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【カーオーディオ】「メインユニット交換」の薦め。自分でできる!? メリットと取り付け方を解説!

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「AV一体型ナビ」の取り付け例。全 5 枚写真をすべて見る

クルマの中で音楽を楽しもうとするときの必需品である「カーオーディオ・メインユニット」。もしもその使い心地に不満を感じているのなら、交換を検討してみてはいかがだろうか。当記事では、交換することの利点から取り付け方法までを、多角的に解説していく。

目次

  1. メインユニットを交換して得られるメリットとは?
  2. そもそもメインユニット交換って、自分でできるの?
  3. メインユニット交換を自分で行う場合のコツとは?
  4. プロに任せれば安心!
  5. まとめ

カーオーディオ・メインユニットを交換して得られるメリットとは?

カーオーディオ・メインユニットって何?

はじめに、カーオーディオ・メインユニットとは何なのかをおさらいしておきたい。これはつまり、カーオーディオシステムの中心を担う装置だ。

ちなみにタイプ違いがさまざまある。形態違いで分けると以下の5つとなる。ナビ機能とパワーアンプ、そしてプロセッサー機能(極簡単な内容のものから超多機能なものまで幅が広い)までを有する「AV一体型ナビ」、そこからナビ機能と地デジチューナーが省かれた「ディスプレイオーディオ」、さらにモニターも省かれた「2DINメインユニット」「1DINメインユニット」、そして音楽再生に徹する「ソースユニット」、以上の5つだ。

ところで、「AV一体型ナビ」とその他を別ジャンルのアイテムと捉えられることもあるが、どちらもカーオーディオシステムにおいての核となるユニットであることにはかわりがないので、当サイトでは両方を「カーオーディオ・メインユニット」として扱っている。

カーオーディオ・メインユニットを交換すると“地図”が新しくなる!

さて、購入してから年数が経っているメインユニットを最新モデルへと交換することで得られるメリットとは何なのかと言うと…。まず使用機が「AV一体型ナビ」であるならば、「地図が新しくなること」が第一のメリットだ。

「AV一体型ナビ」には3年間の無料地図更新が付いている場合も多いが、その期間を過ぎた後は地図データを入れ換えないドライバーは案外多い。地図データ更新は意外とコストと手間が掛かるので、なんとなくそのままにしてしまう傾向が強めだ。

しかし、道は年々新しくなっている。にもかかわらずナビがそれら新規開通道路の存在を認識していないと、思わぬ回り道をさせられることもある。でも新しいモデルに交換すればそんな目には遭わずにすむ。また、データ上では道のないところを走って常にリルートを促される、なんていう煩わしさを感じる必要もなくなる。ドライブの快適性がグッと高まる。

最新の機種に交換すると、使い勝手が良くなる!

そしてカーオーディオ・メインユニットを最新のモデルに換えると、細かな部分の使い勝手も良くなる。例えば使用中の「AV一体型ナビ」が7、8年くらい前の機種であったりすると、タッチパネルの操作性が今とは大きく異なっている。最新の機種ならフリック操作やピンチイン/アウトといったスマホライクな操作も可能だが、古い機種ではそうはいかないものが多い。

画質の違いも顕著だ。今や“有機EL”が採用されたモデルもあり、太陽光が当たっても視認性が落ちない機種も増えている

新機能も続々と追加されている!

新機能も年々加えられている。「AV一体型ナビ」では、特にエンターテインメント系の機能の充実ぶりが著しい。例えば、ブラウザが搭載されているモデルもあり、そうであるとスマホと接続せずともYouTubeが観られたりする。

また、かつてはBluetoothに対応するのは高級機のみだったが、現在ではベーシックグレードのモデルにも対応が広がっている。これが使えるとスマホ内の音楽をワイヤレス接続で聴け、ハンズフリー通話も行える。

さらには音声認識機能も進化している。例えば一部の機種では「Amazon Alexa」にも対応している。そうであると音声操作で天気予報や最新のニュースが確認できたりもする。

最新のモデルに換えれば、音も良くなる!

そして、新しいモデルに換えると音も良くなる。内蔵パワーアンプの性能がブラッシュアップされていたり音響パーツの見直しがされていることも多く、総じて音質性能のベースアップが果たされている

加えて、音質性能を高めるための新機能の搭載も相次いでいる。例えば圧縮音源の質を高めるための機能であったり、微細なノイズを取り除く機能や、さらには通常の音源をハイレゾ音源並のクオリティにアップコンバートする機能が採用されているモデルもある。

システムの音の良し悪しは出口であるスピーカーに依存すると思われがちだが、音楽信号を読み取りそして増幅する装置であるメインユニットの性能によっても大きく変化する。メインユニットを新しくすることでも、確実に高音質化が果たされる。

そもそもメインユニット交換って、自分でできるの?

