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パワードサブウーファーは、どう付ける? プロに訊いてみた! カーオーディオ・ユニットの“取り付け”にまつわる疑問を、すべて解決! Part6

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パワードサブウーファーの一例(ケンウッド・KSC-SW30)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムの音を良くしたい、そう考えたときに気になるのは“取り付け工賃”ではないだろうか。当特集は、そこのところをクリアにするべく、毎回プロに話を訊きその内容をリポートしている。今回は、“パワードサブウーファー”について解説していく。

取材に協力してくれたのは、東京都日の出町の実力店、“モービルサウンドテクノロジー”だ。同店代表の小川さんに、パワードサブウーファーの取り付け作業の内容を詳しく訊いた。さて、その話の中身とは…。

コストを抑えるやり方も、音にこだわるやり方も、どちらも可能!

パワードサブウーファーとは、ドアに装着するスピーカーでは再生し切れない超低音を鳴らせるアイテムだ。これを導入することで音楽の迫力や臨場感が倍増する。そしてパワードタイプなら、サブウーファーユニット、ボックス、パワーアンプが一体化しているので導入のハードルが低い。中でも小型・薄型モデルを選べば、シート下に取り付けられるのでインストールスペースも取りにくい。

さて、この取り付けをカーオーディオ・プロショップはどのように実行しているのだろうか。“モービルサウンドテクノロジー”の小川さんは、こう教えてくれた。

「行うべき作業は、主には3つあります。電源配線、信号配線、本体の固定、この3つです。なおその具体的な作業内容は、取り付けるモデル、クルマの状況、そしてお客様のご要望でさまざま変化します。特に、ご要望によってアプローチが大きく変わります。コストがかからないことを優先されたい場合と音を重視されたい場合とで、やるべきことが異なるんです。ご要望に沿ったご提案をして、その上で作業内容をお決めいただいています。

取り付け費用の目安は当店の場合、もっとも簡単に取り付けたときで1万5000円(税別)くらいです。これに製品代と配線用の部材代が加わります。なお配線用の部材が同梱されているモデルもありますので、コストを抑えたい場合にはそのようなモデルをお選びいただくと良いと思います。

ところで電源配線は、できることなら“バッ直”という方法をお選びいただきたいですね。“バッ直”とは、プラス電源をメインバッテリーから直接引き込む配線方法です。この方法が前提となっているモデルも多いのですが、電源はメインユニット裏から取ればOKというモデルも少なくありません。そうであれば必ずしも“バッ直”を行わなくても良いのですが、お薦めはやはり“バッ直”です」

パワードサブウーファーの一例(DLS・ACW10)。

“バッ直”を実行すると音に効く! さらには安全面でもメリットが大!

「“バッ直”をお薦めする理由は以下のとおりです。まず、音に効きます。超低音をスムーズに鳴らすためには電力を安定的に確保できるかどうかが鍵になります。低い音を鳴らすのには特に電力が必要となるからです。でも“バッ直”をしておけば、他の電装品の影響が減り電力不足に陥りにくくなり、超低音をしっかり鳴らせます。

そして、クルマの機能面や安全面でも有益です。メインユニット裏からプラス電源を引く場合には、他の電装品もまたパワードサブウーファーの影響を受けて、それらの作動状況に少なからず影響が出てきます。また、共有する電源ケーブルに想定以上の電力が流れることになれば、ケーブルがそれに耐えられず溶け出したり。このような事故も起こり得ます。

メインユニット裏から電源を取って良いとされているモデルならそのような事故は起きないはずですが、“バッ直”をしておけば一層安心感が高まります。

ところで、“バッ直”を行う場合にはプラスαの作業のご提案をさせていただくことも多いです。例えば、メインユニットの電源強化を同時に行うのもアリだと思います。せっかく“バッ直”をするのですから、その配線をメインユニットとも共有すれば、メインユニットの作動環境も良化しますし器機間の電位差もなくなりますので、システム全体の音質向上が果たせます。後から作業を追加するよりもトータルの工賃を節約できますし。

音にこだわりを持たれる方には特に、状況に応じた音質向上策のご提案もできるかぎり行っています。そういったところからもプロショップのバリューを感じていただけたら嬉しいですね」

パワードサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-WX400DA)。

状況に応じて手間が異なる。見積もりを取ってから判断すベシ!

「“バッ直”を行う費用の目安ですが、当店の場合は8000円から1万円(税別)くらいを基本としています。ただし車種によって状況が異なりますので、もう少しいただくこともあり得ます。あらかじめ見積もりをお出ししますので、それを見てご判断いただくようにしています」

続いては、信号配線についても教えてもらった。

「メインユニットにサブウーファー出力が備わっている場合には、信号配線は基本工賃の中で行えます。しかしそれが備わっていない場合にはどこかでスピーカーケーブルをカットしてその信号を分岐させて入力することになりますので、その分の工賃が発生します。

とはいえ、配線をカットして端子を付けケーブルを増設する作業自体は難しくはありませんので、それによる費用のプラス分は少ないです。しかし、信号を分岐させる場所の見極め作業に手間がかかることがあり、そうであるとその分の工賃が発生します。最近のクルマはさまざまな部分でコンピューター制御されていて、その信号線とスピーカーケーブルとの区別がつきにくくなっています。それを解析するための作業に手間がかかる場合があるんです。

あと、本体の固定の仕方もさまざまあります。もっとも簡単な方法は、シート下のカーペットに強力な面ファスナー(いわゆるマジックテープ)を使って固定するというものですが、安全性や音質性能のことを考えるなら下に1枚ボードを敷いた方が良いです。シート下にエアコンの吹き出し口がある場合には、それとの干渉も考慮したいですし。このあたりについても、お客様のご要望をお聞きして適切なやり方をご提案しています。

お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。低音強化はもちろん、スピーカー交換から車内静音化まで、さまざまなご要望にお応えいたします。お待ちしています」

《text:太田祥三》

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