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メルセデスベンツ Sクラス 新型、受注を欧州で開始…新世代の直6エンジン設定

自動車ニュース

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メルセデスベンツは9月15日、新型『Sクラス』(Mercedes-Benz S-Class)の受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、9万3438ユーロ(約1165万円)と発表されている。

直6ターボディーゼルは最大トルク61.2kgm

9万3438ユーロのベース価格は、ディーゼルエンジンを積む「S350d」に適用される。S350dには、新世代の直噴3.0リットル直列6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する。最大出力は286hp/3400~4600rpm、最大トルクは61.2kgm/1200~3200rpmを獲得した。

トランスミッションは9速ATの「9Gトロニック」で、駆動方式は2WD(FR)だ。0~100km/h加速は6.4秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。ディーゼルならではの環境性能は、欧州複合モード燃費が16.1km/リットル、CO2排出量が163g/km(いずれもNEDC:新欧州サイクル)と、大型サルーンとしては良好なレベルにある。

一方、ガソリンエンジンは、新世代の直噴3.0リットル直列6気筒ターボを搭載する。2種類のチューニングがあり、「S450 4MATIC」は最大出力367hp/5500~6100rpm、最大トルク51kgm/1600~4500rpm、「S500 4MATIC」は最大出力435hp/5900~6100rpm、最大トルク53kgm/1800~5500rpmを獲得した。

トランスミッションは、両グレードともに9速ATの9Gトロニックで、駆動方式は4WDだ。動力性能はS450 4MATICが 0~100km/h加速5.1秒、最高速250km/h(リミッター作動)、S500 4MATICが 0~100km/h加速4.9秒、最高速250km/h(リミッター作動)となる。ドイツ本国でのベース価格は、S450 4MATICが10万6650ユーロ(約1327万円)、S500 4MATICが11万5130ユーロ(約1432万円)だ。

メルセデスベンツの最新デザイン哲学「官能的純粋」を反映

Sクラスはメルセデスベンツ伝統のラグジュアリーサルーンで、自動車業界の指標のひとつとされる。新型Sクラスは、この伝統を継承した。エモーショナルとインテリジェンスとの新たな融合を目指し、最新のテクノロジーと職人技との組み合わせによって、ラグジュアリーサルーンの新基準を標榜している。

新型Sクラスのエクステリアは、短いフロントオーバーハング、長いホイールベース、バランスのとれたリアオーバーハングが特長だ。長いボンネットの先端には、スリー・ポインテッド・スターが取り付けられた直立したフロントエンドがあり、大型のパッセンジャーセル、彫刻的なショルダーライン、流れるようなCピラーが採用された。

ボディ側面のキャラクターラインは、新型では大幅に削減された。彫刻的なボディの表面は、特別な光の効果を発揮するようにデザインされている。これは、メルセデスベンツの最新デザイン哲学、「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」を表現したものだという。

フロントセクションは、ステータスの高い大型のラジエーターグリルが特長だ。先進運転支援システム(ADAS)のセンサーとカメラは、フロントグリルに組み込まれている。

スリムなヘッドランプも、フロントマスクを特徴づける。各ヘッドライト内には、デイタイムランニングライト3点が配される。マルチビームLEDヘッドランプを標準装備した。青く光る「デジタルライト」がオプションで選択できる。

ショートボディとロングボディを用意

ポップアップ式のドアハンドルはオプションだ。ホイールのデザインは、18~21インチが用意される。テールランプは、改良新型『Eクラスセダン』同様、トランクリッドにまで回り込む。テールライトの上端のクロームストリップが、リアのワイド感を強調している。

新型には引き続き、ショートボディとロングボディが設定される。ショートボディは、全長5179mm、全幅1921mm、全高1503mm、ホイールベース3106mmだ。従来型に対して、54mm長く、22mmワイド、10mm背が高い。ホイールベースは71mm延ばされた。

ロングボディは、全長が5289mmで、ホイールベースは3216mmとなる。従来型に対して、全長は34mm、ホイールベースは51mm長い。

ラグジュアリーヨットのデザイン要素を取り入れたインテリア

ボディサイズを大型化した効果で、新型はインテリア空間が拡大した。従来型に対して、前席のひじ周りのゆとりは38mm広がった。後席は、頭上空間が16mm、ひじ周りの空間が11mm(ロングボディ)~23mm(ショートボディ)、足元の空間は24mm(ロングボディ)~41mm(ショートボディ)、それぞれ拡大している。

新型Sクラスのインテリアは、さらなる上を目指した。デザイナーは、優雅さ、高品質、軽さを追求し、ラウンジのような心地よい雰囲気を作り出した。新しいアーキテクチャやモダンなデザイン、人間工学に基づいたディスプレイ配置を備えたダッシュボードを採用した。メルセデスベンツのインテリアデザイナーの目標は、車内のデジタルとアナログの高級感を調和させることだという。

インテリアには、ラグジュアリーヨットのデザイン要素を取り入れた。アルミやオープンポアウッドベニアなどの素材を使用する。ダッシュボード全体がフロントトリムセクションと融合して、ひとつのデザインを形成する。センターの大型ディスプレイは縦長になった。このセンターディスプレイは、フローティング状態でダッシュボードに支えられ、2D表示と3D表示が切り替えられる。前席向けと後席向けで、最大5つのディスプレイが装着できる。

新しいデザイン手法には、水平に取り付けられたアジャスター付きの4つの薄型センターベントがある。ダッシュボードの両側には、2つのスリムな垂直サイドベントが採用された。必要な数のボタンをできるだけ少なくし、コントロールスイッチの数を削減した。

後席乗員のための快適装備が充実

新開発のシートは、流れるような立体的なデザインが特長だ。新設計のヘッドレストを採用した。運転席のリクライニングの調整範囲と角度は、大幅に改善されているという。後席を独立2座とした場合、後席の間には大型のウッドトリムが装着される。後席は、リクライニングシート機能、折りたたみ式センターアームレスト、ビジネスセンターコンソールなど、最大5つの仕様から選択できる。

フロントシートには、耳に近い位置にスピーカーを組み込む。サラウンドサウンドの最適化により、インフォテインメントのアナウンス、例えばナビゲーションの指示や電話の着信などに関する情報を、より正確にドライバーに届けることができるという。

また、ファンを備えた空調制御シート、クッションマッサージ機能も採用した。広範なNVH対策による静粛性、「E-ACTIVE BODY CONTROL」などの革新的なサスペンションシステムによる優れた乗り心地を追求した、としている。

《text:森脇稔》

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