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これが日産の本気!コンパクトカーの概念を覆すノート オーラの真髄を女子編集者と中谷明彦がロングドライブで検証してみた!

自動車試乗記

日産NOTE AURA(オーラ)を女子編集者と中谷明彦がロングドライブで徹底検証全 18 枚写真をすべて見る

日産自動車がe-POWERを搭載し人気の高い「NOTE(ノート)」をベースに、より高級感のある外装やインテリアを備えた「NOTE AURA(オーラ)」を登場させた。今回は、そのNOTE AURAでロングドライブをしたのでインプレションを紹介したい。

近づくとわかる特別な「オーラ」

NOTE AURAのエクステリアはルーフとボディのカラーリングをツートーンで仕上げた特別な配色が設定されている。シャープなサイドフォルムとフレンチスタイルを融合させたお洒落な外装デザインはNOTE譲りだが、近づいていくと特別な“AURA(存在感)”を感じさせられた。それはフェンダー回りを拡幅して全幅が40ミリ拡げられたことでボリューム感が増したためで、見た目にも低重心化が図られている印象を受ける。

その拡幅したフェンダー内には新デザインのアルミホイールが装着されているが、その造形は凝った造り込みとなっている。実は通常のアルミホイールの表面に、より造形の自由度が高く軽量なプラスチックのカバーが装着されていて、デザイン性と空力特性も高めているのだ。

コンパクトカーであることを忘れさせる高級感

ドアをあけ室内に乗り込む。ドアを開けた瞬間から特別にあしらわれたインテリアが目を惹く。座り込むシートは高級感のあるツイード柄と合成皮革でカラーコーディネートされていて、コンパクトカーとは思えないプレミアム感を漂わせている。シートに着座してドアを閉めると、締まり感に重厚さがあり、外界の音が遮断された静かな室内空間が迎え入れてくれるのだ。

これはサイドウィンドウガラスに遮音材をラミネートした合わせガラスを採用している効果でもあり、通常は高級車に使われる技術を採用しているためだ。

ドライバーの眼前には12.3インチのTFTカラー液晶ディスプレー(アドバンスドドライブアシストディスプレイ)が展開される。さらに、その隣には9インチの液晶モニターが並び、ナビゲーションなどの様々なコンテンツを表示し操作できる。視界の中でワイドに展開されるインフォテインメント機能が、よりプレミアムな運転領域へと誘ってくれているようだ。

ダッシュボードに採用されている木目調パネルやステッチが縫い込まれたツイード表皮も高級感が溢れ、コンパクトカーであることをすっかりと忘れさせられてしまいそうだ。

第二世代e-POWERのここに注目

スタート/ストップボタンを押し、システムを起動させる。パワートレインは第二世代へと進化したe-POWERを搭載。発電を掌る1.2リッター3気筒ガソリンエンジンは、ベースは従来モデルと同様だが、駆動用モーターは18%もの出力アップが果たされ最大出力は100kw(136PS)を3183~8500rpmで発揮させられるようになった。また最大トルクも300Nm/0~3183rpmとなり、パワーウェイトレシオではEVで上級カテゴリーの日産リーフを上回っている。

今回試乗するモデルはリアアクスルにも50kw(68PS)/4775rpm、100Nm/0~4775rpmのパワースペックを持つ駆動用モーターが搭載された待望の4WDモデルである。4WDは車両重量が110kgほど重くなるが、雪道など低ミュー路での発進加速性はもちろん、制動時の回生、旋回時の駆動力配分など様々な走行シーンでより有利な特性を引き出せるようにしている。

静かで上質な乗り心地はまるで上級セダンに匹敵するレベル

早速走り出してモードの違いを確かめてみた。エコモードではアクセルのオン/オフ操作に対し、緩やかな加速と最大0.15Gとやや強めの減速Gが引き出され、しっかりと回生させ電費を向上させる。スポーツを選択すると、同じアクセル開度でも加速度を向上させ、エンジンの回転も高めてフルパワーを引き出しやすくしている。

アクセルを戻せばエコモード同様の減速Gが得られ、アクセルだけのワンペダルによる走行が行いやすい。完全停止はしないので最後はブレーキペダルを踏み込んで止める必要があるが、ワインディングなどをハイペースで走行するにはキビキビとしたスポーツカーのような加・減速が引き出せるのだった。

ノーマルモードでは加速Gは中間的になり、減速Gもガソリンエンジン車のエンジンブレーキ程度の効きとなり、ガソリン車から乗り換えても違和感を感じない乗り味だ。ワンペダルに慣れるまでノーマルモードを使うと扱いやすい。

高速道路では遮音性の高さが際立った。自らの走行ノイズやエンジン音を高レベルで遮音し、また外界からの遮音にも優れるため、同乗者との会話も普通に行える。何より4WDによる直進安定性の高さと安心感、静かな室内空間による上質な乗り心地を手に入れていると言えるのだ。さらにシートの肉厚や構造を日産の上級セダンである「SKYLINE(スカイライン)」や「FUGA(フーガ)」と同等とすることで座り心地自体が優れるシートが、表皮素材に高級感とともに、上質な乗り心地を演出する重要な役目を果たしているのだった。

「もっと乗っていたい」と思わせるプレミアな存在感

試乗車には「BOSE(ボーズ)」社が手がけた専用のオーディオシステムが備わり、特に左右の前席ヘッドレストに仕込まれたスピーカーが臨場感と透き通ったサウンドを車内に響かせ、NOTE AURAの室内を極めて特別で快適な空間へと変貌させる一助となっていた。

長距離を走り終え、一番感じたのはドライバーの疲労が少ないことだった。アクセル操作だけで意のままに加減速でき、高速道路ではプロパイロットがドライバーの負担を大幅に軽減してくれた。

また座り心地の良いシートに座って、好きな曲を流しながら気持ちよくドライブしていると、あっという間に目的地に到着してしまう。プレミアムカーが持っている「もっと乗っていたい」と思わせる特別な空間と走りを、NOTE AURAも身につけていたということだ。

日産 NOTE AURA の詳細はこちら

中谷明彦|レース&テストドライバー/自動車関連コンサルタント
大学在学中よりレーサー/モータージャーナリストとして活動。1988年全日本F3選手権覇者となるなど国内外で活躍。1997年よりドライビング理論研究会「中谷塾」を開設、2009年より東京大学と自動車新技術の共同研究に取組む。自動車関連の開発、イベント運営など様々な分野でのコンサルタントも行っている。

《text:中谷明彦》

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