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【ダイハツ タフト 新型試乗】ムダのないパッケージングは「ネイキッド」に似ている…諸星陽一

自動車試乗記

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使い勝手も走りもいいぞ

かつてのオフロード4WD、『タフト』の名前を復活させた軽自動車SUVは、じつに使い勝手も走りもいい、そして遊び心もあふれるモデルであった。

ネーミングはタフトの復活かもしれないが、むだのないパッケージングはかつて存在した『ネイキッド』に非常に似かよっている。端的に言ってしまえば、直方体のキャビンと直方体のエンジンルームを組み合わせたボディワークを採用。四隅にタイヤを配置したようなパッケージングだ。

ただし、タフトは従来モデルのリファインではなく、まったく新しいクルマとして作られた。その最たるものが現行『タント』から採用されたDNGAと呼ばれる新しいプラットフォームの採用である。

ボディサイズは軽自動車サイズである全長3395mm、全幅1475mm。全高は1630mmで軽トールワゴン程度の高さ。ホイールベースは2460mmとなる。搭載されるエンジンは軽自動車の慣例にならって自然吸気とターボ、スペックは自然吸気が52ps/60Nm、ターボが64ps/100Nmとなる。

ターボの優位性は出力だけではない


走りを比較すると明らかにターボに優位性を感じる。ターボと自然吸気の違いはエンジンの出力だけでない。ターボはCVTを新型であるD-CVTに変更している。この効果は大きく、低速での力強い加速とともに高速でのエンジン回転を抑えることができ静粛性や燃費を向上している。最近の軽自動車はターボと自然吸気の差が縮まってきているが、今回のタフトに関してはターボのほうが1段階上の性能といえる。

ハンドリングに関しては落ち着いた雰囲気を持つもので、ステアリングを切った際の動きにムダがなく、また正確だ。FF、4WDともに190mmと高めの地上高をもつが、腰高感を感じることなく運転できる。タイトなコーナーを速めのスピードで回っても不安感を感じることはない。また乗り心地もよく、DNGAの恩恵がかなり感じられる部分だ。

ただし、ACC(追従式クルーズコントロール)やLKC(レーンキープアシスト)はちょっと効きがきつめ。加速も減速ももっとゆるく、ステアリング操作もゆったりとしてくれるとドライバーの安心感は向上することだろう。

「スカイフィールトップ」が必須な理由


タフトは全車にスカイフィールトップと呼ばれる固定式のガラスルーフを標準装備している。ガラスルーフなので、重心が高くなっているはずだが、それによるハンドリングの悪化は感じない。じつはこのスカイフィールトップはタフトにとっては必需品だ。

Aピラーが立っているため、信号で先頭に停車した場合フロントウインドウから信号を確認できないことがある。しかし、スカイフィールトップからは信号の確認が可能。もしスカイフィールトップがなければ、信号を見るためにサイドウインドウを開けて顔を出さないとならないことになってしまう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《text:諸星陽一》

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