「AV一体型ナビ」の取り付け例。

メインユニットを交換できない車種もある!?

基本的に、メインユニット交換はDIYでも行える。しかし、交換できない車種もある。そうであるケースは主には2パターンある。1つは「メインユニットがセンタークラスターパネルと一体化している場合」だ。そうであるとメインユニットだけを取り外すことができない

仮になんとか取り外せたとしても、サイズが市販品のような「DIN規格(国際的な統一規格)」で作られていないので、外したスペースに市販モデルがはまらなかったりスペースが余ったりしてしまう。

そしてもう1つのケースは、「オーディオ以外の機能が割り当てられている場合」だ。例えばエアコンのコントロール機能までが付与されている場合もある。そうであると、交換するとその機能が使えなくなる。

そうではなく、「DIN」サイズのメインユニットが装着されているのなら、交換は可能だと思って良い。

メインユニット交換を自分で行う場合のコツとは?

「ディスプレイオーディオ」の取り付け例。

まずは“バラシ方”を検索!

カーオーディオ・メインユニットの交換を自分で行おうとするときのハードルとなるのは、メインユニット回りのパネル類の取り外し作業(通称“バラシ作業”)だ。クルマいじりを趣味としている人であれば慣れているかもしれないが、初めてやる人にはこれが大きなヤマ場となる。

で、問題となるのは“バラシ方”だ。どのパネルをどのような順番で外せば良いのか、そして各パネルがどのような構造で車両に固定されているのかが、車種によってさまざま異なる。なのでまずは、それらについて調べ上げる必要がある。

調べる方法はいくつかあるが、ネットで検索するのが手っ取り早い。ちなみにカロッツェリアが展開している『カロッツェリア 車種別 JUST FIT』というサイトは参考になるはずだ。またはディーラーに問い合わせてみるのも1つの手だ。

メインユニット交換に必要な工具とは?

必要な工具類も細かくは車種ごとで異なるが、主には以下の工具があると良い。

まずは、プラスとマイナスの「ドライバー」が必須だ。そして「リムーバー」も不可欠だ。これは「内張り外し」または「内張りはがし」とも呼ばれているもので、多くはポリプロピレン等の樹脂やプラスチックでできていてテコの原理でパネルを外せるというシロモノだ。これもサイズ違いが存在しているが、ある程度長めのものの方が使いやすかったりもする。

あとは、「ニッパー」や「圧着ペンチ」があると、配線作業がやりやすくなる。また「ドライバー」等が当たる場所の保護をするための「マスキングテープ」も用意すべきだ。他では外したネジ類がなくならないようにそれらを置いておく「トレイ」があるとさらに良い。

交換作業に必要なパーツとは?

必需品となるパーツが1つある。それは「変換ハーネス」だ。純正のメインユニットは普通、車体側のハーネス(配線)とメインユニットとがカプラーで接続されているのだが、車体側のカブラーは市販メインユニットにはそのまま挿せない。ゆえに、市販メインユニットのハーネスと車体側のカプラーとの間にかませるハーネスが必要となる。それが「変換ハーネス」だ

「変換ハーネス」はいくつかのメーカーから販売されていて、車体メーカーごとで用意されているので、愛車に合う「変換ハーネス」を購入しよう。使用法は以下のとおりだ。「変換ハーネス」のカプラー側を車体側のカプラーに接続し、反対側の配線の1本1本は市販メインユニットのハーネスの1本1本に間違わないように接続していく。

なお、市販メインユニットごとで専用設計となっている「変換ハーネス」も存在している。これを使うと配線作業を簡略化できる。それを望むなら、愛車と交換する市販メインユニットの両方に適合する専用「変換ハーネス」の有無を調べて、見つかればそれを購入し使ってみよう。

取り付けの手順は、ざっとこんな感じ!

メインユニットの交換作業のあらましを、ざっと説明しておこう。車種や機種ごとで異なる点もいろいろとあるが、概ね以下のような手順で行うこととなる。

まずはメインバッテリーのマイナス端子を取り外し(この件についての注意事項は後述する)、メインユニットにアクセスできるように関連するパネル類をすべて取り外す

続いては、メインユニットを取り外す。ちなみにメインユニットは多くの場合ステーで固定されているので、そうであればネジを取り外してステーを外し、さらに本体に装着されているステーのネジも外す。その上でメインユニットを浮かせて背面のカプラー類を取り外す。そうした後に、いよいよメインユニットを完全に引き抜く。

次いで、純正メインユニット本体に装着されていたステーを交換するユニットに移植し、配線作業を実行する。で、メインユニットを固定しこの段階で動作確認をしておこう(一旦メインバッテリーを繋ぐ必要アリ)。そして問題がなければ、外したときと逆の手順でパネル類を戻せば、すべての作業を完了できる。

