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【日産 ノートオーラ 新型試乗】ステアリングの感覚は“あるクルマ”を連想する…九島辰也

自動車試乗記

日産 ノートオーラ 4WD全 12 枚写真をすべて見る

運動神経の良さはヨーロピアンテイスト

日産のコンパクトカーの走りがよくなっている。剛性の高いプラットフォームを手に入れサスペンション設定の自由度を高めスタビリティを上げたからだ。その要因はルノーとのハードウェアの共有にある。具体的には『ノート』と『ルーテシア』。この2台はカテゴリー的にはコンペティターではあるが兄弟車でもある。

ということで、新型『ノートオーラ』の走りはかなり仕上がっていた。試乗したのはクローズドのテストコースということでいろいろと試したが、終始気持ちのいい走りを見せた。具体的にはステアリングレスポンスがいい。操作に対してのボディの追従とサスペンションの粘りが見た目以上にスポーティだ。キビキビした運動神経の良さはヨーロピアンテイストである。

ステアリングの握り具合もそうなので、試乗後に開発者に問うと、おもしろい話が聞けた。同カテゴリーのドイツ車のステアリングを分解し、それをヒントにしたという。もし読者の中で試乗する機会のある方は“10時10分”の少し下あたりを握ってみるといいだろう。手のひらに収まる部分の感覚は“あるクルマ”を連想させるかもしれない。

「プレミアム」のための進化

走りの良さはノートより広がったワイド(車幅)も関係する。オーラは5ナンバーの枠組みにとらわれずにつくられた。前後ワイドフェンダーになったことで、操縦安定性が上がったのは容易に想像できる。

そんなことができたのはこのクルマをプレミアムなポジションに置くためだ。デザインは洗練され、ノートの延長線上であっても違いは感じられる。ヘッドライトユニットはかなり先進性が高い。


インテリアもそう。メータークラスター全面に12.3インチのモニターが埋め込まれた。国内で販売される日産車では第一号となる装備だ。また、ダッシュボード上部のファブリックやアクセントとなるウッドパネルも上質感を漂わせる。ウッドはもちろんフェイクだが、かなり手の込んだ仕上がりをしている。プレミアムを明言する開発陣の本気が伺えるほどだ。

シフトレバーが小さいのはトレンドだろう。最近のヨーロッパ車でもその傾向は強い。

意外なほどおもしろくて侮れない


パワーソースは言わずもがなのe-POWERで、3気筒ユニットとモーターはノートに準じる。それを出力調整したのがオーラだ。アップされた出力(最高出力136ps、最大トルク300Nm)で不満のない走りを得た。シフトを“D”から“S”に変えるとスポーティさが増し、一層楽しく走れる。

個人的にはリアモーターを持つ4WDが気に入った。加減速のメリハリもそうだし、コーナリングの安定性も高まる。調子に乗ってけっこうアクセルを踏み込むと想定以上に加速する。

というのが、今回のファーストインプレッションである。テストコースということで少々荒い運転になってしまったが、きっと次回は一般道での試乗となるであろう。その時は低速での乗り心地や扱いやすさがチェックポイントになる。いずれにせよ、意外なほどおもしろくて侮れないクルマであることは間違いない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《text:九島辰也》

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