2019年に『アクセラ』から名称を変えデビューした『マツダ3』。昨2020年末には、新世代の2.0Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせた「e-SKYACTIV X」と1.8Lディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D」を搭載したモデルがアップデートを受けた。
目次
進化版SKYACTIV-Xを搭載した マツダ3 に試乗! 低速からの加速時に軽快さと瞬発力が備わった …桂伸一
より緻密な“燃焼制御”が可能に
「進化し続けるSKYACTIV-X」、という名目の進化版エンジンを搭載した『マツダ3』のプロトタイプ車に乗った。低炭素社会、CO2削減に向けての環境対応エンジンとして、超希薄燃焼と自己着火、通常燃焼への切り替え、スーパーチャージャーによる過給と、エンジントルクの谷間をモーターがカバーしながら、革新的な内燃機関ユニットとして世に放ち、市場で鍛えられ進化を続けるのがSKYACTIV-Xである。
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SKYACTIV-Xエンジンがアップデート、試乗で感じた内燃機関に対するこだわり…松田秀士
ソフトウェアの変更で走りはどう変わるのか?
普通、アップデートというと何がしかのハードウェアである場合が多いけれども、今回はソフトウェアとのこと。それがどの程度『マツダ3』SKYACTIV-Xの走りを変えるのか注目するところ。
まず現行モデルのATで走り→アップデートモデルのATで走る。次に現行MT→アップデートMTと走行する、というパターンなので差は分かりやすい。コースは旧レースコースだったMINE(現マツダテストコース)のメインコースとコース周辺の観客移動用だった通路。実際この通路がほぼ一般路のワインディングに近く、アップデートを体感するのにぴったりだった。
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既存オーナーもアップデートの恩恵が受けられる? その意義
マツダは19日、『マツダ3』の商品改良と「マツダ3 ファストバックX 100周年記念車 2020ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー受賞記念モデル」の発売を発表した。説明会では、既存オーナーも改良アップデートを受けられる可能性についての言及もあった。
商品改良の対象となるのはマツダ3 e-SKYACTIV X(2.0Lガソリンエンジン+マイルドハイブリッド車)とマツダ3 SKYACTIV-D 1.8(ディーゼルエンジン)の2種。これにマツダ3 ファストバックXのイヤーカー受賞記念モデルが加わる。主な改良点は、EGRや燃料噴射などECU系のアップデートによる出力・トルクアップや操作性・応答性の向上。予防安全性能の向上となる。
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e-SKYACTIV X搭載車の出力向上、ソフトウェアをアップデート
マツダは、昨年5月に発売した新世代商品第1弾『マツダ3』を改良し、一部のモデルを11月19日より発売した。
今回の商品改良では、新世代ガソリンエンジン「e-SKYACTIV X」搭載車のエンジンとトランスミッションを制御するソフトウェアをアップデートした。SPCCI(火花点火制御圧縮着火)の燃焼制御を最適化することで、ほぼ全回転域でトルクと出力を向上。最高出力は10ps増の190ps、最大トルクは16Nm増の240Nmにそれぞれパワーアップ。高応答エアサプライの過給を緻密に制御し、素早いアクセル操作に対してより速やかに過給することで、応答性を向上させた。
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【SKYACTIV-D 試乗】バリューにこだわるツーリング派には最適…片岡英明
20年11月に商品改良を受けた『マツダ3』。SKYACTIV-Xと同じように、直噴システムを採用した直列4気筒DOHCディーゼルターボ(SKYACTIV-D)エンジンも進化した。
マツダ3や『CX-30』に搭載される1756ccのS8-DPTS型エンジンは、より広い回転域で力強いトルクを発生するように制御を変え、アクセルを踏み始めた瞬間の応答性を高めている。従来型は最高出力85kW(116ps)/4000rpm、最大トルク270N・m(27.5kg-m)/1600~2600rpmだった。これに対し最新型は、最高出力を95kW(130ps)/4000rpmに高めている。最大トルクは今までと同じだ。
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【SKYACTIV-X 試乗】まだまだ道半ば。完成形が楽しみだ…中村孝仁
世界的にCO2削減が叫ばれ、多くの国で電動化したクルマを普及させる施策が発表されている。しかし、物事はそれほど単純ではない。
全部電気自動車になれば良いかといえば、ならば電気を作る時にCO2は発生しないかと言うと現状は大いに発生する。特に日本は。それに電気自動車の重要な要素であるバッテリーを作る時だってCO2は発生するから、単純に内燃機関を止めれば良いというわけではないことは、少し考えれば誰にでもわかること。
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《text:滑川寛》