広島県のWarpsのスタッフである廣下さん、愛車のVW『シロッコR』にオーディオインストールを施しショップデモカーとしても利用している。ヘビ柄（パイソン柄）や白とゴールドのカラーリングなど、ブランド品を思わせるインストールが印象的なクルマに仕上がった。
◆パイソン柄の素材使いなどにこだわり
女性目線でカッコいいインストールを実現
カスタムインストレーションの最先端を常に走り続けている広島県のワープス。所属する女性スタッフが自らの愛車をショップのデモカーとして作り上げたのがこのクルマだ。ワープスのデザイン力やコンセプトを決めてインストールを施す手法など、まさにカスタムインストール＆サウンドのデモンストレーションを行うには絶好の仕上がりとなった。
このシロッコR、インストールデザインのコンセプトは高級ブランドのイメージ。主に用いるカラーを絞りホワイト／ゴールドをイメージカラーに使ったのも独特。さらにオーナーの好みであるヘビ柄（特にパイソン柄がお好み）も取り入れているが、こちらもカラーコーディネートに合わせてホワイトのヘビ柄生地を使うなど、オーナーの自己アピールを取り入れつつ全体のコンセプトに合わせた処理としている点もショップのセンスの良さを感じさせる部分だろう。「近くで見ないとわからないぐらいの、さりげないパイソン柄にしているところもこだわりです」という落ち着いた仕上がりにした点もオーナーの狙いだった。
ラゲッジ全体を見渡すと左右対称のレイアウトが美しく決まる。2台のパワーアンプを両サイドに置き、ホワイトでフィニッシュしたオーディオラックを形成している。中央に12インチサブウーファーをインストールするバランスの良いレイアウトも秀逸だ。
◆外向きスピーカーを隠して不思議さをアピール
集まったギャラリーを楽しませる仕掛も込めた
ユニットはブラムを中心にシステムされている。2台のパワーアンプはブラムLIVEシリーズのLA4100。ブラックボディがホワイトに彩られたラゲッジの中に浮かび上がる美しいデザイン。ベースパネルには極厚のアクリルを用いてフローティングインストールしている。パワーアンプだけを見ても見せる要素満点だ。
サブウーファーには同じくブラムの12インチユニットであるR12をチョイス。ラゲッジ中央にレイアウトしインストールデザインの中心的存在になっている。こちらもブラックカラーなので、ホワイトのオーディオラックとのコントラストも鮮烈。パワーアンプとのコンビネーションでも統一感のあるデザインとしている。
さらにラゲッジには外向きスピーカーもこっそりビルトインしている。パワーアンプの下部にはブラムの16cmコアキシャルスピーカーの165RC2、さらにラゲッジ後方のウォール面には同じく13cmコアキシャルの130RCをインストール。見えないスピーカーが鳴っていることで不思議な感覚をギャラリーに与えるのが狙い。リアハッチを開けた状態でしっかりと中高域を聴かせることもデモカーとしては大切。帯域バランスの整った外向きサウンドを響かせる。
◆多彩な素材選びからカスタム手法まで
ショップの技術とセンス見せるインストール
インストールデザインは隅々にまで手が込んだ処理が施されている。デモカーだけにさまざまな手法が投入され、まさにデザイン＆インストール処理の見本市的な内容。まずはラゲッジ前方に見えるショップロゴを施したエンブレム。ホワイトのレザーに対してパネル面にロゴを施す手が込んだ構造。さらにホワイトフィニッシュされたオーディオラックをよく見ると、同じホワイト色でも素材をコンビネーションで使うことで変化を付けているのも上質。具体的にはレザー／カーボン／ヘビ柄を巧みに使い分けてているのだ。
アクリルを使ったアンプのマウント手法やイルミ処理など、あからさまなアピールでは無く“よく見ると手の込んだ処理が施されている”のがこのクルマのキーワードでもあるだろう。これもラゲッジ全体の上質感をアップさせるのに一役買っている。
上品で大人っぽいイメージを追求したシロッコR。清楚、純潔といったキーワードを念頭に置いてインストーラーがプランしたデザインが見事に反映された。オーナーの狙い、思い描いたイメージ、そんなオーディオへの思いが凝縮したクルマに仕上がった。
土田康弘｜ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text：土田康弘》