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フロントのみのドラレコから360度+リアのケンウッド「DRV-C770R」へ換装してみた

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◆ドライブレコーダーはやはり前後左右そして車内が映っていることが大切だと痛感した。後悔先に立たず。

筆者は2016年にフロントカメラのみのドライブレコーダーを購入して使用していた。約8年の利用となるが、その間に2度の追突・側突事故に遭遇した。1度はリヤから、もう1度は右サイドからだ。リヤからの追突は完全に停止状態、住宅地の交差点内での右サイドからの追突で、ほぼ停止状態で完全に私が交差点内に入っているところに右リヤドアにぶつけられた。後ろからの追突は停止しているところに後続車が急発進して追突したので100対0の過失相殺となったが、側突はこちらの速度が証明できずに20%程度(いやなことは忘れることにしているので正確な数字はもはや覚えていない)を負担する過失相殺となってしまった。この経験から全方向が撮影できるドライブレコーダーは必須だと考えていた。

今回、運良くケンウッドの「DRV-C770R」の装着を薦められ、装着&テストすることとなった。「DRV-C770R」は360度撮影が可能なフロントカメラ/モニターを内蔵するメインユニットとリアカメラを組み合わせた製品で、GPS機能などがビルトインされている。

◆取付はプロに頼むのが無難であるが、コツさえ掴めばDIYでも装着可能

まずは取付けである。業者に依頼する方も多いだろうが、私はこの手のものはDIYで行う。すでに装着済みのドラレコを取り外し、ほぼ同じ場所に装着することを決める。装着場所はルームミラーの裏側だ。ドラレコは普段はモニターを見る必要はないと考えているので、できる限り視界に入らない場所を選んだ。ただし、現代のクルマの場合は、この位置にADASのセンサーが付くことも多く、そうした場合はより左右にオフセットした位置となるだろう。また、撮影した映像をメインユニットのモニターで確認したい場合も装着位置はモニターが見やすい位置となるだろう。

配線はメインユニットに電源を供給するものが1本、メインユニットとリアカメラを接続するものが1本だ。電源線は従来のドラレコ同様にフロントウインドウ上からAピラー内→ステアリングコラム下→センターコンソール内に増設した3つ又アクセサリーソケットへ。リアカメラへの配線はフロントウインドウ上から右のルーフサイドを伝ってリヤウインドウへと導いた。リアカメラへの配線はミニバンなどへの装着も考慮して8mもあるので、かなり余るのだがリヤのルーフ内へキレイに収納することができた。ルーフサイドは内張を外すなどすることで割と簡単に配線を収められたが、リヤハッチ部分はモールが固く配線を入れるのに苦労した。

この際、便利だったのが網戸のパッキンを押し込むローラー付きツール。ローラーの溝に配線が入るようにして押し込むと面白いようにすき間の配線が入っていく。

◆録画時間はSDカードに依存する、長時間録画が必要ならば大容量にするべし

イグニッションをオンにするとマイクロSDカードが未挿入であることが警告された。付属のマイクロSDカードをメインユニット左側から挿入すると、フォーマットに関する警告が出るので、メインユニット右側の一番下のスイッチを押して承認フォーマットを行う。すべての操作の決定ボタンが一番押しやすい右最下段というのは非常に使いやすい。「DRV-C770R」の撮影パターンは以下の4パターン。

常時録画:イグニッションオンからイグニッションオフまで常に録画を続け、メモリーが一杯になると古いデータから上書きされる。記録ホルダーはVideo。

イベント記録:常時録画中に突発的な衝撃、予期しない衝撃を受けた際に検知時を起点として前5秒、後15秒をイベント記録して録画。記録ホルダーはEvent。

手動記録:常時録画中にメインユニットモニター下のRECボタンを押した際に、押下時を起点として前5秒、後15秒をイベント記録して録画。記録ホルダーはEvent。

写真撮影:常時録画中に右サイドの下から2番目のスイッチを押下することで静止画像が撮影される。録画は中断されない。記録ホルダーはPhoto。

駐車時記録:オプション(別売)のドライブレコーダー用車載電源ケーブル「CA-DR100」を導入。配線とメインユニットでの設定を行うことで、駐車時に衝撃を感知すると検知前5秒、検知後15秒を記録する。記録ホルダーはParking。