自分で作業する際の注意点。

まずは先述したとおり、作業前にメインバッテリーのマイナス側の端子を外しておこう。そうすることで、作業中の不慮の事故(主にはショート)を防げる。そして外した端子にウエス等を巻いて絶縁をしておくこともお忘れなきように。

なお車載コンピューターの制御の都合上等で、バッテリーの端子を外す際の注意事項が存在する場合があるので、あらかじめ車両の取説でそのあたりについて確認しておきたい。また、各種プリセットデータがリセットされることもあるので、必要な設定情報はあらかじめメモっておこう。

パネル類を取り外す際の破損にも、十分注意を払いたい。案外大きな力を加えないと外せない場合が多いのだが、隠しネジがすべて外れていないこともある。力を加える局面では、さまざまな可能性を考慮しながら慎重に外していこう

また、配線時にはメインユニットのマイナスアースをしっかり取ることも抜かりなきように。車両側の通電が良さそうな場所に確実にコードを接続しよう。

事故や破損に気を付けながら、自己責任のもと注意深く作業を進めてほしい。

プロに任せれば安心!

ディスプレイオーディオの一例。

プロならバラシ作業もお手のもの♪

カーオーディオ・メインユニットの交換は、慣れない人にとっては結構難易度が高い。特に“バラシ作業”においては、パネル類を破損しかねない。交換工賃を省くためのDIYが、かえって高く付くことにもなりかねない。

なので自信がなかったら、「カーオーディオ・プロショップ」を頼ろう。プロに任せればパネル類の破損を心配する必要がなく、時間の節約にもなる。

なお、持ち込み作業に対応してくれるかどうかはショップごとで異なる。なのでその点については、お店のHPで事前確認したりメールや電話で問い合わせよう。なお、持ち込み作業は交換工賃が高くなるのが一般的だ。製品もショップで購入した方が、選択時にもアドバイスを受けられるしもろもろが安心だ。

プロなら適合外の大画面モデルの取り付けも可能!

「AV一体型ナビ」は、画面が大きくなるほどに装着可能な車種が限られてくる。しかしカーオーディオ・プロショップなら適合車種でなくても換装を実行可能だ。

というのも大画面モデルも基本的に本体サイズは「2DIN」だ。つまり大きいのはモニター部分のみなので、モニターが収まるように周辺パネルを改造すれば、適合車種でなくても取り付けられる。プロショップは周辺パネルの改造も得意だ。

ただし、状況によって手間の掛かり方が変わってくる。大改造を伴う場合も有り得てくる。そうであると工賃的に現実的ではなくなることも少なくない。まずはどの程度の改造で取り付けられるかを相談し、工賃の目安を聞いた上で実行するか否かを判断しよう

プロなら交換不可の車種でも交換できる!

またカーオーディオ・プロショップに仕事を依頼すれば、一般的にはメインユニットを交換できないとされている車種であっても市販品への換装を行える場合が多い

ただしその際も、交換費用がどのくらいになるかはケースバイケースだ。なのでそのあたりについての事前確認はお忘れなきように。なお、案外大きな改造をしなくても大丈夫な場合もある。純正メインユニットの使い心地に悩んでいるのなら、相談してみる価値は大きい。

また、連動する機能(例えばETCやドライブレコーダー等)にも影響がおよぶ場合も少なくないので、そういった部分にて発生する手間(費用)も事前確認しておこう。

プロならサウンドチューニングもお手のもの!

カーオーディオ・メインユニットには多くの場合、なんらかのサウンドチューニング機能(プロセッサー)も搭載されている。そしてその操作は案外難しい

例えば「イコライザー」という機能があり、これは本来、車内の周波数特性の乱れを補正するための機能なのだが、そもそも車内の周波数特性がどのような乱れ方をしているのかを把握するのが難しい。

しかしプロは、周波数特性がどのように乱れているのかを的確に掴める。そしてそれを補正すべく「イコライザー」を使いこなす。

メインユニット交換をプロに任せれば、使用する機器の性能を最大限引き出せるサウンドチューニングも施してもらえる、というわけなのだ。

まとめ

1DINメインユニットの一例。

使用中のメインユニットを購入してから多くの年月が経っているのなら、最新モデルへの交換の検討をして損はない。最新モデルに換えれば、使い勝手が良化し音も良くなる。ドライブがもっと快適になるのは間違いない。

その取り付け作業も、自分でやってみると結構楽しめる。巣ごもり時代の今、これにトライするのはアリだ。

しかし、簡単ではないこともまた確かなので、確実にこれを実行したいと思ったらお近くのカーオーディオ・プロショップの門を叩こう。そこに行けば、不可能も可能になるし、より良い音で音楽を楽しめるようにもなる。利用する価値は大だ。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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