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【テスラ モデルY 買いました】20分で600万超のクルマを躊躇いなくポチった理由

自動車ニュース

テスラ モデルYの注文が確定した瞬間。ハリネズミが可愛い。(スクリーンショット)全 7 枚写真をすべて見る

テスラ『モデルY』が発売されたと同時にとっさにポチッてしまった一編集者である筆者。金額は619万円! テスラを買うとはどういうことか? これから始まるテスラ購入までの道のりを消費者目線でレポートを連載していこうと思う。第1弾は、たった20分でポチった理由をご紹介しよう。

20分で600万超のクルマをポチる

それは2022年6月10日の午後だった。ふとテスラからのメールに気がついた。以前テスラのサイトにメールアドレスを登録していたので、ときおりニュースが届く。

そのメールのタイトルは「Model Y - 注文開始」。

開くと、そこには「今すぐ購入」のバナー画像があった。いよいよ来たか! そう思いながら仕事中にもかかわらず、思わずクリック。そして目にしたのは「619万円」という値段と「納車予定:8月」という文字だ。

うっ、安い! うっ、早い! そう思うのも束の間、なぜだか焦っているボクは、仕事中にもかかわらず、まるで牛丼の発注するかのようにボディカラー、ホイール、インテリアカラーを選んで、そのまま「お支払いに進」んだのであった。クレジットカード番号を登録し、返金されないという注文料1万5000円をためらいなく支払って注文を完了した。その間約20分! いままで何台もクルマを購入してきたが、試乗もせず、いやそれ以前に実物も見ていない、そもそも発売されていないので街で見かけたこともない、そんなクルマをスマホで購入したのだ。

なぜそんなに素早く行動できたのか? それにはワケがある。

実は私、昨年2021年からテスラ『モデル3』の購入を計画していた。昨年2月に100万円近く値下げされて、400万円台前半になったので「これなら買える!」と色めきだったのだが、コロナ禍もあり、すぐに行動に移せなかった。そのうちあれよあれよと値上げされ、同じものを値上げされたあとに買うのもな……と、次第に購入意欲も薄れていった。

そしてターゲットを、もうすぐ発売されるというSUVのモデルYに変更。昨今人気のSUVに一度は乗ってみたいという気持ちもあったので、すんなりと気持ちの整理がついた。

しかし、いつまで経ってもモデルYの販売開始という情報は入ってこない。毎日のようにモデルYのサイトをチェックし、それがいつしか私の日課になっていった。テスラ『モデル3』自体は近所の駐車場に真っ黒なモデル3が停められてあり、通勤の折に、それを眺めて「黒もかっこいいな」などと思っていた。

モデル3を試乗する

あるときテスラからのメールで試乗の案内が届いた。モデル3だ。そうだ、買うつもりならモデル3であれ、一度体験しておいたほうがいいよな、と試乗の予約を入れた。数週間後、当時東京・青山にあったテスラの店舗に訪れた。モデル3が1台だけ展示されている小さなショップだ。お店のお兄さんに予約していることを告げると店の前に路駐しているモデル3に案内された。

ボディカラーは「ミッドナイト シルバー メタリック」。なかなかカッコいいカラー。簡単な説明を受けて車に乗り込む。コロナ禍なので、私一人で試乗してもらうとのこと。それはそれで気を遣うことなく加速やブレーキ、ハンドル操作などクルマの基本性能を確認できるのでありがたい。私はそそくさと運転席に乗り込んだ。キーカードをコンソールの上に置き、ブレーキペダルを踏んでハンドル右のレバーを下に動かす。ショップのお兄さんが横で教えてくれるとおりに素直に従った。

ボクの(ではないが)モデル3は、青山通りを渋谷方向に進む。アクセルを踏んですぐにトルクの大きさを感じることができた。途中、クルマを道ばたに停めて車内をくまなく確認する。後部席にもすわって確認。そんなに狭さを感じなかったが、それよりも車内のシンプルさに驚いた。安っぽいわけではないが、高級車っぽくはない。

以前、メルセデス『Eクラス』に乗っていたこともあり、どうしても比べてしまう。価格的にもEクラスが若干高い程度だ。しかし価格差以上の違いが感じられた。とはいえ、そこまでの期待をしていなかったのも事実。ボクは長時間にならないようにクルマを始動させ、ショップへと戻った。

テスラの試乗体験は、ほんの10分程度だったが購入意思を固めるのに十分な時間だった。いよいよモデルY販売への期待が高まる。

カーシェアリングからの卒業

ボクのもともとの生業は編集者。紙の雑誌や書籍、Webの編集も行っている。ジャンルは問わないので企画があれば企業や出版社、編集プロダクションへ提案している。新しい情報への好奇心は人一倍あるのだが、都内在住と言うこともあり、数年前から「もうカーシェアリングの時代だよね」とクルマを手放して、カーシェアリング生活を満喫していた。

これはこれでたしかに経済的で便利ではあるが、カーシェアリングが広まるにつれて、近くのカーシェア用クルマはボクが使いたいときに誰かが使っていて、遠くのカーシェア駐車場まで行かなければならないことが多くなった。カーシェアリングの多くは、クルマを停めていた場所に自転車を置くことが禁止されているので、その場所まで歩いていかなければいけない。ますます不便に感じることとなった。

加えて、カーシェアリングはペット同乗は禁止されている。数年前から小型犬を飼っている我が家では利用しにくいものとなっていた。いよいよ再度クルマを持つべきかと思い始める。そう考えると、カーシェアリングは便利だが、ふと思い立ってどこかに行くという気軽さは自家用車に比べて少ない。編集者たるもの、気になる場所、話題の場所に気軽に出掛けることが必須だとも感じだしていた。そう、いよいよなのだ。

突然の販売開始

話をモデルYに戻そう。テスラからなんの発表もないままに、いつしか年が明け、テスラのサイトを見る回数も日に日に落ちていった。とはいえ、購入意欲まで落ちていったわけではない。テスラ貯金をして、その日に備えていたのはたしかだ。しかし、ボクの力ではどうにもできないことなので気長に待たざるを得ない。

そんななか気になっていたのが円安だ。昨年末から円安傾向が強くなっていた。それが理由かどうか、12月、モデル3は昨年中、最後の値上げをした。今年になってもその傾向は収まることなく、3月、またもやモデル3の値上げがあり、それは以降、毎月上がっていった。

その様子を横目で見ていたボクは「これはモデルYが販売開始したとしても600万円台後半か、もしかしたら700万円あたりになるかもしれない。そうなるともはやボクが買えるクルマではないなぁ」と思うようになっていった。買うとすれば、ロングレンジを購入する予定にしていたが、今年に入ってモデル3のロングレンジはすでに600万円台なかごろまで値上がりしていたのである。

そう思っていたところに突然始まったモデルYの販売。619万円の値段に「うっ、安い!」と思うのも仕方ない。ロングレンジではなくRWDなので冷静に考えれば、モデル3と比較しても無難な値段なのだが、とにかくこの値段でモデルYが購入できる。半導体不足もなんのその、納車予定は8月。では、と意気込んでポチったわけだ。

そして初めての体験が始まった。

田代真人
福岡県出身。九州大学工学部卒業後、朝日新聞社入社。その後、学習研究社にてファッション女性誌編集者、ダイヤモンド社にてWebマスター、雑誌編集長、書籍編集などを経て、メディア・ナレッジ設立。出版&電子出版、Webプロデューサー、PRコンサルタントとして活動後、現在は、駒沢女子大学教授、桜美林大学非常勤講師を務める。専門は「編集論」。

《text:田代真人》

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