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【VW ゴルフ 新型試乗】王道が“8.5”世代で取り戻したもの…島崎七生人

自動車試乗記

VW ゴルフ eTSI Active全 15 枚写真をすべて見る

実用車の鑑、走る質実剛健、王道……。これまでそんな風に数えていないが数えきれないほど書かせてもらってきた『ゴルフ』が“8.5”へと進化した。今年、日本において誕生50周年、これまでに100万台以上が販売されたのだそうだ。

外観でわかるのはフェイスリフトを受けてフロントまわりのデザインが一新された点。じっくりと“8”と見較べると、よりシンプル指向に改められたことがわかる。

一方でリヤもテールランプが輪郭は同じだが中身が変わった。8から付くようになったVWロゴの下のGOLFのバラ文字の書体に変更はない。

ちなみに試乗車は「eTSI Active」で、タイヤサイズは205/55R16サイズ、アルミホイールは7J×16インチだが、従来の同グレードと同じサイズであるばかりか、勿体ない精神(!?)を発揮したかどうか、アルミホイールはまったく同一のものを履く。

一方インテリアでは、目を惹くのがインパネ中央に構える12.9インチの大型タッチスクリーン。これまでの10インチに対して力技に見えなくもないサイズ、存在感ながら、中身は新設計のMIB4システムが実装され、ユーザーインターフェイスも改善された最新のインフォテイメントシステムとなっている。

またステアリングの左右スポーク部に備わるスイッチが、これまでのタッチ式から全グレードとも物理スイッチに統一された(戻された)のも注目点。

IDAボイスアシスタントも「ハロー、アイダ!」と呼び出すのが照れ臭ければ、ステアリングの発話ボタンを押して用件を伝えるとクルマが認識してくれる。そのほかステアリングホイールのセンターパッドのデザインが新しくなるなどしているが、実用性、機能性の大枠はこれまでどおりだ。

試乗車のeTSI Activeの最大の変更点は、搭載エンジンがこれまでの3気筒999cc(110ps/20.4kgm)から、4気筒1497cc(116ps/22.4kgm)へと替えられた点。

組み合わせられるのが7速DSGであるのは同じで、これまでも走り出せば必要にして十分で軽やかに走る印象だったが、新型では変速時やエンジン回転が落ちた際に場合に、場合によってムズかるようなこれまでの素振りが消え、発進から、加・減速、巡航に至るあらゆる場面で、スムースな走りを体感できるように。とくに巡航時のパワートレイン系の音と振動のレベルが大きく下がったのが実感できた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《text:島崎七生人》

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