大阪オートメッセ2025(2月6~9日)のレイズブースは例年通り大量の同社ホイールが並ぶ圧巻の展示となった。中でも新作となるボルクレーシングTE37GCを履いたメルセデスGクラスを中心に据えた展示スタイルは圧倒的な存在感を放っていた。
毎シーズン、次々と新作ホイールをリリースし続けているレイズ。トレンドをいち早くキャッチして、ホイールのデザインに反映させてリリースするスタイルで常に時代の先端を行くメーカーだ。大阪オートメッセ2025の出展ブースにもボルクレーシング、VMF、ベルサス、ホムラ、グラムライツ、チームデイトナなど、レイズの各ブランドの新製品、主力商品が展示されるとあって、多くの来場者が詰めかけていた。
そんなレイズブースの中央にデモカーであるメルセデスベンツ『Gクラス』を置いて大プッシュしていたのがボルクレーシングの新作となる「TE37GC」だ。
鍛造製法によるスポーツモデルとしてレイズのフラッグシップブランドとなっているボルクレーシングだが、これまで手がけてこなかった高級SUV向けの23インチモデルを新たにラインアップしたのが大きなトピックとなった。これまではボルクレーシングを選択肢としてこなかった高級SUVユーザーに取っても見逃せないスポーツホイールの登場は大きな期待が寄せられている。
23インチ・高級SUV向けと言った枠組みの斬新さに加えて、デザイン面での見どころとなったのはレイズの新しい技術であるA.S.T.(アドバンス・サーフェイス・テクノロジー)の採用だろう。特許出願済みのこの新技術は、研磨した三次曲面の輝きのままシャープなマシニング加工でエッジ感を加えることに成功したテクノロジーだ。“研磨とマシニングの輝きを融合した新技術”とレイズがうたう通りの新しい処理となった。A.S.T.を用いることで透明感と素材感のコントラストがさらに際立つのが魅力。同社が“次世代のデザイン性能”と呼ぶだけの仕上がりが見た瞬間に伝わって来る。
TE37GCに用意されたカラーリングはA.S.T.の技術を取り入れたA.S.T.クリスタルバフとA.S.T.ブラッシュドの2色。光輝系のクリスタルバフはドレスアップ効果満点の新カラーだ。
TE37系ならではの面の広いスポークトップ面の輝き感がとにかく高級、美しい映り込みも高級イメージを盛り上げる。通常のバフフィニッシュとは異なる光を受けた際に“くすみの無い透明感”を発揮するのもこのホイールの特徴。まさに新世代のデザインとなった。一方、ブラッシュドも用意し輝きを抑えた落ち着いたテイストを足もとに注入したいユーザーには最適となる。いずれも“デザインで見せるTE37”を新たなテーマとした同モデル。Gクラスをはじめとした高級SUVの車格・デザインにに負けないプレミアム感満点のホイールに仕上がった。
新作&人気ホイールの大量展示が来場客を楽しませていたレイズブースだが、今回はもうひとつのメッセージが伝えられた。それが「ドライブフィールを科学する」というテーマだ。レイズでは自社のホイールが軽量であり強度、剛性が高いのは当たり前と自負する、その上で求められているのが“ドライブフィール”であることに着目したのが今回の試みとなった。
ホイールが変わると気持ちの良いドライブフィールを味わえる、ストレスも減ってドライブが楽しくなる。高品質なホイールだからこそ味わえるホイールによるドライブフィールの進化を次のターゲットに定めたことをブースの大型ビジョンでアピールした。
これからはドライブフィールを数値化することにも取り組むと表明するレイズ。実際に走行テストを重ねてドライブフィールの数値化を実施、次のホイール開発へのフィードバックにも利用することを目指している。これまでユーザーが考えていた基本的なホイール性能に加え、ドライブフィールが新たなスペックとしてホイールセレクトのキーワードになる日が近い将来やって来るのかも知れない。そんな体験ができるレイズのホイールのこれからの開発に期待したい。
新コンセプトのボルクレーシングをはじめ見どころ満載となったレイズのブース。2025年のトレンドはもちろんだが、さらには物理的なスペックだけでは収まらない、これからのホイールのあり方までを示してくれる展示となったのが印象的だった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》