今のクルマはエンジン音やマフラー音がかなり小さくなっていて、ましてやハイブリッド車ではエンジン音がしない時間帯があり、EVに至っては常に静かです。結果その他のノイズが、今まで以上に気になるようになってきました。
また、軽量化が進んでいることも一因です。鉄板が強度を保ちながらも薄くなっていて、雨音が響きやすくなりその他のノイズも車内に侵入しやすくなりました」
◆車内静音を実行すれば、併せて冷暖房効率も上げられる!?
「さらに近年は、夏の暑さに悩まれる方も増えています。車中泊やアウトドアレジャーを楽しまれる方が多くなっていて、そうであると余計に暑さが堪えます。でも“車内静音”を行えば、併せて遮熱・断熱効果も上げられます。
また、車内が静かになると運転の疲労度も軽減します。この効果もぜひともご体験いただきたいですね。効果はかなり大きいです。
そして、音楽の心地良さもアップします。オーディオシステムは純正のままでも、ノイズの減少により聴き取れる情報量が増えますから、より一層楽曲の世界に浸れます。
なお車内静音にはコストが多くかかると思われがちですが、実は案外お手軽です。例えばプリウスのようなコンパクトカーのリアゲートに施行する場合、当店では税込2万6000円でお受けしています。
またボンネットインシュレーターが装着されているおクルマでしたら、ボンネットへの施行も可能です。当店では、車格の大きめのおクルマでも税込2万3000円で施行できます」
◆手軽にできる場所から始めて、徐々に範囲を広げていくのもアリ！
「このようにリアゲートやボンネットへの施行でしたら、スピーカー交換よりもお手頃です。ですのでまずはここから始めて、効果のほどを実感できたら他への施行もご検討ください。
ちなみにそれ以外でお薦めなのは、フロントのタイヤハウスへの施行です。ここはロードノイズの発生場所の真上なので、効果が顕著に現れます。またルーフへの施行も有効です。雨音が相当に小さくなりますし、遮熱・断熱効果も得られます。例えばジムニーなら、税込9万9000円で施行できます。費用対効果は良好です。
ところで車内静音をDIYにてやられる方もいらっしゃいますが、カーオーディオ・プロショップでは適材適所で部材を使い分けますし、作業の確実性も高いです。ぜひお任せいただきたいですね。
お近くでしたらお気軽にお越しください。さまざまなご提案をさせていただきます。お待ちしています」
《text：太田祥三》