トヨタ『GR 86』/スバル『BRZ』のファンイベント「FUJI 86 STYLE with BRZ 2021」(6月6日に富士スピードウェイで開催)に、開発中のパーツ群を大量に装備したGR 86コンセプトをお披露目したブリッツ。注目のエアロパーツに加えて各パーツ群の完成度は高く多くの観客を引きつけた。
GR86の印象的なフロントダクトを変更
ブリッツならではの個性派フェイスを作る
中でも一番の注目アイテムとなったのはエアロパーツのAERO SPEED R-Conceptだ。早くもフロント、サイド、リアの各エアロに加え、前後のオーバーフェンダーやリアウイング、GTウイングのプロトタイプを装着して登場、その完成度の高さや斬新なデザイン性、さらには確かな機能性は多くの来場者の注目を浴びていた。
印象的なのはフロントバンパーだ。GR86のアイコンにもなっている逆L字型のダクトを大胆にもモディファイ。ダクト部分を上下に分割するように横ピラーを設けたデザインを投入したのだ。これでGR86の印象は一変、デビュー前からどこにもないGR86を表現したのは同社の“攻めのデザイン”と言えるだろう。
しかもロワダクトはしっかりと貫通し(プロトタイプはブラックアウトのみだが製品では貫通する)エアインテークとしての役割もしっかり発揮。アッパー側のダクトにはラインLEDを配してダクトのアウトラインを強調するドレスアップ手法も投入する。
さらにフェイスで注目なのはフード前縁部分。エンブレムレスにしたこの部分は純正のフォルムから盛り上げてデザインされているのが見て取れる。ボンネット前部のボリューム感を持たせることでフェイスの存在感を強調。印象的なノーズを持たせることで欧州スポーツを思わせるフェイスデザインを見せつけていた。
オーバーフェンダーで流麗なフォルムを作り
同時にホイールチョイスの自由度もアップさせる
一方のリアのオーバーフェンダーも同じく9mmワイド。ストックのデザインは後方でボディをギュッと絞り込んだフォルムとなっているが、このオーバーフェンダーは後方にボリュームを持たせてワイド感を強調するのが狙い。フロントと合わせてラインの美しさも際立つオーバーフェンダーはGR 86をドレスアップするには欠かせないアイテムとなりそうだ。
そんなオーバーフェンダーはGR 86では別の視点からも必須のアイテムとなりそう。その理由は先代の86に対してGR 86は約5mmワイドトレッド化されているのだ。ボディがほぼ同サイズなのでホイールのインセットは当然厳しくなる。そこでオーバーフェンダーを装着することでホイールセレクトの幅を広げるのもGR86のカスタマイズでは見逃せない要素となりそう。ちなみにブリッツのGR86コンセプトは18インチ×9.5J IN43のENKEI Racing Revolution RS05RRを履きこなしていた。
リアを見るとセンター部分を後方に向かってラウンドして盛り上げた造形が特徴的なバンパーがデザインされる。ノーマルから大きくサイズを変えることなく、メリハリを付けることでボリューム感を演出するのが狙い。下部には4本マフラーとコンビネーションが美しいディフューザー形状も備える。
トランク上部には純正のダックテール形状のウイングよりも、さらに小振りなリアウイングをデザイン。あえて小振りなデザインとすることでシンプルなリアビューを作ることを狙ったという。
ロゴをパンチング処理したステアリングなど
小技の利いた内装アイテム群までをラインアップ
また足回りにはDAMPER ZZ-R SpecDSC PLUSをすでに装備していた。単筒式ダンパーに加えて全長調整式の車高調といったフルスペックの仕様に加え、減衰調整モーターを備えたフルオートのシステムも高い評価を受ける同モデル。走りを意識したGR86のもっとスポーティで快適にする足回りを演出してくれる。加えて前後のタワーバー、さらにはビッグキャリパーを備えたブレーキシステムもラインアップ。シャシー剛性をアップし、ハンドリングの良さをレベルアップしたGR 86ならではの走りの良さを一層引き出す足回りパーツの充実にも注目したい。
さらにブリッツではインテリアのドレスアップパーツも早くも開発最終段階を迎えている。ステアリングはブリッツのロゴをパンチング処理した個性的なモデルを用意。さらにサイドブレーキレバーにはアルマイト処理を施したパーツが開発された。シフトノブもオリジナルを投入、先代モデルからも人気となっているグローブボックス部分にビルトイン取り付けできる3連メーターパネルも、インテリアをレーシーに盛り上げるのに一役買うアイテムとなりそうだ。
エアロパーツから吸排気、足回り、内装パーツまで、トータルでGR 86をコーディネートするパーツ群を一挙に開発しているブリッツ。デモカーの完成度を見ているとGR 86のデビューが待ち遠しくなるばかりだ。
《text:土田康弘》