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コレを使えば、車内が最高のリスニングルームに変貌! 「DSPのススメ」 第1回「DSP」って何?

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「DSP」を搭載したオーディオカーの一例(アークオーディオ・PS8-PRO、ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。全 5 枚写真をすべて見る

「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーは少なくないはずだ。その音楽が、今よりもっと良い音で聴けるとしたらどうだろう。ドライブが一層楽しくなるに違いない。それを実現させようとするときに頼りになるアイテムがある。それが「DSP」だ。

今回からスタートする当特集では、これが役に立つ理由から、選び方、使い方までを全方位的に解説していく。

◆「DSP」とは、音楽信号をデジタル・チューニングするためのメカ!

まずは、「DSP」とは何なのかを説明しよう。「DSP」とは「デジタル・シグナル・プロセッサー」の略称で、つまりは「音楽信号をデジタル・チューニングするためのメカ」だ。

なおこれにはタイプ違いがさまざまあり、できることも機種によって変わってくるが、当特集では以下の3つの機能が搭載されているものを“本格的な”「DSP」と定義して、それについて話を進めていこうと思う。3つの機能とは、「クロスオーバー」、「イコライザー」、「タイムアライメント」、これらだ。

ところで、カーオーディオシステムのグレードアップを図りたいと思ったとき、多くのドライバーは「スピーカー交換」を検討する。確かに純正スピーカーにはコストがかけられていない場合が多く、性能的に多くを望めない。なのでそれを市販品へと交換すれば、聴こえてくる音の質が確実に良化する。

それと同じように、「DSP」をシステムに加えることでも聴こえ方をガラリと変えられる。場合によっては「スピーカー交換」以上の変化幅が得られることもある。さて、それはなぜなのかというと…。

◆車室内は、音響的なコンディションが実は良くない!?

「DSP」が効果を発揮する理由はズバリ、「車内の音響的な不利要因に対処できるから」だ。車室内は、誰にはばかることなく好きな楽曲を大音量で楽しめるという点では音楽を聴く場所としての適正が高いが、しかし音響的なコンディションが良いとは言い難い。

良くないポイントは主には3つある。まず1つ目は、「ツイーターとミッドウーファー」の取り付け位置がばらばらなこと」だ。使用するスピーカーが「コアキシャルタイプ(ミッドウーファーの同軸上にツイーターが取り付けられているタイプ)」の場合は良いのだが、ツイーターとミッドウーファーが別体化されている「セパレート2ウェイ」の場合には、ツイーターとミッドウーファーの装着位置が結構離れる。そして車種ごとで、さらにはオーナーの考え方で取り付け方が1台1台変化する。

結果、ツイーターとミッドウーファーの役割分担のさせ方も、ベストな設定が都度変わる。例えばミニバンのようにツイーターとミッドウーファーの距離がかなり離れてしまう場合にはツイーターとミッドウーファーの担当帯域の境目付近の音が薄くなったり、運転席側のツイーターの装着位置がリスナーに近くなり過ぎるときには高音ばかりが耳についたりする。

しかし「DSP」を用いると「クロスオーバー」という機能が使えるようになるので、役割分担のさせ方をコントロールでき、さらには各スピーカーユニットの音量も個別に調整できるようになる。

◆「イコライザー」があれば、周波数特性の凹凸をフラットに正せる!

そして音響的なコンディションが良くないポイントの2つ目は、「周波数特性が乱れがちなこと」だ。車内は狭いので、ある程度の大きな音量で音楽をかけると、各スピーカーから放たれた音がガラスやパネルに当たって反射する。そうして並行面の間で行ったり来たりしてしまうと、特定の周波数の音だけが増幅したり減衰したりする現象が発生することがある。

しかし「イコライザー」を駆使すれば、増幅した音を凹ませたり減衰した音を持ち上げたりできる。凹凸ができた周波数特性をフラットな状態へと戻せるのだ。

そして、クルマの中ではリスニングポジションが左右のどちらかに片寄る。この状態はステレオ再生を楽しむ上で大きな不利要素となる。ステレオとは、音楽を左右のchに分けて録音しそれを左右のスピーカーで再生して演奏を立体的に再現しようとするものだ。ただし、そのメカニズムを成り立たせるには左右のスピーカーから等距離の場所に身を置く必要がある。しかしクルマの中ではこの原理原則が成り立たない。

でも「タイムアライメント」機能が使えれば、近くのスピーカーの発音タイミングを遅らせられるので、すべてのスピーカーの音を同時に耳に届くように設定できる。

かくして「DSP」を用いると、聴こえ方がガラリと変わる。ゆえにカーオーディオ愛好家の間では、「DSP」が必須アイテムとなっている。

今回は以上だ。次回は「DSP」のタイプ解説を行う予定だ。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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