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[音の“極め方”研究]第5回 「外部パワーアンプの導入」というアプローチも超有効!

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愛車のサウンドシステムの音を良くするためのマニアックな方法を、1つ1つ紹介している当特集。今回は、「外部パワーアンプの導入」という方法について考察する。カーオーディオ愛好家の多くは敢えてこれを使っている。さて、その理由とは…。

◆「外部パワーアンプ」を使わなくても音は出る。しかし…

純正、市販を問わず、ナビ等のメインユニットには普通、パワーアンプが内蔵されている。なおこれは、メディアから読み取った音楽信号をスピーカーを駆動できるレベルにまで増幅する装置だ。スピーカーの振動板を動かすには、物理的にある程度大きなパワーが必要だ。なのでシステムにはパワーアンプが不可欠だ。これが組み込まれていないと、スピーカーを鳴らせない。

なので一般的なメインユニットには、パワーアンプが備わっている。ゆえに必ずしも「外部パワーアンプ」を用意しなくても良いはずなのだが…。

しかしシステムを本格化させようとするときに「外部パワーアンプ」が使われるのはなぜなのかと言うと、答は至ってシンプルだ。「これを使うとガラリと音が良くなるから」だ。

そうなる理由も単純明快だ。メインユニットに内蔵されているパワーアンプと「外部パワーアンプ」とでは性能差が大きいからだ。用途は同じながらも、能力が大きく異なる。

というのも内蔵パワーアンプと「外部パワーアンプ」とでは、かけられているコストに大きな差がある。例えば、廉価なAV一体型ナビは5万円程度で手に入るが、そのコストの中でナビのメカやモニター等々さまざまな装置を組み込まなくてはならない。結果、パワーアンプにかけられるコストは限定的にならざるを得ない。

◆かけたコストの差が、性能差となって現れる!?

一方「外部パワーアンプ」は基本的に音楽信号を増幅するためだけのユニットなので、コストの大半をそこに注げる。なので例えば5万円程度のエントリー機であったとしても、5万円程度のAV一体型ナビの内蔵パワーアンプと比べてかなり多くのコストをかけられる。

なおパワーアンプは、コストの差が性能差となって現れやすい。なぜならば、仕組みがシンプルだからだ。パワーアンプは発明されてからかなりの年月が経っている。つまりパワーアンプは、割とローテクな工業製品だ。もちろん、部分的にはさまざまなハイテク技術が注入されてはいるものの、根本的な仕組みは発明当時と大きく変わってはいない。

このようにシンプルな工業製品は得てして、使用パーツや組み上げるときの工程においてコストや手間をかければかけるほど、それにつれて性能が向上していく。なので「外部パワーアンプ」には、超高級品も存在している。カー用のモデルの中には、1台で100万円を超えるものもある。

◆筐体の大きさも、音に与える影響が大!

またパワーアンプは基本的に、性能を上げようとすると筐体が大きくなる傾向が強い。部品や回路に贅を尽くした方が性能が上がるわけだが、それをすると自然と筐体が大きくなるのだ。

しかしメインユニットにはサイズ的な制約がある。市販品の場合は、1DIN、もしくは2DINというスペースの中で完結させなければならない。AV一体型ナビなら、2DINサイズの中にナビメカから地デジチューナー等々をすべて詰め込まなければならず、結果、パワーアンプに割けるスペースは極々わずかだ。

対して外部パワーアンプにはサイズ的な制約がない。なので廉価なモデルであってもメインユニットに内蔵されているパワーアンプと比べて余裕を持って設計できる。このことも音に大きく効いてくる。

また内蔵パワーアンプと「外部パワーアンプ」とでは、出力差も大きい。メインユニットに内蔵されているパワーアンプの定格出力は大体1chあたり20W程度だが、「外部パワーアンプ」はベーシックなモデルでも50W程度が確保されている場合が多く、100Wとか200Wを超えるモデルも珍しくない。

なお、出力の大きさと性能はイコールではない。しかしクルマのエンジンでも排気量の違いは性能差に大きく響く。パワーアンプでも例えば20Wと100Wとでは、そもそもレベル差が大きい。

かくして、スピーカーを市販品に交換してさらに音を良くしたいと思ったときには、「外部パワーアンプ」の導入も、かなり大きな有効策となり得る。覚えておくベシ。

今回は以上だ。次回以降もさまざまな「音の極め方」を紹介していく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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