SUBARU(スバル)の新型『WRX S4』は、スバルのAWDパフォーマンスを象徴するモデルとして、2021年11月にデビューした。
縮小を続けるセダン市場における貴重なスポーツセダンとして、その走行性能に注目が集まることは当然だ。その上で、「新世代アイサイト」搭載に代表される通り、「安心と愉しさ」を追求するスバルらしい1台になっていると言える。
迫力あるエネルギッシュなエクステリア
躍動感が溢れるWRX S4のスタイリングだが、スバル最新のデザインコンセプトである「BOLDER」に基づいている。立体的で彫りの深いフロントマスクや、内側から外側へ張り出したようなフォルムがスポーツカーらしいアグレッシブさを表現している。
外装で目を引く部分といえば、ボディーの下部に備わる特徴的な樹脂製のガーニッシュだ。これは視覚的なアクセントを加えているのみならず、表面上に施された六角形の空力テクスチャーによって整流効果を生み出し、空力性能の向上に貢献している。
ボディカラーは伝統のWRブルー・パールを含めて全8色を用意。写真のモデルは「ソーラーオレンジ・パール」で、見る者に快活な印象を与える。
WRX S4の世界観を表現したインテリア
洗練されたインテリアは、走りへの期待を高めるようにデザインされている。ブラック基調のインパネ、随所に施される赤のステッチ、そして「STI Sport R」/「STI Sport R EX」にオプション設定されるRECAROのシートが、ドライバーのマインドを刺激するだろう。
大胆なデザインを実現する一方で、6:4分割可倒式トランクスルーの採用によって、ゴルフバッグなどが搭載できるほどの広いトランクスペースを確保し、使い勝手を両立させた。また、後部座席にもシートヒーターが装備されるなど、全ての乗員が快適に過ごせるような工夫が施されている。
センターに配置された大型のインフォメーションディスプレイでは、ナビゲーションやオーディオなど、さまざまな機能を内蔵している。車両の設定もここから変更することができ、快適性を重視した「Comfort」モードや、スポーティーな走りになる「Sport」モードなど、状況に応じたドライブフィールを楽しむことが可能だ。
新パワーユニットとアイサイトで「安心と愉しさ」両立
パワーユニットは、2.4リットル直噴ターボDITエンジンを搭載する。低回転域の力強いトルクと、高回転域での途切れない加速感は、新開発の「スバルパフォーマンストランスミッション」の採用と相まって「走りの愉しさ」を提供してくれるはずだ。
パフォーマンスを追求すると同時に、「新世代アイサイト」を全車に標準装備し、幅広いシチュエーションでの安全性を向上させた。また、「GT-H EX」/「STI Sport R EX」にはさらに高度運転支援システムが組み合わされた「アイサイトX」が搭載され、より充実した運転支援を実現している。
グレードは最上級モデルとなる「STI Sport R EX」のほか、全4種類となる。価格は400万4000円から477万4000円。
《text:中野 龍太》