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間違いだらけ! エンジンを痛める行為はこれだ[カスタムHOW TO]

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間違いだらけ! エンジンを痛める行為はこれだ[カスタムHOW TO]全 5 枚写真をすべて見る

わざわざエンジンを痛めつけてやろうという人は少ないが、知らぬ知らぬのうちにエンジンに負荷を掛けている場合がある。ここではそんな操作をまとめてみたので逆の行いをすればエンジンには優しいオーナーになれる!

×空ぶかしでエンジンは絶好調
=負担が掛かるだけ

エンジンの調子を見るとか、なにかと空ぶかしをする人もいるがこれはエンジンによっては最悪の部類。負荷が掛かっていない状態で回すと各部には想定外の負担が掛かる。タイヤが浮いた自転車で思いっきり漕いでいるような感じで、軽すぎてむしろ変な動きにならないだろうか。あれと同じことが起きてしまう。

エンジン内ではクランクシャフトがクランクメタルの上でオイルによってわずかにフローティング(浮いて)している。だからこそ、クランクメタルもシャフトも減らずに何万kmも走行できる。変な負担が掛かるとこのクランクメタルとクランクシャフトが接触してしまう。これはエンジンに大きなダメージをもたらし、最終的にはクランクメタルが焼き付いてブローしてしまう。

エンジンの調子は空ぶかしではわからない。空ぶかしでよく回ったので走ってみたら調子が悪いなんてことは普通である。また、エンジンを止める前に吹かす人もいるが、これも無意味。旧車ではプラグのかぶりを防止するとか一定の意味はある行為だったが、インジェクション化された現代のクルマでは意味はない。

レースでは走行前にピットで空ぶかししていることがよく見られる。これにも理由がある。それは限られた条件のなかで暖気するため。エンジンを温めてレースに備えたいが、レーシングカーはそのあたりを走ってエンジンを温めることができない。大きなレースではルール上でむやみにパドック内を走ったりしてはいけないのだ。そこで暖気のために空ぶかしをしている。

アイドリングで温めることもするが、レーシングカーは高回転を使って全開走行する前提で作られているので、あまりアイドリングが長くなると油圧が低く、エンジン内部の潤滑に問題が出てきてしまうといけないので、ある程度エンジンを回転させ、油圧を上げながら温めるという意味もあるという。

×オイルはちょっと多めでもいいよね

=見えないところでオイルが噴いて燃費悪化の原因にも

少ないよりは多いほうがいいだろうと、エンジンオイル交換時に多めに入れてしまったとか、エンジンオイルはフルだったけど、そこに添加剤を入れたら結構オイル量が増えてしまった。なんてこともあるかと思う。実はこれ、結構良くない。

エンジンオイルの量が多いとクランクシャフトが想定以上にオイルパンに溜まったオイルを撹拌してしまう。クランクシャフトはオイルに軽く浸るくらいの位置にあるもので、それがたっぷりを浸ってしまうと、オイルをかき混ぜる抵抗が増えて燃費が落ちることにつながる。ちなみにレースではこのオイルをかき混ぜる抵抗を下げるために、ギリギリのオイル量で走ることが普通だが、一般の方は真似しませんように。

そして、このオイルをクランクシャフトが撹拌してしまうと、クランクケース内にはオイルミストが充満してしまう。このクランクケースはインテークにつながっていて、ピストンから抜き抜けた混合気を再燃焼させる狙いがあるが、そこにオイルが多量に混ざってしまうのだ。そうなるとエンジン内部にも燃焼したオイルがスラッジとして溜まりやすく、出力低下の引き金になる。オイル量はエンジン停止後5分ほどして、フルのラインに合うようにするが無難。オイル量をこまめにチェックする人なら少し少なめでも大丈夫。サーキット走行をするときは激しい前後左右のGでオイルが片寄って潤滑不足になることもあるので、きっちりフルのラインまで入れておきたい。

×ターボ車だからアフターアイドリング

=そんなに全開から停止してますか?

ターボタイマーはエンジンを切ったあとも、アイドリングし続けて、数分後にエンジンが切れる装置。ターボ車ではエンジン保護のためと言われ、定番パーツだったこともあるが、その効果は甚だ疑問。

たしかに全開走行から急にエンジンを止めると、タービンが熱を持ったまま止まってしまうので焼き付きの原因になると言われている。しかし、全開走行から急に止まるシチュエーションがあるだろうか。サーキットでもそういったときは、軽くパドック内などに入ってブレーキなども含めて冷やさないと良くない。

高速道路を全開で走ることはないハズだが、普通に走っていればサービスエリアに入って普通にエンジンを切って問題なし。

むしろ、変にアイドリングが長いほうが油温が上がっていて、油圧も下がっている状況なので、アイドリングは内部潤滑に条件としては厳しい。決してエンジンをいたわることになっていないのだ。

また、これは直接エンジンに悪いわけではないが、サーキットでクラッシュとか、公道で事故が起きたときにとっさにキーシリンダーをひねってもエンジンが止まらず、慌てていてターボタイマーのスイッチがわからず車両火災につながることもあるので気をつけたいところだ。

《text:加茂新》

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