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【ホンダ N-ONE 新型試乗】割高だが、5ドアハッチの軽で「最も楽しい」…渡辺陽一郎

自動車試乗記

ホンダ N-ONE RS全 11 枚写真をすべて見る

外観は先代型と共通、内装はワイド感強調

『N-ONE』のエンジンやプラットフォームは、現行『N-BOX』などと同じタイプに刷新されたが、外装は先代型からほとんど変わらない。開発者は以下のように説明した。

「N-ONEは、新旧モデルともに(1967年に発売された軽自動車の)N360をモチーフにデザインされている。新型の開発では異なる外観も検討したが、N-ONEらしさが薄れてしまった。そこで最終的に先代型と同じデザインに落ち着いた」。


N360という共通のモチーフがあると、先代型に未熟な部分がない限り、外観に変化を付けるのは難しい。そこでコスト低減も視野に入れて、外観を先代型と共通化したが、インパネなどの内装は異なる。ワイド感が強調された。

前席は先代型は幅の広いベンチ形状で、新型はセパレートタイプだ。先代型の座り心地は柔軟で快適だったが、新型はシートの幅が狭く感じられて、リラックス感覚は削がれた。その代わりサポート性は向上して、着座姿勢も乱れにくい。

クルマ好きのユーザーが軽自動車を選ぶなら


グレードは複数の種類を用意するが、最もN-ONEらしいのはターボエンジンの「RS」だ。RSには『S660』と同タイプの6速MTも用意され、操作した時の手応えが良い。ターボは2000回転以下では駆動力が下がるが、それ以上なら過給効果が感じられ、3000~5000回転付近では余裕のある動力性能を発揮する。

走行安定性は良好で、下り坂のカーブでブレーキを作動させても、後輪の接地性を損ないにくい。峠道では少し曲がりにくい印象を受けるが、走りのバランスは良い。乗り心地は低速域では少し硬いが、粗さを抑えて不満はない。

N-ONEは5ドアハッチバックの軽自動車としては、運転感覚が上質で最も楽しい。価格は割高で、RSは2WDでも199万9800円に達するが、クルマ好きのユーザーが軽自動車を選ぶ時には購入の候補に挙げられるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《text:渡辺陽一郎》

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