高音質化を目指した徳永さんのシボレー カマロ。フロントスピーカーにはダイヤトーンのDS-SA1000をチョイスする鉄壁のシステム。愛知県のLEROY（ルロワ）がスピーカーのポテンシャルを存分に引き出す取り付け＆調整を実施した。
ハイエンドなフロントスピーカーを選び
グレード感の高いアウターバッフルを製作
前編では美しく作り込まれたトランクルームを紹介したが、後編の今回はコクピットまわりのインストールを見ていくこととしよう。徳永さんがサウンドの中心として選んだのはダイヤトーンのフラッグシップスピーカーであるDS-SA1000。この超ハイエンドなスピーカーを鳴らし切ることがサウンド面では大きなテーマになっている。
一方のインストール面で見どころとなっているのはドアのアウターバッフルだろう。カマロのドア下部の純正ラインを大きく崩すこと無く、ドアポケットやハンドル部をうまく交わし、限られたスペースでアウターバッフルをデザインしているのが見られる。ドア内張りにある純正ラインとも融合させて違和感なくフィットさせているのはデザインセンスの高さ故だろう。
DS-SA1000のグリル部に用いられているプレミアムワインブラウンと呼ばれる上質なカラーリングもインテリアのグレードに合っている。スピーカーを取り付けることでワンクラス上の内装へとグレードアップすることができるのもオーディオインストールの魅力だということをリアルに感じさせてくれる取り付けだ。
シンプル＆スマートにAピラーを加工
DS-SA1000のツイーターを美しくビルトイン
スピーカーに選んだDS-SA1000はハイエンドモデルらしく、やや大型のツイーターを備えているのも特徴。プレミアムボロンを採用した振動板をドーム＆コーン構造で駆動するという独自メカニズムを持つツイーターだ。取り付けはAピラーへビルトインされる。Aピラーとのサイズ感もぴったりとフィットさせ、ツイーターのサイズ感を感じさせないスマートな取り付けとなっている。
Aピラーは生地を使ったフィニッシュでスマート＆上質に処理され、インテリアデザインの中にインストール部分を融合させることにも成功している。ミッドバス同様にグリル部分に用いられているプレミアムワインブラウンのカラーがインテリアを上質に彩っている点も見逃せない。必要以上に目立つことも無くシンプルな取り付けながらもしっかりとオーディオを主張するという難しい取り付けスタイルを完成させている。
コクピット全体は大きくイメージを変えることなく、ドアのアウターバッフル化、Aピラーの加工で上質にまとめ上げている。オーナーの思い入れも強いカマロの純正内装を尊重しつつ、ダイヤトーンのハイエンドスピーカーを主張させる取り付けとした点も魅力だ。
ダイレクターをオーバーヘッドに
ビルトインするなど細部の作り込みも上質
高音質を求めてハイエンドなユニット群でシステムデザインを構築している徳永さんのシボレー カマロ。コクピットにインストールされているダイヤトーンのDS-SA1000を筆頭に、前編でも紹介した通りブラックス・グラフィックシリーズのパワーアンプGX2400やヘリックスのプロセッサーであるDSP-PRO mk2をシステム。隙の無いユニット構成で、狙い通りのサウンドを引き出している。
サウンドのコントロール面ではDSP-PRO mk2の果たす役割が大きい。フロント2ウェイ＋サブウーファーをコントロールし、バランスの良いサウンドを再現している。操作部＆表示部であるダイレクターはオーバーヘッドにカスタムインストールされているのも見どころ。ダッシュまわりは純正を変更すること無く、ルームミラー上部のスペースを利用してビルトイン。操作性も視認性も良好だ。
思い入れのある愛車に高音質を兼ね備えるためのオーディオを組んだ徳永さん。内装をハイクオリティにデザインして、純正が備えていた上質感を崩すこと無くオーディオをインストール。欲しい機能とデザインをまとめて手に入れることに成功した。
土田康弘｜ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text：土田康弘》