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レイズのトップブランド“ボルクレーシング”、2020年新作モデルも強烈な魅力を放つ

自動車ニュース

VOLK RACINGの2020年最新モデルを一気見せ!全 22 枚写真をすべて見る

レースシーンで培った技術を市販モデルへとフィードバックするレイズのボルクレーシングを紹介するこの企画。後編の今回は高いパフォーマンスに加えて、デザイン性を高める数々の最新技術について紹介して行くこととしよう。最新モデルの紹介も合わせて行う。

デザインの幅を広げるマシニングや
REDOT工法がボルクレーシングを彩る

レース用ホイールの開発によって培われたレイズのハイパフォーマンスな技術の数々。ボルクレーシングの各モデルにはそんなスピリッツがたっぷり注入されている。さらに同ブランドのもうひとつの魅力はそのデザイン力だ。高性能とデザインを両立させることもボルクレーシングの掲げる大きなテーマだ。

その代表的な手法がマシニングだろう。前編でもお伝えした通りF1マシンへのホイール開発で導入した経緯があり、徹底した軽量化のために用いられてきた技術だ。そんなマシニングを同社ではデザイン処理に用いる分野にまで用途を広げ、個性的な切削を加えることでオリジナリティを追求している。スポークサイドのマシニングに始まり、肉抜き加工やエグリ、リムにロゴや繊細なラインを施す処理まで、そのスタイルは多岐にわたっている。パフォーマンスとデザインを同時に感じさせることができる加工技術の代表例と言えるだろう。

さらに近年の同社のホイールに注入されている印象的なデザイン処理が同社の特許技術であるREDOT工法だ。プリンターのインクジェットのように細かなドットを噴射して塗装する手法で、マスキング処理無しに直接ホイールにペイントできるのが特徴。しかもかなり微細な塗装も可能でデザインの幅は広い。塗装のためのノズルや機器に加え塗料も独自のものを使用する。リム部分へのREDOT工法を使った処理でオリジナリティを追求するのも最新の流れだ。

塗装クオリティの高さも同社の魅力。不均一な面に対しても塗装膜の均一にする技術が優れているポイント。一般的にはアールが付いている部分に塗装する場合、平面部分と傾斜部分では塗装膜の厚みが変わってしまう。それを均一で美しい塗装に仕上げる技術に長けているのも注目ポイントだ。例えばダイヤモンドカット+ブラッククリアなど、表面処理の美しさを際立たせる手法でその効果は顕著だ。どこを見ても均一の仕上がりで美しさが際立つ。

ボルクレーシングの2020年の新作
構造やデザイン面の注目ポイントを紹介

ここからはボルクレーシングの新製品群の特徴と魅力について順に見ていくこととしよう。毎年多くのニューモデルを登場させている同ブランド。今シーズンの注目モデルを紹介しよう。


ZE40 TIME ATTACK II

5穴に対して10本スポークという高い強度を持たせるには絶好のレイアウトを採った同モデル。新作ではREDOTとマシニングを駆使した新しいタイムアタックラインを施し、従来のタイムアタックモデルからの進化を果たした。センターパート内側へのマシニングやオーバーハングスポーク形状など、大胆な加工を施すこともでも注目のモデル。軽量・高剛性モデルにデザイン性を兼ね備えたモデルとなった。


TE037 6061 REDOT 2020

TE037 6061の2020限定カラーとして登場したモデル。リムに印象的なREDOTが施されるなど、インパクト十分なデザイン。一見するとブラックに見えるダークブルークリアのカラーリングも独特。スポークサイドに穴を空けた独自のデザインは5軸マシニングセンタ+専用治具を駆使した高度な技術力の現れ。新しい世代のTE37を思わせる先進の技術とカラーリングが込められたモデルとなった。


