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「デッドニング」には絶対的な原則がある!? サウンドユニットの「セッティング法」を大研究! 第2章「スピーカー編」その11

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型紙を作製している様子。全 8 枚写真をすべて見る

カーオーディオでは、取り付け方の良し悪しでもシステムの完成度が変化する。当連載ではその詳細を解説しながら、カーオーディオならではの面白さや奥深さを明らかにしようと試みている。今回は前回に引き続き、「デッドニング」をDIYで行う場合のコツを解説していく。

さて、これまでも「デッドニング」のコツをいくつか紹介してきたが、「デッドニング」には実は、とある大原則が存在している。

結論から入ろう。「デッドニング」においての大原則とは、「左右同一に仕上げること」だ。ホームオーディオ用のスピーカーを思い起こしてほしい。スピーカーは2本で1組となるわけだが、その左右の2本は、大きさも形もそしてもちろん使われているスピーカーユニットもまったく同一だ。左右で異なる部分はあってはならない。

その理由は以下のとおりだ。ステレオとは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右の2本のスピーカーで再生することで演奏をリアルに(立体的に)再現しようとするものだ。しかしながらその左右の2本のスピーカーに差異点があれば、左右で音色が変わったりバランスが狂ったりする。結果、ステレオの再現性が落ちてしまうのだ。

例えば、右のスピーカーから再生されるボーカルの声質と左のスピーカーから再生されるボーカルの声質が異なってしまうと、極端にいえば左右のスピーカーでボーカルが別人と化すわけなので、1人のボーカリストとして音像が立体的に浮かび上がりづらくなる。

であるので、「デッドニング」においても左右で施工内容が異なると、そのような弊害が起こり得る。鳴り方が変わりサウンドの一体感が出にくくなり、ステレオイメージが崩れてくる。ゆえに「デッドニング」では、貼り付ける制振材の形、大きさそして貼る場所は、左右でまったく同一に施工しなくてはならないのだ。

そうするには、以下のように作業を進めると良い。例えばサービスホールを塞ぐための制振材を切り出す際には、紙を用意してそれをサービスホールに当てながら型を取って型紙を作り、その上で2枚の制振材を切り出そう。

なおそのとき、左右の部材は形が対称になっていないとだめだ。なぜなら、右ドアでは向かって左側が車両の前方向となっていて、対して左ドアは向かって右側が車両の前方向だ。なのでサービスホールの形も、右側のドアと左側のドアとでは左右対称の関係となっている。

かくして右ドアで型を取った場合には、右ドア用の部材は型紙を表にして切り出し、左ドア用の部材は型紙を裏返して切り出す。そうすれば、左右対称の関係となる2枚の制振材を切り出せる。

今回は以上だ。次回も「デッドニング」に関する解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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