【プジョー 208 新型試乗】「アリュール」は価格、愉しさ、バランスでBセグ最高評価…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【プジョー 208 新型試乗】「アリュール」は価格、愉しさ、バランスでBセグ最高評価…中村孝仁

自動車試乗記
プジョー 208 アリュール
プジョー 208 アリュール全 26 枚拡大写真

「思っているスピードよりも20km/hは速いわね」

隣に乗っていた我が女房殿が「このクルマって、安定してるわねぇ。ガシっとしてるし。」と、いつになくクルマを褒めた。そう言えば『208 GTライン』の時は乗せなかったかなぁ…などと思いつつ、秋に入ってガラ空きの横浜横須賀道路をのんびりとクルージングした。

もっともこの女房の言葉が出たのは、その前の第三京浜国道を走行中のこと。前を走る深紅の『フェラーリ』を何気なく追いかけていた時に発した言葉だ。「思っているスピードよりも20km/hは速いわね」という言葉もその時飛び出した。

プジョー『208アリュール』とGTラインの差は装備と内外装の意匠。それに装着タイヤの差であって、エンジンとトランスミッションに差はない。装着タイヤはGTラインが205/45R17。これに対してアリュールは195/65R16となる。銘柄はどちらもミシュラン・プライマシーである。なので、乗り始めてすぐにアリュールの路面とのコンタクトがGTラインよりもソフトで快適なことに気が付いた。

お金を出してでもGTラインが欲しい気持ちはわかるが

外観での差はほぼフロントエンドに集中していて、グリル、サーベルライト、ヘッドライトなどが異なる。グリルの違いは非常に細かくて、グリルを構成する小さなクロームの化粧がアリュールはL字であるのに対し、GTラインはそれが直線であること。またヘッドライトはGTラインの場合サーベルライトから続く同じモチーフがヘッドライト内にも展開されているのに対し、アリュールにはそれがないことなど。


また、ボディサイドではホイールオープニングに黒の縁取りがあって、タイヤにサイズ感を持たせたデザインであるGTラインに対し、アリュールにはそれがないこと及び、Cピラーにロゴが入らないことなど。そしてリアエンドはほぼ同じながらアリュールはグレードを示すエンブレムが装備されないことと、エクゾーストパイプにクロームのエンドチップがないため、ある意味では迫力に欠け普通に見えることなどが違いとなる。

これに対してインテリアはシート地が異なり、シートの形状自体も異なっている。細かく見ていけばステアリングの革巻きなども異なるし、アリュールは全体的に簡素化されていることがわかるが、ならばそれで大きな違いが出るかと言えば、それは全くなく、要は豪華に見えるか、少し簡素に見えるか程度の差でしかない。

もっともそこが肝だから、お金を出してでもGTラインが欲しくなる気持ちは良く分かる。一方で16インチ装着車のアリュールと乗り比べた後は、その印象が少し変わった。

Bセグ最高のバランス


というのも冒頭の女房の言葉通り、このクルマ相当に速いしクイックなステアリングやターンインの際のシャープというよりも正確なステアフィールなど、17インチのGTラインと比較してもほとんど劣るところがないところに加えて、路面コンタクトが優しく乗り心地が優れているのである。そんなわけだから、日常的に乗るにはこちらの方が却って気軽に乗れる印象だった。

GTラインの方はやはりビシッと決まったところがあって、アリュールよりさらに引き締まっているから、乗り心地に関しては確実にこちらに軍配が上がる。燃費は1.2リットル3気筒としては決して褒められた数値ではないが、おおよそ12km/リットルといったところである。秋に入ったので、ちゃんとアイドリングストップもこなした結果、燃費はGTラインより確実に良かったが、現実的にはほとんど変わらないはずである。

まだ新しさも手伝ってか、行き交うプジョーユーザーのみならず、ライバルのルノーユーザーなどからもガン見されて、このクルマの注目度の高さを改めて感じた。


車両本体価格259万9000円。ナビゲーションとETC2.0、それにフロアマットのオプションを含めた合計価格は288万3430円で、トヨタ『ヤリス』の最上級モデルやホンダ『フィット・リュクス』などとほぼ変わらない価格帯である。何をクルマに求めるかでチョイスは変わると思うが、乗っていて愉しい、スタイルに好感が持てる、そしてすばしっこさではヤリスに少し負けるかもしれないが、全体のバランスという点では最高評価が与えられるBセグメントのモデルである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来43年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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