愛車のオーディオシステムをバージョンアップさせることに興味を抱くドライバー諸氏に向けて、カーオーディオ・プロショップがお薦めする「スタートプラン」を紹介している。今回は、予算10万円(税抜)で実行できる効果的なスピーカー交換プランを提案する。
◆予算が10万円あれば、確かなスピーカーをゲット可能!
今回話を訊かせてくれたのは、東京都日の出町にて店舗を構える実力店、“モービルサウンドテクノロジー”だ。
まずは同店の代表を務める小川さんに、初めてのスピーカー交換として10万円という予算規模の妥当性を訊いてみた。
「ご予算が10万円あれば、後悔しないスピーカー交換を行えると思います。なおご予算の割り振りは、以下のようにすると良いのではないでしょうか。当店の場合、取付工賃に約2万円いただいていますので、あとはインナーバッフル代に1万5000円ほど、そして残りをスピーカー代に当てると、6万5000円くらいまでの製品の中からお好きなモデルを選べます。
ちなみにインナーバッフルは、市販の金属製のものを想定しています。市販の木製のものより高額ですがワンオフするよりはお手頃で、しかし性能的に優秀です。耐久性も高いですし。
なおスピーカーには廉価なモデルも多々ありますが、ご予算が許すのであれば5万円くらいをボーダーラインとお考えいただきたいと思っています。というのも例えば2万5000円のモデルと5万円のモデルとを比べると、価格は倍も違います。そしてこの差は、性能にも顕著に表れます」
◆確かなスピーカーを手にしておけば、次のステップにも進みやすい!
「実際5万円台以上のスピーカーなら、後々長く使えます。逆に3万円くらいまでのスピーカーをお選びいただくと、後からもう1度スピーカー交換をされたくなりがちです。そうなると、最初に買ったスピーカーがムダになってしまいます。それは避けたいと思うんです。
しかし最初からある程度良いものを選んでおけば、次にご予算ができたときには次のステップへと進めます。ケーブルの引き直しであったりDSPの導入であったり、システムを発展させる手段はさまざまあります。なので次に費用をかけるのであれば、そういったことを実践された方が有意義だと思います。どんどん音が良くなっていきますから。対してスピーカー交換だけを繰り返しても、システムの進化は限定的です。
なおデッドニングも、後からで良いのでぜひ行っていただきたいですね。そうすることでスピーカーの性能をさらに引き出せますから。ちなみに当店では、2万円しない金額にて行えるライトなデッドニングプランもご用意しています。このプランではスピーカーの裏側への施行が中心になりますが、これだけでもやっておけば聴こえ方がガラリと変わります。なのでご予算が許すのであれば、最初からここまでやられるとベストです」
続いては、スピーカー選びのコツを教えてもらった。
「コスパの高いモデルをお選びいただきたいと思っています。部材や構造にしっかりコストがかけられている製品を手にしていただきたいですね。このあたりに関しては、ショップのアドバイスを参考にされると良いのではないでしょうか」
◆ミッドウーファーの取付奥行き寸法と、パッシブのタイプも要チェック!
「あとミッドウーファーに関しては、取付奥行き寸法をチェックされると良いと思います。60mm台以下であれば、軽カーも含めて多くの車種にスムーズに取り付けられますから。
また、パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)にも注目されると良いですね。まずパッシブがインラインタイプの場合には、ミッドウーファーに対してはローパスフィルターがかかりません。なので本格志向の方には向かないのですが、音的にはそのことが功を奏する場合もあります。特にツイーターとミッドウーファーの取り付け位置が離れる場合に、ミッドウーファーはフルレンジで鳴らした方が中高域の厚みが出やすくなります。
対してパッシブが本格的なタイプであると、ミッドウーファーにローパスフィルターがかけられるようになり中高域がスッキリします。このあたりはお好みで選ばれると良いと思います。
お薦めのモデルは、3つ挙げたいと思います。まず1つ目はグラウンドゼロの『GZRC165.2SQ-lV』(税抜価格:4万5000円)です。当機ならオプションのデッドニングプランも追加できます。それも含めてちょうど10万円ほどで収まります。もう2つはブラムの『L 165 S』(税抜価格:5万8000円)とヘリックスの『P62C』(税抜価格:5万8000円)です。両機ともコスパが高く、当店でも人気が高いです。
お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。さまざまなご提案ができると思います。お待ちしています」
《text:太田祥三》