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[音響機材・チョイスの“勘どころ”]Part1「スピーカー編」「スペック比較」はスピーカー選びには役立たない!?

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市販スピーカ-が取り付けられたオーディオカーの一例(製作ショップ:Kサウンド<広島県>)。全 2 枚写真をすべて見る

愛車のサウンドシステムをバージョンアップさせたいと考えているドライバー諸氏に向けて、それを実行する際に役立つ情報を公開している当コーナー。まずは「スピーカー」にスポットを当てている。今回から数回にわたっては、「スペック」の読み方について説明していく。

さて、スピーカーのカタログを見るとさまざまなスペックが載っているが、今回はまず「再生周波数帯域」について説明していく。これはつまり、そのスピーカーがどのくらいの低音からどのくらいの高音までを再生できるのかを表すものだ。

なお、科学的または技術的な観点で音を語るとき、音の高低は音名ではなく「周波数」で言い表される場合が多い。なのでこの機会にまずは、「周波数」についても説明しておきたい。

音は、水面を伝う波紋のように空気中を上下動を繰り返しながら進んで行く。で、その上下動の大きさは音程が異なると変化する。高い音ほど1つの波長は短く低い音ほど1つの波長は長くなる。とはいえ、音が前に進むスピードは音程に関係なく一定だ。なので音程が高い音ほど1秒間に行われる振幅数が多くなる。というわけで、「周波数」とは1秒間に繰り返される音波の上下動の回数のことを指し、音程が高い音ほど「周波数」の数値は大きく、低い音ほど「周波数」の数値は小さくなる。

ちなみに、人間の耳で聴き取れる音の範囲(可聴帯域)は、20Hzから20kHzだと言われている(高域側の可聴帯域は、加齢とともに狭まっていく)。また、20Hzから20kHzという範囲は、音階で言うと10オクターブ分に相当する。

で、スピーカーのスペック表に載っている「再生周波数帯域」を見るとそのスピーカーが再生可能な音域を知れるわけだが、その範囲が広いモデルほど高性能かと言うと……。

確かに「再生周波数帯域」が広いモデルの方が、その点において機械としてはハイスペックだ。しかしこれは、音の良さのメジャーには成り得ない。

仮に「再生周波数帯域」の下限が30Hzのスピーカーと40Hzのスピーカーとがあったとして、音楽を再生して両者の音を聴き比べたとき、後者の方が50Hzあたりの低音の質が良いと低音全体の質感も後者の方が良い、ということも起こり得る。

なので、「再生周波数帯域」の数値は参考程度に見るにとどめたい。音の良し悪し(好みに合うか否か)は、試聴してみないと分からない。

今回は以上だ。次回もスペックについての解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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