シンフォニのパワーアンプを生かすために選んだフロントスピーカーはブラックス。オーディオコンペも目標にひとつとする北田さんが新たに作ったゴルフVIIはクオリティの高いユニット群を福井県のパラダがセンス良くインストールし高音質を実現した。
正確無比なサウンドを目指して
フロントにブラックスの3ウェイを選択
前のクルマへのオーディオのインストール以来、オーナーの北田さんがことあるごとに顔を出している福井県のパラダ。ここでオーディオの仲間を広げたオーナー、周囲の影響からオーディオコンテストへの出場を決意して作り始めたのがこのゴルフVIIだった。前編でお伝えしたとおり好みのサウンドを再生してくれるパワーアンプとしてシンフォニを導入し、それを中心にシステムデザインを構築した。今回はコクピットまわりを紹介していくこととしよう
キーユニットとなったシンフォニのパワーアンプ。A級動作のパワーアンプ群からの音声信号をより正確に音として表現し、シンフォニの持つ音色をストレートに表現するスピーカーとしてブラックスをチョイス。ツイーターにはグラフィックシリーズのGL-1、ミッドバスには同じくGL-6をチョイス、さたにミッドレンジにはブラックス・マトリックスシリーズのML-2をチョイスしてフロント3ウェイシステムを構築した。
取り付け面で特に見どころとなったのはAピラーへのミッドレンジのインストールスタイルとドアミラー裏へのツイーターのインストール処理だ。特にツイーターマウントはドアミラー裏に異形のデザインでパネルを製作、ここにツイーターをビルトインするという手の込んだ取り付けを実施。ドアを閉めたときにツイーターパネルのフィット感は絶妙なのが写真からも見て取れるだろう。
ミッドバスはドア純正位置にインナー取り付け
充実のフロント3ウェイで最良のサウンドを再生
ミッドバスはドアの純正位置にインストールする。ユニットはブラックスのGL-6をチョイスしインストール。狙ったとおりのサウンドを引き出している。取り付けはインナーバッフルとしているが、フロント3ウェイのバランスは絶妙の仕上がりとし、オーディオコンペを狙うだけの上質なサウンドを再生する。もちろん中低域の厚みや質感の高さも万全だ。
コクピットはあくまでも純正を崩さないインストールがオーナーの狙いだったとおり、ピラーまわりをのぞくと大がかりなカスタム処理は見られず、スマートでシンプルな作りに終始している。ウォークマンをプレイヤーにしたシステムで、ヘリックスのDSP PRO MK-2を用いたサウンドチューニングを施し、3ウェイ+サブウーファーをフルでコントロールするシステムを作り上げた。
インストール後に再生されたサウンドを聴いたオーナーは「アンプの持っている雰囲気とパワーをしっかり表現している」と気に入っている。自分が気に入ったユニットでシステムを構築し、狙い通りのサウンドを引き出し満足度も最高潮だ。
ダイレクターの取り付けなどでもアイデア満載
使いやすくシンプル&カッコいいデザインを投入
コクピットの加工で見どころとなるのはヘリックスのダイレクターの設置だろう。DSP PRO MK-2のコントローラーとして導入するダイレクターだが、設置場所はセンタークラスターの下部。ここにパネルを新設してダイレクターの周囲をパテ処理して成形。さらに取り付けパネルは開閉可能で、背面にはUSBケーブルを収めることができる。ケーブルで乱雑になりがちなコクピットまわりをスッキリさせる便利装備としているのもアイデアだ。
オーディオプレイヤーにはソニーのウォークマンを使用する。こちらはホルダーを使って運転席から操作しやすい場所に設置。ヘリックスのプロセッサーに入力するシステムとした。
見えない部分だが、ロードノイズを押さえるためにフォーカルの防音材を使った調音施工を実施。クルマの静粛性が上がり、オーディオ再生時の音の質感も上がったという。
お気に入りのゴルフVIIに渾身のオーディオシステムを組み込んで、オーディオカーを完成させた北田さん。シートには最新モデルのレカロRCSを導入するなど、オーディオのみならず愛車をグレードアップする各種パーツにもこだわり満載。内外装をカッコ良く使い勝手の良いクルマに仕上げていくカスタムはまだまだ続いていく。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》