TE37SB REDOT 2020

ハイエースを貨物バンでは無く万能車両=スポーツボックスと見立ててTE37による適合モデルを開発したのがこのモデル。今回登場したのはMTカラーにREDOTを施した2020限定モデル。6穴モデル、ラージPCDに合わせたデザイン、スポークに食い込むナットホール、スポークとスポークの間にエラ状のデザインを配置するなど、力強さを各部に備えたデザインも魅力だ。


TE37ULTRA LARGE Tourer

ヒットを続けるランドクルーザープラドをターゲットに開発されたこのモデル。リム切削モデルが新たに追加設定された。リム部分を切削で強調することでホイールの存在感をアップ。ハイトの高いタイヤとの組み合わせが想定されるモデルだけに、リムを見せることでメリハリを引き出したのも狙い。また深く落ち込んだセンターパートも立体感の演出に一役買っている。


TE37KCR 2020 MA/TE37KCR 2020 BC

軽自動車に最適化を図ったTE37がこのモデル。新色とマシニングを施した2020限定モデルが新登場した。そもそも軽自動車はボディサイズが限られていることから足まわりに余裕が無く十分な奥行きが取れないことからホイールが薄くなりがち。そこで同モデルはハブ部分の高さを稼ぐことやスポークのリム側のエンドをすっと落とし込むことで立体感を演出。足もとに高級感を与えている。


G16 BC/C

次世代のボルクレーシングを感じさせるGシリーズのG16。その名の通りストレートのツインスポークを8対備えた16本スポークが基本構造となっている。対向面に直線的にスポークがあると凡庸に見えることが多いのだが、このモデルはY形状のデザインとの融合で変化を付けているのがアイデア。新色であるBC/Cはダークなカラーリングで重厚感を引き出すのが狙い。グロスクリアをまとった独特の表面処理も美しく高級感満点。


G025 DB/C

応力分散に優れた2×5のスポーク構造を備えることで極細のスポークを実現したG025。新色となるブルークリアが新登場。ダイヤカットしたトップ面にブルークリアを処理し、見る角度や光の当たり方でキラリとブルーに輝くフェイスを作った。同時に20インチモデルも新たに追加された。Y字形状長さや根本部分やブリッジ状に空けた穴の形状はインチ数に合わせてリデザインされ、バランスの良いフォルムを形成している。

ハイスペックに加えてカッコ良さを
さらに加速させていくボルクレーシング

レイズの最高峰ブランドであるボルクレーシング。今回の取材を通して見えてきたのはレースシーンから生まれたハイパフォーマンスな設計やオリジナリティにこだわる同社のデザイン手法。ひとつひとつの説明に対して実際に該当するホイールを見て触れると、その存在感やカッコ良さが一層リアルに伝わってきた。

また開発責任者である山口さんからF1やSUPER GTなどのリアルな開発ストーリーをうかがい、レースで用いるホイールに対して要求される性能レベルの高さを思い知らされた取材でもあった。そんなハイレベルな技術が込められたボルクレーシングは、ユーザーが“持つ喜び”を感じるのは必然であることも納得した。デビュー当時の「高性能を身近にする」と言う思いを引き継いで、無闇に高級路線に走ることなく、多くのユーザーが手に取れるモデル群を用意していることから、鍛造・高性能ホイールを身近に感じることができるブランドだとあらためて感じることができた。

さらに驚いたのはニューモデル群に込められたデザインの進化だ。ハイパフォーマンスであることに甘んじること無く、カッコ良さを常に追求する姿勢もボルクレーシングの新製品群からもひしひしと伝わってくる。大胆なマシニングを施した形状で従来のホイールの概念を覆すようなフォルムを見せてくれたり、REDOT工法でカラーリングの妙を付加するなど、ボルクレーシングの持つベースのカッコ良さをさらに引き立てるニューモデルがどんどん拡大中だ。ぜひ実物を見て触れてその魅力を感じて欲しい。

《取材協力:レイズ/レイズエンジニアリング》

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《text:土田康弘》

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