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交換したスピーカーの性能をさらに引き出せる!?「外部パワーアンプ」、貴方ならどう使う? Part2 ベーシックな活用術を伝授!

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市販「外部パワーアンプ」の一例(シンフォニ/クワトロリゴ・プレシジョンワン)。全 7 枚写真をすべて見る

もしも愛車のサウンドシステムを“本格化”させたいと思うのなら、「外部パワーアンプ」が頼りになる。当特集では、これが必要となる理由から、実践的な活用法までを解説しようと試みている。今回は、ベーシックな活用法を紹介していく。

愛用の「メインユニット」に「外部音声出力端子」が備わっていれば、それを活用!

クルマの中で良い音を楽しみたいと思ったときには、「スピーカー交換」の実行が有効だ。音の出口であるスピーカーのクオリティが上がれば、出音のクオリティもそれに応じて向上するからだ。なお、その交換したスピーカーの性能をさらに引き出す方法がいくつかある。その1つとしてお薦めなのが、「外部パワーアンプ」の導入だ。そうすることでスピーカーのドライブ能力が上がり、もう1ランク上のサウンドを楽しめるようになるからだ。

さて、今回からはその実践方法を解説していく。最初に、もっともベーシックな「外部パワーアンプシステム」の構築法を紹介する。もっともベーシックな「外部パワーアンプシステム」とは、「スピーカー交換」をしただけの状態に「外部パワーアンプ」を足す、というものだ。

なおこれを実践するにあたっては、使用しているメインユニットのタイプによって「外部パワーアンプ」の接続方法が変わってくる。まず、愛用のメインユニットが市販モデルの場合には…。

そうであれば、一旦愛用のメインユニットの取説を見てほしい。そして愛機に「外部音声出力端子」が備わっているか否かを確認しよう。もしもそれが備わっていればしめたものだ。その端子を活用することで「外部パワーアンプ」をスムーズに接続できる。当端子と「外部パワーアンプ」の入力端子とを「ラインケーブル」で接続すれば、接続を完了できるのだ。

ちなみに市販の2DINや1DINのメインユニットやディスプレイオーディオでは、「外部音声出力端子」の装備率が高い。しかし「AV一体型ナビ」の中には一部これが備わっていない機種もある。また、愛機が純正メインユニットである場合には、「外部音声出力端子」が備わっていない場合の方が多くなる。さて、そのような場合にはどうすれば良いのかというと…。

市販「外部パワーアンプ」の一例(プラグ アンド プレイ・PLUG&PLAY POWER)。

「外部音声出力」が装備されていないメインユニットでも、接続可能!

そうであっても心配はご無用だ。なぜなら昨今の「外部パワーアンプ」は、そのようなケースも想定して設計されている場合がほとんどだからだ。結果多くの機種が、「ハイレベルインプット」という入力端子を備えている。配線作業は多少手間がかかるが、これを活用すれば「外部音声出力」を持たないメインユニットとの接続が可能となる。

で、「ハイレベルインプット」とは、メインユニットの内蔵パワーアンプで増幅された後の信号、つまり「スピーカー出力」を入力するためのものだ。そこから「スピーカー出力」を取り込めば、「外部パワーアンプ」内でその信号を一旦微弱な状態に戻せる。そうした上で、その「外部パワーアンプ」の能力を活用して良好なコンディションで音楽信号の増幅が行える、というわけなのだ。

そして「外部パワーアンプ」からスピーカーへの配線は、以下のように実行される。例えば使用しているスピーカーが「セパレート2ウェイ」であった場合には、スピーカーに付属している「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」を使っているので、「外部パワーアンプ」のLch出力を左スピーカー用の「パッシブ」の入力端子に接続し、Rch出力を右スピーカー用の「パッシブ」の入力端子に接続する。こうすれば、「フロント2ウェイスピーカー」を「外部パワーアンプ」で鳴らすシステムを完成できる。

続いては、どのような「外部パワーアンプ」を使用すれば良いのかについて説明していく。最終的には予算に応じてその中で購入可能なモデルの中から音的に気に入ったモデルを選べば良いのだが、1点、選択する前に見極めなければならないポイントがある。それは「ch数」だ。

市販「外部パワーアンプ」の一例(モレル・MPS 4400)。

より低予算で「外部パワーアンプ」を導入しようと思ったら、「2chタイプ」が有利!

選択肢は主には2つある。1つは「2chタイプ」で、もう1つは「4chタイプ」だ。上記のとおり、ベーシックな「外部パワーアンプシステム」を構築するには、「外部パワーアンプ」は最低2chが確保されていればOKなので、2ch以上が備わっているモデルであれば使用可能だ。

もしも低予算で「外部パワーアンプシステム」を完成させたいと思うなら、「2chパワーアンプ」が候補となる。「外部パワーアンプ」は基本的に、1ch増えるごとに必要なパーツ数が倍増していく。1chごとで回路が形成されているからだ。なので「2chモデル」に対して「4chモデル」では、ざっくり倍のパーツが必要となる。結果、同様の性能である場合には「4chモデル」は「2chモデル」に対して概ね倍のコストがかかる。ゆえに、「2chタイプ」の方がよりリーズナブルな価格で手にできるのだ。

あるいは、より上等な「外部パワーアンプ」を得たいと考えたときにも、「2chタイプ」はアドバンテージを発揮する。もしも10万円の予算があったとしてその予算をすべて注ぎ込む場合には、「2chパワーアンプ」を選んだ方がより高性能なモデルを手にできる。10万円の「2chパワーアンプ」と同額の「4chパワーアンプ」とでは、1chあたりにかかるコストが倍違う。前者では1chあたりのコストは5万円だが、後者では2万5000円という計算になる。この差は当然ながら、性能にも反映される。

しかし後々のシステム発展も視野に入れるなら、「4chパワーアンプ」が有利だ。「4chパワーアンプ」なら、フロントスピーカーのみならずリアスピーカーも「外部パワーアンプ」で鳴らせる。そして後に「サブウーファー」を足したときにはそれをドライブすることも可能となる。さらには、より高度なシステム構築も行える。

今回は以上だ。次回は、「4chパワーアンプ」を用いた高度なシステム構築法について詳しく解説する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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