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「アウター化」という高度な取り付け方もある![初めてのスピーカー交換・完全ガイド]第14回

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「アウター化」にてドアスピーカーが取り付けられたオーディオカーの一例(製作ショップ:ジパング<鳥取県>)。全 6 枚写真をすべて見る

音の出口である「スピーカー」をより良いものへと交換すれば、聴こえてくる音の質が確実に良化する。当特集ではその実践方法やより良い結果を得るためのポイント等々をさまざま解説してきた。今回は、「アウター化」という高度な取り付け方があることを説明していく。

◆究極を目指すなら、行き着くところは「アウター化」!?

さて、これまでも何度か触れてきたように、カー用のスピーカーはスピーカーユニットが裸の状態で売られている。そしてこれはクルマに取り付けて初めてスピーカーとして完成する。ゆえに「どう取り付けるか」によって、スピーカーとしての完成度が変化する。

で、ドアスピーカーについては、どんな「インナーバッフル」を用いるか、また「デッドニング」にどこまで手をかけるかによってスピーカーとしての仕上がり度合いが変わってくるわけだが、究極を求めるならば、「アウター化」を実行すべきだ。

なお「アウター化」とは、ひと言で言うなら以下のとおりだ。「スピーカーの取り付け面をドアパネル面の高さまで立ち上げる取り付け方」のことを指す。なので、スピーカーの振動板が目視できる位置に来る。

ただし、実行のハードルはかなり高い。なので「初めてのスピーカー交換」では行われるケースは少ない。

ハードルが高くなるポイントは、主には2点ある。1つは「手間が掛かる分、工賃がかさむこと」、2つ目は「クルマをリセールに出そうとするとき、元に戻すのにもコストが多くかかること」、これらだ。

◆「アウター化」は、大がかりな改造が必要…。しかし、音的な利点は多大!

「アウター化」が手間がかかるポイントは2つある。まず1つ目は、「ドアパネルを改造しなければならなくなること」だ。パネルをカットし、その上でドアパネルとスピーカーとが一体化しているように仕上げなければならない。そして2点目は、「スピーカーをパネル面にまで立ち上げること」だ。「インナーバッフル」を積層して厚く作る、といった加工を施す必要性が生じてしまう。

そしてクルマを売りに出そうとする際には、ドアパネルを買い直すことになる。ちなみにツイーターを「カスタムインストール」する場合には、元に戻すのは比較的に容易だ。特にドアミラー裏に取り付ける場合には、ドアミラー裏のパネルはサイズも小さいがゆえに価格も手頃だ。対してドアパネルは、それと比べてかなり高額だ。

しかし「アウター化」は、音的には大きなアドバンテージを発揮する。利点はズバリ、「スピーカーの振動板から放たれる音をダイレクトに車室内に届けられること」だ。内張りパネル内に収める取り付け方をする場合には、振動板から放たれた音は多少なりともドアパネル内に回り込む。しかし「アウター化」ではそれが起こらない。

◆「アウター化」を実行すれば、確実にサウンドクオリティが1ランク向上!

もちろんスピーカー交換を「カーオーディオ・プロショップ」にて行う場合、プロはドアスピーカーをパネル内に収める取り付け方をする際にも、スピーカーの振動板から放たれる音情報を可能な限り100%近く車室内に放出できるような策を講じる。なので可能な限りスピーカーの性能が引き出されるが、しかしながらそこから「アウター化」へと進化させると、もう1ランク音が良くなる。これもまた事実だ。

なので高級なスピーカーを取り付ける場合には、「アウター化」が実行される率は高まる。せっかく高価なスピーカーを手にするのだから、その性能を最大限引き出せないともったいないからだ。

また、高級スピーカーになればなるほど「アウター化」をせざるを得なくなるケースも増える。高額なスピーカーは性能を上げるために筐体が大きく(厚く)なりがちだ。結果、そもそもドアの内張りパネル内に収める取り付け方を行えない場合も増えてくる。

というわけで「アウター化」はハイグレードなスピーカーを用いる場合の方法論という色彩が濃いが、これを実行すればどのようなスピーカーであっても音が良くなる。さらなる高音質を狙いたくなったときには、このようなやり方があることも、思い出すベシ。

今回は以上だ。次回から数回にわたっては、「初めてのスピーカー交換」に向いたスピーカーを紹介していく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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