ダイヤトーンのフロント2ウェイのスピーカーをナビの内蔵アンプでドライブするシンプルなシステムを組んだ松居さんのWRX。時間が経ち、もの足りなさを感じ始めたのは低音だった。茨城県のSOUND WAVEに相談してサブウーファーの追加を計画することになった。
シンプルシステムの音質面には満足しつつ
低音のもの足りなさを感じサブウーファー追加
もともとハイエンドなオーディシステムを組んでいた松居さん。いったん本格的なオーディオの趣味からは離れていたが、WRXに乗り始めたのを機会にかつての高音質さが忘れられずに本格オーディオに回帰したリターンユーザーだ。復帰するにあたってテーマに掲げたのは“ヘビーになりすぎないシステム”だった。そのため前編でもお伝えしたとおり、ダイヤトーンの2ウェイスピーカーであるDS-G500をチョイスしつつも、ミッドバスはドアへのインナー取り付けとするなど比較的シンプルな取り付けを心がけた。またダイヤトーン・サウンドナビを用いて内蔵アンプでドライブするなど、システム的にもシンプルさを堅持。もちろん高音質を手に入れて満足感は高い結果となった。
「当初のシステムでサウンド的にも満足して1年程度は楽しんでいたんです。思った通りの高音質で不満はなかったんですが、聴き込んでいくうちにわずかに低音がもの足りなさを感じ始めました。1年間存分に楽しんだのでそろそろシステムアップしても良いかなと考えて、サブウーファーの追加を決意しました」
サブウーファーに選んだのはフロントスピーカーと合わせてダイヤトーンブランドのSW-G50。ドライブするパワーアンプにはシート下にも設置できるコンパクト設計のモスコニ・グラデンD2 500.1をチョイス。ここでもシンプルなシステムを徹底して追求。ただしサウンド面での妥協はせずインストールにはこだわった。
「なるべくシンプルなシステムを考えたんですが、エンクロージャーはきっちりと組んでもらうことにしました。せっかく取り付けるならサブウーファーの能力をフルに発揮したいと思ったんです」
低音の増強のみならずキレのある低域で
音楽を聴く気持ちよさが一気に倍増していく
きっりちと容量を確保したエンクロージャーを組んだSW-G50はオーナーが想像した以上の良い働きをしてくれたという。
「フロントのみの以前のシステムに対して、サブウーファーを追加した上体で音を聴いたら、低音の量感のアップはもちろんですが、キレの良い低音がすごく心地良いんです。すぱっと切れる低音は想像以上でした。気持ちの良い音に仕上がりました」
打ち込み系の曲などを聴くとその傾向はさらに顕著になったという。それまではあまり聴かなかったジャンルの曲を積極的に聴き出したのもサブウーファーの追加がひとつのきっかけになったという。心地良い低音や、キレのあるベースサウンドを堪能するために音源を探すこともあるとか。
「普段から曲はすべてiPod touchに収録して管理しているんですが、サブウーファーを追加してからはどんどん聴くジャンルが増えた感じですね。それまで聴かなかったジャンルなんかもライブラリーに追加していってます。例えばアラン・ウォーカーなんかもその頃から良く聴くようになったアーティストです。やっぱり低音の充実は音楽にはすごく大切だってことがよく分かりました」
高音質化を狙って、アウターバッフルなど
次なるオーディオのグレードアップも狙い中
オーディオシステムをグレードアップしている中で、音源探しもオーナーの重要な楽しみのひとつになっている。
「自分流の音源の探し方はYouTubeで聴いてだいたいの曲の雰囲気に目星を付けています。次に録音の良さそうな曲を選び出しておきます。その上で最後は選び抜いた曲をダウンロードしてライブラリーに保存しています。通勤から車内までを一台のiPod touchを使っているので曲の管理はすごくシンプルです。車内ではサウンドナビにUSB接続して使っています」
休日には愛車のWRXに乗ってロングドライブに出かけることも多い。
「海岸沿いを流したりお気に入りのドライブルートもあります。またロングドライブに出かけることも多いです。関西の実家への帰省もクルマで行きますしね。そんなドライブの最中に音の良いオーディオは本当に必須だと感じています。オーディオの音が良くなってからはますますドライブが楽しくなっているのを実感します」
シンプルでライトなシステムでオーディオを再開したオーナー。サブウーファーの追加で勢い付いた面もあり、今後はドアのアウターバッフル化などにも興味がわいてきているとか。
「録音の良い曲を聴いていると特に強く感じます。スピーカーのポテンシャルをフルに発揮してもっと良い音を楽しみたいと思っているんです。これも今後の課題にしています」
マイペースでシステムアップを続け、高音質を探求し続けるオーナー。狙い定めたシステムアップをピンポイントで進めるという効率の良い作戦を実践中。あくまでもヘビーになりすぎないシステムをキープする独自のスタンスでオーディオを楽しみ中だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》