ヒョンデ傘下のキアは、4月に英国で開催される商用車ショー(CVショー)において、新型電動バン『PV5』の市販モデルを初公開する。
PV5は、専用の電気自動車プラットフォームを採用し、配送、公共事業、ライドヘイリングなど幅広い用途に対応できるよう設計されている。コンセプトカーの『コンセプトPV5』の市販版。PV5は日本市場への導入も予定されている。
キアは商用車事業を「PBV(Professional Business Vans)」と名付け、イギリス市場向けにカスタマイズしたアプローチを取る。PV5は、パネルバン、シャシーキャブ、乗用バンの3タイプが用意される予定で、特にシャシーキャブは中型バン市場では珍しく、多様な顧客ニーズに対応できる可能性がある。
キアの商用車事業の特徴として、全モデルに業界最長の7年または10万マイル(約16万km)の保証が標準装備されることが挙げられる。また、車載テクノロジーの面でも、中央ディスプレイにAndroidアプリストアを搭載するなど、最新のソフトウェアソリューションを提供する。
CVショーは4月29日から5月1日まで、英国バーミンガムのNECで開催される。キアのブースでは、PV5の詳細な仕様や顧客向け情報が発表される予定だ。
電気商用車市場は今後急速に拡大すると予想されており、キアの参入により競争が一層激化する可能性がある。環境規制の強化や企業の脱炭素化の動きを背景に、電気商用車への需要は高まっている。
《text:森脇稔》