付属のマイクロSDカード(32GB)を使った場合のデフォルトでの各ホルダーの使用領域は常時録画が約89分(約89分)、イベント記録が約16回、写真が約30回となっていて、駐車時記録領域は設定されていない。駐車時記録を行うためには駐車時記録用の記録領域を割り当てる必要がある。なお、この割り当ては設定で変更することが可能だ。

約89回(約89分)の常時記録は標準モードでの記録回数で、長時間1モードの場合は約186回(約186分)長時間2モードの場合は約752回(約752分)となる。いうまでもないが、さらに長い回数を記録したい場合は容量の多いマイクロSDカードの容量をアップすればいい。本機は128GBまで対応している。

実際に走らせて見て、ひとつミスに気付いた。視界を遮らないためにルームミラーの後ろ側にメインユニットを装着したのだが、じつはメインユニットのモニター下側にGPSで計測した速度が表示されるのであった。通常はルームミラーを見た際に速度を知る必要はないのだが、ルームミラーを見た際にパトカーや白バイに追尾されている状況でうっかり速度が出すぎている場合などでは、速度表示があったほうが有効だ。これからミラー裏に取付けようと思っている方は、自分の乗車位置で速度表示が読める程度には下げて装着したほうが使い勝手がいいだろう。

◆専用ビュアー「KENWOOD ROUTE WATCHER II」は情報量が豊富で状況を把握しやすい

40分ほどのドライブを楽しんで帰宅。データをパソコンに取り込んだ。メインユニットつまりフロントカメラの映像がVideoフォルダー内のMフォルダー、リアカメラの映像は2フォルダーに格納されている。いずれもMPEG-4フォーマットで、数は41ファイル。フロントカメラは1ファイルのサイズが216MB、リアカメラはちょうど半分の108MB。またGPSデータがNMEAフォルダーに41ファイル(1ファイル10KB)が存在する。パソコンのパフォーマンスにもよるだろうが、コピーにはそれなりの時間を要した。

MPEG-4ファイルは一般的な動画再生ソフトで再生可能だが、フロントカメラは360度カメラのため、フィッシュアイレンズ映像となってしまい何が何だかよくわからない。パソコン上での再生は専用ソフトである「KENWOOD ROUTE WATCHER II」を使うのが基本だろう。「KENWOOD ROUTE WATCHER II」の対応OSは以下のとおり。

・Microsoft Windows 8(32ビット/64ビット版)
・Microsoft Windows 8.1(32ビット/64ビット版)※Windows RTは除く
・Microsoft Windows 10(32ビット/64ビット版)※Windows 10 Mobileは除く
・Apple Mac OS X(10.13以上)

「KENWOOD ROUTE WATCHER II」を使うと、画像とGPSデータと紐付けされるので、カメラ映像とともに日時と自車位置、速度が表示される。自車位置については、緯度経度の数字だけでなくグーグルマップも表示されるので、より見やすい。グーグルマップは縮小、拡大も可能だ。また、メインユニット内には3軸Gセンサーも内蔵されていて、X、Y、Z方向のGも表示される。フロントカメラについてはカメラ画像の右側にある左右上下の▲ボタンを操作することでサイド画像や車内画像へと移動できる。360度カメラなので画像は連続しており、切り替えるというよりシームレスにパンするというイメージだ。

フロントカメラのみの単機能ドライブレコーダーに比べるとはるかに情報量が多く、事故やあおり運転に対応するドライブレコーダーとしての機能だけでなく、まさにドライブレコーダーという名にふさわしく家族でのドライブを記録するための映像機器として使える。その他、クルマがどのようにGを発生していたかを確認することもでき、ドライブスキルを向上するデータしても使うことができるだろう。日々進歩するドライブレコーダーだが、ケンウッドの「DRV-C770R」利用価値の高いモデルだといえる。

《text:諸星陽一》

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