車内のリスニング環境を改善したいと思いつつも「何から始めれば良いのか分からない…」、そう悩んでいるドライバーは少なくないに違いない。当連載では、そういった方々に向けて“音のプロ”が提案する具体的な“スタートプラン”を紹介している。
今回は、北海道旭川市にて店舗を構える人気店、“フィスト”がお薦めする“スタートプラン”を提示する。
◆“楽しめる環境を整える”ことから始めるのも、アリ!
さて当回では、メインユニット交換から始めるやり方について考えていく。まずは“フィスト”の山内さんに、当作戦がアリかナシかを訊いてみた。
「もちろんアリです。ちなみにいうとふた昔前はそこから始める方が大半でしたが、純正メインユニットを外せない車種が増えてきて、この作戦を実行する方は減少傾向にありました。しかしここにきて、また増え始めているんです。
なぜなら、BluetoothモジュールとHDMI端子を備えていないモデルから、それらを装備したモデルに換えたいと思われる方が増えていて。
というのも、これらが使えるようになると車内のエンタメ環境がガラリと好転します。音楽や映像系コンテンツを便利に、そして多彩に楽しめる環境が得られるからです。この部分は実は、とても重要です。BluetoothとHDMI端子が使えるようになると、環境が整います。結果、ドライブが今よりもっと楽しくなります。音を良くするのはその後でも良いと思うんです。それをした上でもっと良い音でそれらを楽しみたいと思ったときに、スピーカー交換等のシステムアップを検討するという流れもアリだと思います」
◆Bluetoothが使えると、スマホで音楽を聴くときの利便性がぐっと高まる!
BluetoothとHDMIが使えるようになると楽しくなる、その心を教えてもらった。
「今や音楽はスマホで聴くという方が大半です。スマホにたくさんの楽曲を格納されている方も多いですし、最近はストリーミングアプリを活用される方も増えてきました。特に、ストリーミングアプリはとても便利です。さまざまなアーティストの曲を気軽に聴けますから。CDを買っていた時代と比べて多くの楽曲と出会えますので、音楽を聴く生活を一層充実させられます。
で、Bluetoothが使えるようになると、スマホで音楽を聴くときの利便性がぐっと高まります。利点は主に3点あります。1点目はワイヤレスであること、2点目は曲送り等の主要な操作を車載機側でも行えてさらにはステアリングリモコンでも操作できる場合が多いこと、そして3点目は、1度ペアリングをしておけば都度の接続が自動で行われること、これらです。
そしてHDMI端子が備わっているとスマホのミラーリングが行えて、映像系のストリーミングデバイスの接続も可能になります。結果、車内で楽しめる映像系コンテンツの幅が圧倒的に広がります。同乗者にとってのエンタメ環境が一変します」
◆『サイバーナビ』は頭1つ抜けた存在。ディスプレイオーディオならアルパインも人気!
次いでは、お薦めのモデルを教えてもらった。
「AV一体型ナビでは、カロッツェリアの『サイバーナビ』が人気です。当シリーズのネットワークスティックが同梱されているモデルの場合、車内のオンライン化も可能になりますから。Wi-Fi環境が整うと、ストリーミング系アプリを楽しもうとするときの利便性がさらに上がります。また『サイバーナビ』はサウンドチューニング機能も充実しています。これならフロント2ウェイ+サブウーファーというシステムを、本格的に運用できます。当シリーズは、オーディオ機器としての能力も頭1つ抜けています。
一方カーナビは要らないという方には、アルパインのディスプレイオーディオがお薦めです。同社のラインナップの中には11型の大画面モデルもあり、そしてBluetoothもHDMI端子も完備しています。また、Wireless CarPlayに対応する機種もありますし。
なお発売は3月ですが、カロッツェリアのスタンダードナビの新『楽ナビ』も人気が出そうです。こちらにも車内をオンライン化できるモデルが加わりました。またBluetoothは全機種に、HDMI端子はベーシック機以外のすべてに装備されています。そして『サイバーナビ』には及びませんがAV一体型ナビとしてはサウンドチューニング機能も高いです。
お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。さまざまなご提案をさせていただきます。お待ちしています」
《text:太田祥三》