純正オーディオの音をどうにかしたくて大阪府のEASTに駆け込んだ松室さん。スピーカー交換やパワーアンプ、DSPの導入で一気に音を改善した。加えて車内でのスマホの使い勝手を良くする独自の工夫を込めて、純正システムとの融合を図ったのにも注目だ。
ノーマルとのサウンドの違いは歴然
奥さまも認めた音の良さを体感する毎日
BMWに装着されていた純正オーディオの音がどうしても気に入らず、久々に愛車のオーディオグレードアップを開始した松室さん。選んだのはカロッツエリアの最新スピーカーであるTS-Z900PRS。DEH-P01のパワーアンプやDSPを組み合わせたシステムをプランして取り付けを実施。完成した愛車を聴いた時にはその音の改善ぶりに大満足することになる。
「もともと、純正の音がかなり悪かったので、その差は歴然でした。いきなりの良い音に満足しました。センター定位の確かさもぴたーっと決まっててすごく気持ち良い音に仕上がっています」
オーディオが完成して音の変化に満足したオーナーは、すぐさま奥さまにもその音を披露することにした。
「オーディオをグレードアップして帰宅したら、すぐに二人でクルマで出かけました。すると奥さんが“スピーカーを換えたらこんなに音が良くなるんだ!”と反応してくれたのが嬉しかったです」
もちろんオーナー自身もシステムアップ後にはいろいろな変化を感じているという。そのひとつが音数の違いだ。
「今まで聴いていた曲をこのシステムで聴くと全然違うんです。“この曲にこんな音が入っていたのか!”と新しい発見をすることが多いです。それだけ音の再現性が正確なんだと思います。今回のシステムアップには本当に満足しています」
スマホのデュアルオーディオ機能を使い
純正システムとの接続と音声信号出力を両立
お気に入りのシステムを導入して満足しているオーナーだが、自分でも愛車の使い勝手をグレードアップする工夫を込めている。それがスマホと純正オーディオとの連携だ。
「純正のヘッドユニットはそのまま使った上で、接続したスマホをコントロールできないかといろいろ調べたんです。すると純正オーディオとスマホをブルートゥースで接続して、同時にDSP MINIに対して音声出力する方法としてデュアルオーディオと呼ばれる機能を使えば可能になることを見つけたんです。しかし、なかなかこの機能が使えるスマホがありませんでしたが、やっと見つけたのが、今使っているギャラクシーでした」
純正オーディオでスマホを認識させて、純正の操作系でコントロール。音声信号はより高音質に伝達するためにダイレクトでDSP MINIに接続するというシステムを完成させた。純正オーディオがスマホを認識しているため、純正モニターや操作部などを使って操作が可能となり、オーナーもお気に入りのユーザーインターフェイスを完成させた。
「スマホを主な音源に使っているのでこのシステムはすごく重宝しています。一般的なスマホだとどちらか一方の接続は切れてしまうんですが、これだと常に両方につながった状態で運用できますから本当に便利。最初はまったく知識は無かったんですが、どうにかならないものかと思ってWebで情報を調べたのが良かったです」
システムアップによる音質アップによって
お気に入りの音楽ジャンルもどんどん拡大中
オーナーがオーディオのグレードアップ後に実施したもうひとつのこだわりがアクティブサウンドデザイン(ASD)のカットだった。BMWに搭載されているこの機能はマフラーやエンジン音を擬似的にスピーカーから鳴らす機能だが、オーディオのシステムアップとの相性があまり良くなったようだ。
「スピーカーを交換してDSPで調整をした後にドライブしてみたところ、アクティブサウンドデザインで再現されるマフラーの音がゲームのようなチープな音になってしまったんです。なんとかしたいなーと思ってショップに相談したところ、コーディングでカットできることを知ってすぐに実施してもらいました」
こうして徐々に自分の気に入ったサウンドや使い勝手の良いシステムを完成させたオーナー、今では車内で音楽を楽しむのが趣味の中心になっている。
「最近はクラシックからオールディーズまで幅広く聴いています。サブスクで音楽を楽しむようになってどんどん曲の幅が広がりました。クラシックの魔王なんかも良く聴くんですが、今のシステムで聴くと本当に魔王が襲いかかってくるような感じがするんですよ。音楽の楽しみ方がぐっと広がった気がします」
こうしてオーディオ・インストールの効果を日々体感しているオーナー。現在は外部アンプのグレードアップを計画中だ。
「今のシステムだと小音量にしたときに少しもの足りないんです。それで外部アンプを強化すればもっと音にメリハリを出せると考えて、次の変更を計画しているところです」
好みのサウンドを追求して、愛車を好みの方向にレベルアップしているオーナー。シンプルでライトなシステムはある程度キープしつつ、狙ったサウンドを引き出す次の進化を計画中だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》